見出し画像

2025年2月19日(水)「内臓料理(魚)・にのわた」

今日の東京も快晴。
朝方の最低気温は-1℃、日中の最高気温も昨日同様8℃迄しか上がらず。まだ寒波は続いてるようで、午後には強い北風も吹いてましたね。漁師さん達、今週は出漁出来てるかなぁ?さて、

昨日は「二十四節気・『雨水』の時季のメニュー(案)」について書いてみましたが、本日は「内臓料理(魚)・にのわた」について書いて行きたいと思います。

にのわた。
今のこの時季は、ナマコの内臓の塩辛である「このわた」がシーズン真っ盛りです。
「にのわた」、またの名を「二番わた」等とも言われますが、二番手の「このわた」のコトをそのように呼び習わしてます。市場価格で言うと、100ml大の小さな瓶詰のこのわたは大体2,000~4,000円程度で売られているのですが、にのわたは大体その半額程度での販売が多いように思います(と言っても、にのわたはこのわたホド市場には出回っていないかな)。
因みに、このわたの著名な産地としては三河湾・伊勢湾・能登半島・瀬戸内海等でしょうか。自分が実家帰省時にお手伝いしている一色さかな村は三河湾のど真ん中なので、冬場のこの時季には瓶詰めされたこのわたやらにのわたやらもセリ場に並ぶんですよね。

セリに掛けられるこのわたとにのわた。その上は活きたアカナマコとクロナマコ。

ナニが一番でナニが二番?
ナマコって言う棘皮動物の造りはとってもカンタンでありまして、胴体の他は口と尻(肛門)があり、その間に腸のような内臓がある、カンタンに言ってしまえばソレだけなんですね。ただ、一本の管のように見える内臓も、細かく見てみると、実はチャンと食道・胃・小腸・大腸等の消化器系があり、呼吸器も生殖巣もある。
実は「このわた」になるのは上述の消化器系のモノであり、生殖巣は「このこ」や「くちこ」に、そして呼吸樹と呼ばれる呼吸器部分が今回話題の「にのわた」になるんですね(以下の写真のオレンジ色の部分が「にのわた」の原料となる呼吸樹)。

アカナマコの腹を割ると出て来る内臓。オレンジのがにのわたの原料の呼吸樹。
内臓を取り出すと、こんなカンジ。腸と呼吸樹は分かるけど、生殖巣はワカランなぁ。
ココから砂をシゴいて出したりする手間暇を掛ける必要がある。大変な作業です。

そんな細かいコト、知りませんですよねぇ。
しかし、この内臓部分をナマコから取り出して、消化器系と呼吸樹と生殖巣の3つに分け、ソレらをキレイに洗って塩をして「このわた」・「にのわた」・「このこ(くちこ)」を作り出す作業、メチャ大変ですよねぇ。気が遠くなるホド。ソレを考えると、コレらのモノの値がある程度高いモノになってしまうのも理解出来る、と言うモノでありましょう。

お味の方はと言うと、このわたは海の香り満点なワケで酒を呼ぶツマミでありますが、にのわたの方も負けちゃあいない。ただ、このわたに比べると味はややマイルドなカンジがしないでもありません。でも、その区分を何も知らされずに(食べ比べ出来ることも出来なければ)、味の区別を付けられるヒトは、作っている方々を除けば殆どいないのではないかな?とも思いますね。

まぁ、そんなにドコにでも手に入るような代物でも無いし、売られている時季も限られているモノなので、入手が出来ればハナシのタネにでもお出し出来ると良いかな?と思いました。

明日は「有害鳥獣・数字とグラフで見る獣害の現状」についてお届けする予定です。

いいなと思ったら応援しよう!