デザイナー採用の6つのギャップを本気で解消しよう
こんにちは、まさよふ(masayofff)です。
2018年、前職の私はデザイナー採用に悩んでいました。
デザイナーが採用できる道筋がまったく見えなくて。
社内外の誰に聞いても、
何度要件を見直しても、
スカウトを打っても、
募集かけても、
記事書いても、
エージェントにお願いしても。
「採用が達成できない。組織に貢献ができない」
「優秀なデザイナーに面談に来てもらっても採用につなげられない。興味持ってもらえたあとの、お見送りの連絡がつらい…」
「デザイナーが活躍できる環境を整えたり、ワクワクするような期待役割を伝えられてない」
「デザイナー採用、できない、つらい…やめたい」
2018年の秋。
悩みすぎて思い詰めすぎて。家では、子どもたちに見つからないように、連日泣いていました。
子どもたちが赤ちゃん時代に使ってたボロボロのSassyバスタオルがずっしり重たくなるほど。
当時の上長には「デザイナー採用を続けることに罪悪感しかない。採用から外して欲しい」と訴えて困らせたこともあります。(ほんますみません)
本気で悩み抜いた私だからこそ、
「デザイナーがなかなか採用できない😭」
と悩んでる採用担当の方の気持ちに寄り添いたい。
今回のnoteは、そんな採用担当の方々に向けて、少しでもヒントにしてもらうため、私の悩みと失敗から生まれた、気づきのかけらを集めたnoteです。
0.「デザイナーが採用できない」を分解する
どうしてこんなに、デザイナー採用は難しいんだろう?
6つに分解して考えてみましょっか。
1.デザイナーのニーズのギャップ
2.デザイナーの年収のギャップ
3.デザイナーの実態のギャップ
4.デザイナーの要件のギャップ
5.デザイナーのキャリアのギャップ
6.デザイナーの組織のギャップ
1.デザイナーのニーズのギャップ
デザイナーって、少ないのに、ニーズは高いんです💧
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2017年)によれば、
国内には
・デザイナーは7,148人
・システム・エンジニア 66,594人
・プログラマーが 18,755人
SEとPG計 85,349人
人数比は、
デザイナー:エンジニア=1:12
です。デザイナー少なっ!
デザイナードラフトにご参加の企業様は、1:5〜1:10くらいの割合のことが多いです。
海外では、デザイナーの比率を高めようとする動きがあります。
IBMは「1:8」を目指して「1000人採用」しようと動いてました。ひゃー!
IBMではデザイナーをよりスピーディーに顧客体験を統合できるための鍵を握る人材とし、デザイナーとエンジニアの比率を「1:30(2013年)」から「1:8」を目指して、デザイナー1000人以上を大規模採用。
対して、
indeedで「デザイナー 日本」で検索したときの求人は
133,462 件!
先ほどのデザイナー7,148人と比較すると、
およそ、18.67倍。
indeedの求人のすべてが「現在募集中」ではない可能性もありますが、
デザイナーはエンジニアに対して少ない
海外ではデザイナー比率を高める動きがある
国内でも、需要に対して供給が足りてない
…って状況はザクっとわかるかな、と。
母数が少ないってことは、
デザイナーのことを理解してる人が少ない
↓
デザイナーのキャリアに詳しい人が少ない
↓
デザイナーの採用や育成するのが得意な人は少ない
ってことです。
人数の少ない、中小企業やベンチャーであるほど、デザイナーの人数も少なく、理解も難しい傾向にあるのでは?
人数が少なくて理解が難しい職種だけど、ニーズは高まっているってことが、採用を難しくしてる要因かもしれないですね。
2.デザイナーの年収のギャップ
デザイナーや人事の方から
「デザイナーの平均年収を知りたい」
「うちのデザイナー給与が適正かどうか知りたい」
って聞かれます。かなりの頻度で。
Googleで「デザイナー 平均年収」で検索して出てくる情報はこういうの。
ざっくりウェブデザイナーの平均年収は、360万円(給料30万円)ほどと言われています。
第7回デザイナードラフトの平均提示年収は、569万円。
こちらは「事業会社のデザイナーとして活躍できるか」という基準でリブセンスの現役デザイナーの審査を通過したデザイナーのうち、指名を受けた(=企業からスカウトを受けた)デザイナーの平均となります。
この2つのそれぞれ異なる結果をみて、どう感じますか?
「デザイナードラフト高いなぁ」とか、「エンジニアよりはやっぱり安いんだなぁ」でしょうか。
ここまで平均の話に触れておいてアレですが、私は「デザイナーの平均年収を気にしても意味がない」と考えます。
だって「平均的なデザイナー」を採用して「業界平均」の活躍をしてもらいたいんじゃないですよね?「うちの会社にマッチングするデザイナーに、思いっきり活躍してほしい」ですよね?
ニーズが急拡大してる現状で、過去のデザイナーの平均年収を求めても仕方ないのです。
事業や組織の状況によって、活躍するデザイナー像は全く異なります。
「平均年収」で自社のデザイナーの年収を決めるのではなく「うちの会社で活躍するデザイナーの市場価値」を正しく見極めることが重要なんじゃないでしょうか?
3.デザイナーの実態のギャップ
デザイナー採用のフローに関わるすべての方へ。
今年、何人のデザイナーに会いましたか?
デザイナー採用がうまくいかないときって「採用のフローに関わる人の間で、デザイナーに会った人数が揃ってない」ゆえに「求めるデザイナー像」がすり合ってない可能性はないでしょうか?
募集を作ったり、大量のスカウトを打ったりする前に、社内の「デザイナー」に対する目線を合わせてみませんか?
採用に限らず、デザイナーという職種にたくさん会うことをおすすめします。
できれば100人、少なくとも30人のデザイナーに会って話をしてみてください。
デザイナーが、今いる組織でどんなことをしているか、どんなビジョンを掲げて動いているか。
いきなり「採用しよう」とせず、カジュアル面談未満のラフな雑談レベルで、しっかりとデザイナーのリアルに向き合ってください。
デザイナーが多く参加するイベントに参加して、デザイナーと同じワークをすると、ありのままの姿がよく見えます。
1回のイベントで10人くらいは話せます。イベント3回!合計約6~9時間!
デザイナーの実態を理解するために時間を投資してみてください。
「デザイン」や「UX」と名のつくイベントに、エンジニアでも、人事でも参加出来るものはたくさんあります。
世のデザイナーは何を考え、何に悩み、どのような思考のプロセスを経て、どんな言葉を使うのか。
イベントに参加するようなデザイナーの多くは「学習意欲、向上心が旺盛で、コミュニケーション能力に長けたデザイナー」です。
デザイナードラフトに登録してるデザイナーも、イベントの常連の方がたくさんいます。そんなデザイナーたちのありのままの姿を知ってください。
イベントだけでなく、yentaやbosyuなど、採用の文脈を超えてカジュアルに話す機会を得られるサービスもおすすめです。
「スカウトや募集をつくる人」だけがデザイナーにたくさん会うんじゃなくて、「デザイナー採用のフローに関わる全員」で、デザイナーにもっと会ってください。
これは、私の大いなる反省点です。
前職で私は、デザイナーに会いに行くことの社内の巻き込みが足りなかったし、面談前にレジュメを絞りすぎた。
デザイナーの一次情報に接触した人間が組織のなかに少なすぎて、デザイナーの実態への理解や前提があわせられていなかった。
もっと、事業責任者や、代表に、デザイナーにたくさん会ってもらえたらよかったなぁと本気で思ってます。
4.デザイナーの要件のギャップ
デザイナーに会ったぜ!どんなデザイナーがいるか、デザイナーがどんな風に仕事に取り組んでるかわかってきたぜ!ってなったら、採用要件を描いてください。
よくある間違いは「年齢」「スキル」「ツール」のような検索軸からデザイナー採用要件を考えてしまうこと。
検索軸だけで「こんなのがいいな」と要件を決めると、世の中にほぼ実在しないスーパーデザイナーや、自社にマッチしないデザイナー像ができる恐れがあります。
「UIやUXに長けてて、デザイン組織をつくったことあって、新規事業のデザインガイドラインつくれて、定量的な根拠のあるデザイン戦略も…」とか
こういうのがスーパーデザイナー要件です。
昨年のこの坪田さんのツイート大好きなんですが、もし、1000~1200万円くらい出すなら、こういった要件でもいいと思います。
1200万円のデザイナーじゃないなら、検索軸ではなくて、戦略から考えてみましょ。
どんな企業でも「組織戦略」「事業戦略」があるはず。
「今後3年間の中・長期の組織戦略、事業戦略はなにか?」
「そのうち、在籍するデザイナーだけでやるよりも、今回、デザイナーを採用することで最も加速させたい部分はどれか?」
「その部分を遂行するためには、どんなことをやってほしいか?」
「それができるデザイナーは、どんなデザイナーか?」
戦略から、やってほしいことを絞って、ストーリーを描くことにフォーカスしてください。
「なんでもできる人に来てもらって、何をやるかは、来てから考えてもらおう」みたいな思考だと、いつまでも採用できない恐れがあります。
優秀なデザイナーは、数多くの企業からすでに声がかかってます。
他社より鋭く、デザイナーの心を捉えるには「なぜあなたが必要か」「やってほしいことはこれだ」「こういうことはすでに社内でできるor外注したい からあなたには求めない」ということまで、磨いて、尖らせましょ。
「ここでデザインをしたら、こういうことができそう!」という解像度をとにかくあげてください。
採用するデザイナーだけにすべてを任せず、アウトソースする部分、今いるデザイナーで担う部分をしっかり見据えておくことも重要です。
「戦略から、やってほしいことを絞って、ストーリーを描くことにフォーカスしてください。」
大事なことなので2回言いましたw
5.デザイナーのキャリアのギャップ
デザイナーのキャリアは、どんどん多様化をしています。
事業会社で「ECサイト」のデザイナーを考えたとき、規模にもよりますが、10年前なら「ディレクター」「Webデザイナー」「コーダー」みたいな役割だけでよかったのです。
デザイナーの活躍とともに、キャリアの選択肢が広がっています。
ビジュアル特化型のデザイナーのキャリアの広がり方に関しては、このスズキアユミさんのnote、とてもわかりやすかったです。
書籍、「デザイン組織のつくりかた」においては、ビジュアルデザインを担わず、ユーザーリサーチやライティングを主なスキルとする「UXリサーチャー」がデザイナーとしてしっかりと定義されていました。
経済産業省や特許庁では、これから活躍するデザイナーのあるべき姿として「高度デザイン人材」を定義しています。
Webデザイナー、UIデザイナーというポジション名は出てきません。新たなデザイン人材像となっています。
海外では「UX」が当たり前になりすぎて、UXデザイナーという職種がなくなる?!という捉え方まであります。
現状、デザイナーのキャリアは多様化しすぎていて、過去の事例や、他社の事例をそのままでは使えないような状況になっています。
あなたの会社で
・どんなデザイナーが求められ、評価されるのか
・フロントエンドエンジニアや、マーケター、ディレクターとはどう役割分担するのか
・メンバーから経営層までどんなキャリアのステップを描くのか
デザイナーが主にビジュアルやUIを制作していた企業において、今まで通りの業務分掌では、新しいデザイナー像を受け入れるのが難しいでしょう。
「デザイナーだけ新しく採用してその人に新しい役割をすべて任せる」のか、
「新しいデザイナー像を受け入れるために、我々がどう変わればよいか、カイゼンをはじめる」のか。
デザインをどこまで、経営の重要課題と捉えるかで、アクションの質が変わってくると思います。
デザインを経営に活用している企業は平均と比べ、売り上げの伸びが32%もアップし、株主へのリターンも56%高くなっているという結果
デザインを経営に取り入れることのポジティブインパクトは、すでに数値で証明されています。
「組織においてデザインをどう捉えるか」で、デザイナーのキャリアはまったく異なるものになります。
これらの状況をしっかり見据えたうえで、あなたの組織における、独自のデザイナーのキャリアを考えてください。
6.デザイナーの組織のギャップ
今の社内のデザイナーたちは「最高に幸せ」になってますか?
社外の「デザイナー採用」に注力するあまり、社内のデザイナーの組織改善が後回しになることがあります。
「社内のデザイン組織をどう設計するか、デザイナーをどうやって活躍させるかは、優秀なデザイナーが来てから考えてもらおう」みたいな考えの採用担当がいたら、あらためてください。
採用がどんなに難しくても、デザイナーのことがわからなくても「デザイナーが幸せになる組織作り」の土壌を作ろうとするアクションは、今すぐできます。
今いるメンバーで「デザイナーが幸せになる組織作り」をしようとしていることこそ、デザイナー採用においても、大きな魅力になるんです。
社内のデザイナーのことをどれだけしあわせにできているか。
デザイン組織をつくるのは、デザイナーだけでできることではないし、新しいデザイナーが来てから初めてやることでもない、と私は考えてます。
面接で候補者を「やりたいことじゃなくて、どう行動したかで判断する」とき、面接官本人もまた「デザイン組織をこうしたい」「デザイナーとこういうことをしたい」じゃなくて「実際にこういう行動をした」という部分が候補者に問われていることを、自覚してください。
優秀なデザイナーであるほど、業務レベルでのユーザーリサーチ、ユーザーインタビューの熟練者であることがあります。
そんなインタビューの熟練者に対して「私はデザイン組織についての課題をこうとらえていて、このようなアクションをして、こういうことを実現してきた」と胸を張って伝えられますか?
「やりたい気持ちはあるけど、よくわからないから、何もしてない」なんて行動を伴わない相手とお仕事をしたくないのは、きっとお互いさま。
アクションを起こしましょう。デザイン組織を描きましょう。正解はひとつじゃないし、事業や組織のフェーズによって常に変わっていくものです。
このnoteを、デザイン組織をつくるうえで、議題のひとつにしていただけたら、めちゃくちゃ光栄です。
まさよふと、デザイナー採用のお話をしませんか?
悩みに悩んできたデザイナー採用担当だった私、まさよふは、デザイナードラフトと出会い、そこでデザイナー採用に改めて魅了されました。
現在は、採用担当ではなく、デザイナードラフト、転職ドラフトのディレクターとして走り回ってる日々です。
デザイナードラフト、転職ドラフトは、一見、年収額が目立ちますが、なかみはエモにあふれてる #エモ採用 ツールです!
私がデザイナー採用への熱量を取り戻せたのもまさに、そういう部分があったから。
私の個人ビジョン「デザイナーがキラキラするようにしたい」は、デザイナーの力だけでなく、デザイナーを採用する側や、ノンデザイナーのみんなのチカラがあってこそかなえられるもの、と思ってます。
ゲームのデザイナー歴は10年弱の私ですが、採用担当だったのはたった1年と少しです。
デザイナー採用の知見が足りません。
もっとたくさん学びたい。
このnoteでも、「思います」「多いです」のように、エビデンスをしっかり伝えられないことがもどかしくて。採用の現場のみなさんと共に学んでゆきたい。
まさよふと、デザイナー採用の話をしてみたい!って人事や採用広報やデザイナーの方がいたら、ぜひ、話しかけてください。
あなたの悩みを、想いをぜひ聞かせてください。
パンケーキでも🥞食べながら🎶
このnoteへのツッコミや、ご意見もうれしいです。よりよいnoteに仕上げたい✨
ともに、デザイナーをキラキラさせてゆきましょう!!!
お気軽に、TwitterDM、Facebookメッセ、お待ちしてます🤗💕
公開後の反響など
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後ほど、もうちょっとちゃんとまとめます。
ありがとうございます。
おしまいまで、読んでくださってありがとうございます✨ あなたの明日が、ちょっとステキになりますように。