13の理由 シーズン4を観て思ったこと
『13の理由』シーズン4が、Netflixで6月5日に配信開始となり、4年間に渡って続いてきた物語に幕を閉じました。
このシリーズ、2017年にシーズン1を観て以来、自分にとって一番重要だったと言っても過言ではないシリーズで、ドラマ化の方法について学ぶこともすごく多く、一方で一視聴者としても、非常に楽しめるものでした。前にもnoteでも記事を三本書いています。(興味のある方は:こちらとこちらとこちらに。)
2017年にロサンゼルスでシーズン1のスクリーニングイベントがあって、行ってきたときの写真を載せます。主役のDylan Minette(中央左), Katherine Langford(中央右)+ハンナの母親役のKate Walsh(右から二番目), 本作のドラマ化のクリエーターBrian Yorkey(最右)、監督とプロデューサーのTom McCarthy(左から二番目)によるQ&Aがありました。
基本的な設定としては、アメリカの小さい町でハンナ・ベイカーという一人の高校生が自殺し、主人公で、ハンナに恋をしていたクレイ・ジェンセンが、彼女の残したカセットテープを聞きながら、彼女が自殺に至った理由を紐解いていくという話なのですが、これはシーズン1の話で、同題のYA小説に基づいたものでした。
シーズン2では、前シーズンで小説の内容をほぼ使い果たした結果、同じ事件を別の視点から見ることで、実はハンナはクレイが考えていたような人ではないのでは?という疑惑を投下し、シーズン3はハンナの自殺に最も直接的な原因を与えたブライス・ウォーカー殺害の事件を中心に展開し、最後のシーズン4は過去3シーズン一番の嫌われ役だったモンティを巡るサスペンスになっています。
シーズン2以降やはり小説の元ネタが尽きたからなのか、大きくサスペンス路線へと舵を切り、特にシーズン4ではほぼサイコホラーとも思えるような演出があったりして、だいぶガッカリしたというのが正直なところです。シーズン1で、辛い中にも確かに存在していた甘酸っぱい高校生の青春とか、恋とか友情とか、『13の理由』で大事だった要素が、大きく削ぎ落とされていました。確かにシーズン3でも4でも「一生の仲間」とか言ったりしているけれど、僕の目には、それはただ秘密を共有し、自分たちの人生を守るためにそれを一生覆い隠し続ける必要があるからこその繋がりにすぎないように思えました。
さらに、一番キツかったのはクレイです。やらなくても良いことをやってトラブルを起こすし、何かあっても「大丈夫」と言って問題を一人で抱え込み、結局さらなるトラブルを起こす。人に心配されるとすぐに「おかしい人扱いするな」とかキレるし。仮にも青春ものの主人公にするにしては、可愛げがなさすぎですし、まったく好きになれませんでした。一方でジェシカやジャスティン、それにアレックスなどは、シーズン1以降良い方向に変化していて、非常に好感の持てるキャラクターでした。
というわけで、僕個人的にはシーズン1の甘酸っぱさを返せ、という感じです。クレイのキャラクターやサイコ・ホラー路線含めて、他に方法はなかったのか、と思いますが、それでもシーズン1が良すぎたので、その貯金をシーズン4のファイナル・エピソードまでで使い切ったという感じでしょうか。それに、たとえ途中で「まじかよ」と思うようになったとしても、僕は最後まで彼らの成長を見届けたかったのです。
オススメ度は
シーズン1:★★★★★
シーズン2:★★★☆☆
シーズン3:★★☆☆☆
シーズン4:★★☆☆☆
(最低が★、最高が★★★★★)