アップロード
アマゾンプライムのオリジナルシリーズ『アップロード~デジタルなあの世へようこそ~』を観ました。正確にはシーズン1の最終話以外を観ました。最終話は今日にでも観たいと思います。こちらは現在全シーズン1(全10話)のみ公開されていますが、すでにシーズン2の製作が決まっていることが報じられています。
『アップロード』は近未来のアメリカを舞台に、自動車事故に巻き込まれて命を落とながらも、デジタルデータ化された記憶と意識をもってバーチャルな死後の世界で過ごす主人公ネイトと、そのバーチャル世界の管理会社スタッフ、ネイトのデジタルデータを所有する美人でわがままなネイトの彼女などを描きつつ、ネイトの死の裏にある陰謀的なものが徐々に明らかになっていくコメディです。この5月から配信されていますが、現在200カ国を超える国と地域で観られているようです。
クリエーターは『The Office』で知られるグレッグ・ダニエルズで、ネイトを演じるのはロビー・アメル、その彼女はアレグラ・エドワーズ、そして管理会社スタッフで死後の世界に生きるネイトをサポートするのはアンディ・アローが演じています。(以下はネットの拾い物の写真です)
同じアマゾンのコメディシリーズで、腐敗したヒーローたちを描いた『ザ・ボーイズ』にちょっと通じるような、すごく明るいノリなのにいきなりエグい描写で人が死んだりするシーンが出てきます(『ザ・ボーイズ』ほど頻繁ではないです)が、カラッとした大人向けのコメディが、アマゾンのコメディ戦略の一つなのでしょうか。
主人公が住むのは、デジタル処理された仮想現実の世界ですが、パソコンやデジタルに関する難しい用語などはこれでもかというくらい出て来ず、システムのアップデート、アバター、ポップアップ広告、月々のデータ容量が変わる、など僕たちが今スマホやパソコンで使っていたり、面倒臭いと思うことが面白おかしく描かれていて、非常に共感できます。それに死後の世界にもちゃんと貧困問題とかがあって、このシリーズがただのコメディでなく社会風刺的な一面も垣間見られます。
イケメンの主人公と、美人で超わがままな彼女、それに死後の世界の管理会社スタッフの恋愛は、一見ありきたりですが、それが現在の世界ではなく、近未来の「この世」と「あの世」が舞台になった瞬間、面白いことがいろいろと起きてきます。
主人公ネイトの死をめぐるプロットが、本作をただの近未来の恋愛ロムコム(Rom Com=ロマンチックコメディのことです)に終わることを防いでいる一つの要素ですが、やや遅めです。もともとシーズン2以降も続けることを想定したスピード感だなという感じが、ひしひしと伝わってきました。
ただ一話30分ですし、その時間では1時間もののドラマと比べて、そもそもあまり多くを語れないのかもしれません。気軽にさくっと観るには最適です。
オススメ度は★★★★☆
(最低が★、最高が★★★★★)