フィルムスクールに留学すること(3)

この週末は、スウェーデンでクリスマスと並んで最も重要な日の一つ、ミッドサマー(夏至祭)です。僕もスウェーデン人の友達と、ささやかなお祝いをしました。『ミッドサマー』という映画が2月頃から公開されて話題になっていましたが、このお祭りがモデルになっています。僕は観たことがないので、ぜひ観なくてはと思っているのですが、またやっている劇場があるんでしょうかね……。

それはともかく、留学に関する記事のシリーズの続きを投稿します。2014年11月11日に書いた記事なのですが、最初の秋学期にあった『テレビシリーズの企画開発入門』という授業の中間テストと、フィルムスクール(大学院)の出願での面接の話です。正直、僕が留学した時にも情報を集めようと調べたのですが、面接の内容まで書いてあるページはほぼみつかりませんでしたし、今もそうだと思います。ですので、今後フィルムスクールに出願する方がいたら、何かの参考になると嬉しいです。

(以下が再掲載部分です)

今日は、Introduction to TV Developmentというクラスのmidternでした。midtermとは言っても、普通のテストではなく、自分のコメディーのアイディアを実際にハリウッドで活躍するプロフェッショナルの前でピッチするというものでした。このクラスは、2人ずつペアになって、中間テストで一方がコメディーのピッチを、期末でもう一方がドラマのピッチをするという流れになっています。

僕の本来の好みから言うとドラマの方がいいなと思ったのですが、数日考えてみて、ドラマのアイディアがなかなか出てこなかったので、コメディーのピッチを選びました。(理由がわりと適当ですが、それはともかく)外国語で笑いをとるというのはなかなか難しいもので、ビジュアルを交えて伝えるのはより簡単ですが、何がネイティブの彼らにとって面白いのか、ずいぶんと考えました。結果的に、キャラクターのディテールが物を言うことは明白なのですが、それでも自分の順番を待ちながら、もし自分が笑ってほしいところで笑いが伝わらなかったらどうしようなどと考えながら、非常に緊張してしまいました。でも、途中のジョークやネタなどでは笑ってもらえたし、番組のトーンやコンセプトも伝わったようなので、まだまだ改善点はあるものの、とりあえずまあまあできたと言えます。

さて、このブログの今の目的の一つでもあるプロデューサーを目指して大学院レベルでの海外のフィルムスクール受験を考えている人のための情報源となるべく、自分のことばかりではなく、少しは受験について参考になる情報を書こうと思います。

UCLAのProducers Programは毎年11月前半が出願の締め切りで、今年受験をした皆さんはちょうどほっとしている頃だと思います。あるいは、他校も受験している場合は、コロンビアやUSCスターク、 NYU、Chapmanなどは12月前半が締め切りなので、さらに追い込みをかけている頃かもしれません。エッセーのポイントなどは、前のポストで少し述べましたので、もし興味があればそちらを読んでいただくとして、出願した後の流れについて触れます。

多くの学校は書類を提出した後に、面接というステップが待っています。ほとんどの学校は招待制で、書類の審査をくぐり抜けた人だけに連絡がきます。だいたい2月中旬〜3月前半にかけてメールで連絡がきて、2月下旬〜3月中旬の面接となる場合が多いと思います。大学から離れた場所に住んでいる場合は、スカイプでの面接も受け付けてくれる場合が多いと思います。僕の場合は、後で後悔しないように、とにかくこの道に対するコミットメントを示したかったので、コロンビア大学から面接の招待が最初に来たときは、すぐさまニューヨークへの飛行機を予約し、現地で面接に参加しました。実際自分が通うことになったときのイメージを膨らませることができただけではなく、とにかく自分がそこに呼ばれていることが本当に幸せでした。一方、UCLAはニューヨーク行きが迫っている前後、あるいはニューヨークにいるところで連絡がきたので、日本からスカイプになりました。スカイプは自分の部屋など、落ち着いた環境でできる一方、家のインターネット環境によってスカイプが機能しなくなったりなど、面接以外の部分で心配しなくてはならないのがトラブルですね。

面接で頻繁に聞かれる質問は以下のようなものがあります。
・これまでのあなたの経験について話してください。
・好きな映画は?最近の映画で気に入ったのは?(日本人の受験者でありがちなのは「映画好き」を自称しながら、あまり新しい作品を観ていないこと。海外の受験者たちは、とにかくたくさんの作品を観ています。過去5年以内に出たハリウッド映画や、それなりに話題になった作品は全て押さえるくらいの覚悟が必要だと思います。ただし、偉そうに書いた自分も、そこまで観ていなくても一応受かったので、受かること自体は不可能ではないのですが、入学してから苦労しました。)
・なぜプロデューサーに?どのようなプロデューサーになりたいか?
・なぜこの大学か?
・将来働きたい製作会社、TV局などはあるか?
・一番苦労した経験は?サクセスストーリーは?
・どのような映画を作りたいか?

変にトリッキーな質問は、僕はきかれませんでした。非常にストレートな質問で、映画に対する情熱や、業界に対する理解などを問われたと思います。Statement of Purposeに書いた内容とかぶるところもあるかもしれませんが、それらが本当にそうなのかを、やはり本人の口から聞きたいというところもあると思います。もう一度、自分が提出した書類を、面接までによく見直しておくことをお勧めします。やはり、プロデューサーという仕事にたいする理解と、映画への情熱は非常に重要なポイントだと思います。僕のクラスメートたちも、プロデュースについて非常に明確なビジョンをもってUCLAに来ていました。

また、学校によって面接の雰囲気は全く違います。特に面接という感じがせず、普通の会話のように進むところもあれば、あらかじめ設問が決まっていて準備万端で臨むことが求められているところもあれば、一般に思い描くような面接そのもので淡々と進むところもあります。ちなみに、Chapmanは面接なしで合格通知がきましたので、学校によっては面接なしでも合格できるところがあるようです。ただし面接を受けた人もいるという情報も聞いたので、これは人によるようです。USCなどもそういったケースがあると聞いていたので、面接の連絡がなかなかこなかった際に、わずかな期待をもっていたのですが、実際に郵便受けに届いたのは不合格通知でした。

何百人、場合によっては1000人を超す出願者の中から面接に呼ばれるのは、おそらくわずか30人〜50人程度だと思います。そこに行きつくまでが大変ですが、せっかくそこまで行ったのなら、もうひと頑張りして、合格を手に入れてください!

#UCLA #海外大学院 #留学 #フィルムスクール #映画留学 #コロンビア大学芸術学部 #アメリカ大学院