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サンダンス映画祭 長編のプログラム発表

2018年1月18から、ユタ州パークシティで開催されるサンダンス映画祭の長編部門のプログラムが、11月29日に発表となりました。

ロバート・レッドフォードが主催者のこのサンダンス映画祭は、カンヌ、トロント国際映画祭と並んでハリウッドで最も注目されている映画祭の一つで、特に良質な独立系の映画が多数上映されること、そしてロサンゼルスから比較的近いという地理的な利点もあって、ハリウッドの映画バイヤーやエージェント、それにスタジオエグゼクティブなど多くの映画関係者が足を運びます。今年1月の映画祭の参加者数は71,638人だったそうですが、これまでにも『セッション』『Call Me By Your Name』『ぼくとアールと彼女のさよなら』などの良作が上映され、注目を集めてきました。

2018年の映画祭では、29カ国から47の初監督作品を含む110本の長編映画が上映される予定で、その内30本がコンペティション部門に含まれているとのこと。映画の応募総数は13468本、その内長編は3901本、短編が8740本。長編は1799本がアメリカから、2102本がアメリカ国外からの作品です。

ちなみにこの「長編部門」に含まれるのは、「USドラマ(コンペティション)」「ワールド・ドラマ(コンペティション)」「USドキュメンタリー(コンペティション)」「ワールド・ドキュメンタリー(コンペティション)」「プレミア」「ドキュメンタリープレミア」「ネクスト」「スポットライト」「ミッドナイト」「キッズ」がありますが、これら全ての上映作品をリストアップしていたら非常に長くなってしまうので、「US・ワールド」のドラマ部門と「プレミア」のプログラムをこれから数回に渡って取り上げたいと思いますが(これだけでも既にけっこう長い)、興味のある方はこちらから元記事をご覧頂けます(英語のみ)。

<U.S. ドラマ部門>

American Animals / アメリカ (監督・脚本:Bart Layton)—実際にあった美術品盗難事件に基づく、自分の人生を映画と取り違えた若い男4人組の話。ワールドプレミア。

BLAZE /アメリカ (監督:Ethan Hawke)— カントリーミュージックにおけるTexas Outlaw Music ムーブメントで伝説的な男となったソングライター、Blaze Foleyのバイオグラフィー。ワールドプレミア。

Blindspotting / アメリカ(監督:Carlos Lopez Estrada)—バディコメディーがそれであることを許さない世界のバディコメディー。ワールドプレミア。

Burden / アメリカ (監督・脚本:Andrew Heckler)—ある女性と恋に落ちたことによりKKK(白人至上主義の団体)を去ったMichael Burdenを通じて、忍耐、愛、そして信じることの大切さを説く。 ワールドプレミア

Eighth Grade/アメリカ (監督・脚本:Bo Burnham)—13歳の少女Kaylaのハイスクールが始まる直前、最悪なミドルスクール最後の1週間を追う。ワールドプレミア。

I Think We're Alone Now / アメリカ(監督:Reed Morano) — ポストアポカリプスの世界を舞台に、ひっそりを暮らしていた生存者の生活が、突然の別の生存者の出現によって脅かされる話。ワールドプレミア。ゲーム・オブ・スローンズで一躍有名になったPeter DinklageElle Fanningが出演。

The Kindergarten Teacher /アメリカ(監督・脚本:Sara Colangelo)— イスラエル映画のリメーク。ある5歳の子がもつ非凡な才能に気付き、自分の全てを投げ打ってまでそれを守ろうとする幼稚園の先生の姿を追う。Gael Garcia Bernalが出演。ワールドプレミア。

Lizzie /アメリカ(監督:Craig William Macneill)—1892年にマサチューセッツ州で起こったリジー・ボーデンの家族の殺人事件をめぐるサイコスリラー。この事件の被疑者となったリジーと仲の良かったメイド、ブリジット・サリヴァンをKristen Stewartが演じています。ワールドプレミア。

The Miseducation of Cameron Post /アメリカ(監督:Desiree Akhavan) — 大きな議論を巻き起こしたEmily Danforthによる小説が原作。1993年。プロムクイーンと寝ているところを見つかった少女が、同性愛の「矯正」セラピーを受けさせられることになる。Chloë Grace Moretz出演。ワールドプレミア。

Monster /アメリカ(監督:Anthony Mandler) — 殺人の容疑をかけられたフィルムメーカーを夢見る17歳の秀才スティーブと、有罪判決を逃れるための闘いが描かれる。ワールドプレミア。

Monsters and Men /アメリカ(監督・脚本:Reinaldo Marcus Green)— 警官による黒人の殺傷事件の後をめぐり、事件を録画した目撃者、黒人経験、そしてその事件に大きな影響を受けた高校生、それぞれを追う。『バース・オブ・ネーション』、『マッドバウンド 哀しき友情』など過去にサンダンスで注目された作品に出ているKelvin Harrison Jr.が出演。ワールドプレミア。

NANCY/ アメリカ(監督・脚本:Christina Choe)— 子供の頃に誘拐されたという記憶が事実なのか想像なのかわからないまま、娘が30年前に消えたというカップルと出会うことにより、記憶に対する確信が強くなる…。ワールドプレミア。

Sorry to Bother You /アメリカ(監督・脚本:Boots Riley) —ある電話マーケティングオペレーターが、成功への魔法の鍵を発見することにより、不気味な世界の中に引き込まれるというファンタジー・Scifiのようです。ワールドプレミア。Armie Hammerが出演していますが、少し彼の最近の出演作を見てみると、メジャーものよりもインディー映画に傾いているようですね。

The Tale/アメリカ(監督・脚本:Jennifer Fox)— この映画の製作者の実際の経験に基づいた、初めての性的経験についての尋問を強要された女性のストーリー。ワールドプレミア。

TYREL /アメリカ(監督・脚本:Sebastian Silva)—週末のパーティのため、街から遠く離れたキャビンに訪れたTylerが、自分がただ一人の黒人の参加者であることに気づいたことから始まるドラマ。ワールドプレミア。

Wildlife/ アメリカ(監督:Paul Dano)—原作はRichard Fordの小説。1960のモンタナを舞台に、危機にある家族を描く。出演はCarey MulliganJake Gyllenhaal他。Jake Gyllenhaalはプロデューサーとしてもクレジットされています。ワールドプレミア。

とりあえずここで一旦切ります。こうしてログライン(映画のコンセプト、ストーリーについて1〜2文で表したもの)だけ見ても、人種問題、あるいは同性愛、女性の権利など、ここ数年アメリカ社会を賑わしている社会トピックに関係する作品が随分とあることに気づきます。人種に関して言えば、目につく限り黒人の問題に偏っていることが少し気になります。アメリカのエスニックマイノリティーは黒人だけではなく、ヒスパニック、アジア系など他にもたくさん存在します。

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