
荘厳なる夜明け
だいたい毎年12月初旬頃だ。
冷え込んで風が無く、路駐の車のフロントガラスに霜なんか降りてる朝は出る確率が高い。
なんの話かって?
それは海霧と呼ばれる自然現象。
前日に天気予報なんかを見て、気温やら風やら、出来るなら海水温なんかも仕入れておいて、
「いい感じ!」って思ったら撮影準備。
カメラにレンズに、三脚にレリーズ
おっと忘れてならないのが、ノースフェイスのダウン(笑)
温暖な当地方では、ヒマラヤンパーカーまでは必要らないが、せめてヌプシかマウンテンダウンジャケット、あるいはバルトロくらいは着ていかないと後悔する。
もちろんワークマンでもアークテリクスでもいい(笑)
話は脱線したが、そんな寒そうな日を選んで出掛けている。
自分の場合は幸運な事に車で1時間かからない場所に海霧ポイントがある。
だけど、大阪とか名古屋とか遠方から訪れる人は大変だよな。
わざわざ長い時間かけて早朝目指して走って来て、
スッカラカンにまるで何事も無く通常の朝の海だった時の落胆たるものや。
ダルマ朝陽(水平線から太陽☀が雲に遮られる事無くダルマのようになって出てくる現象)が見えたらまだ救われたような気持で帰路に着けるというものだが、それさえ無い事のほうが多いのが現実。
たとえ出たとしても、まるでドライアイスかカップヌードルの湯気くらいしか出ない事のほうが多いし。
自分の場合は毎年何年も通って、出現しそうな日を吟味出来る感覚を身に付けているので(偉そうに😅)、しかも近場なので問題無いが、遠方からの人は大変だよなぁ。
だけど逆に考えると、苦労して訪れた先で、幸運の女神が微笑んでくれた時の喜びは何倍にも感じるだろう。

昨日は、とても好条件で素晴らしい海霧に出逢う事が出来た。
だけど、これだけ毎年毎年通ってもなかなか思い描く景色には出逢えない。
だんだん欲が出て贅沢になってしまった?
確かにそれも言えるのだか、地元の精通したカメラマンには共通して思い描く景色がある。
燃え上がるような海霧、光量が強くなくポカリと真っ赤な太陽、鳥の群れ、そして漁船 さらには 小さな島に上がった釣人。
それらが1枚の画角の中に散りばめられた写真を撮りたいのだ。
だがこれがなかなか至難と言うか、
そんな事が本当にあるのか?と思えて来るほど奇跡に近い、いや奇跡の風景。
何年も通っている自分でさえ、完璧な景色に出逢えた事が無い。
それが毎年足繁く通う理由なのだが、
もし、そんな完璧な景色と出逢ってしまったら、
もう冬の楽しみのひとつがなくなってしまう。
そう考えたら、一生出逢えない夢の景色のままでいいんじゃないか。
そんな風に心では思いつつ、
また未来へと一歩 踏み出しますかぁ。。
明日も行ってみよう✨
追伸
