アプリやwebサービスを作ること=事業を作ることではない

先日、事業の壁打ちの相談をうけたときに、非エンジニアでありつつもアプリを開発すること前提のビジネスモデルだったので、ちょっと話したこと。

いや、当たり前でしょ。という方多いと思いますが、僕も昔勘違いしていたので、過去の自分に聞かせてやりたいことであり、自戒を込めて。

>言いたいことを3行でまとめると
・リースタートアップなどのお作法通りプロダクトを作ると、つくることがゴールになる誘惑に駆られる
・非エンジニアにとって、アプリやwebサービスは低コストでない
・革新的なプロダクトという青い鳥を追い求めるのではなく、今持っているものを駆使しして、ビジネスモデルが作れうるのかを実践していくのがよい

アプリやwebサービスを作ることがゴールになっている。

スタートアップや西海岸のビジネスを取り上げるメディアではwebサービスやアプリケーションなどの"プロダクト"がよく注目されている。
プロダクトは目に見えて、わかりやすいということもあると思います。

そうゆう情報をチェックしている方にとって、ITで事業を作ろうとする人のゴールがアプリやwebサービスなどプロダクトを作ることになっているケースをたまに見ます。

これは大きな間違いで、事業を作る上で作るべきは売上であり、そのためのビジネスモデルです。
アプリやwebサービスはそのビジネスモデルを構築するための要素であり、手段であるべきはず。

ただ、スタートアップを立ち上げる上で、よく語られるフローが、例えば
課題を発見

MVPを構築

仮説検証

ユーザーの声を聞きながらプロダクトを開発

グロース

というフローであるためか、この手順を参考に進めているうちにいいプロダクトを作ること自体がスタートアップをつくるゴールにすり替わってしまう誘惑に駆られます。これはよくない。
いいプロダクトを作ったとしてもそれが売上につながるかは別。

アプリやwebサービスを作っても、それだけでは売上は上がらない

昔、僕も自分でコードを書いて、webサービスつくりまして、1-2ヶ月で数千人のユーザーに使ってもらうサービス(β版)になりました。
お金をかけずそれだけのユーザーが使ってくれたので、webサービスとしてはいいものかつ、露出もぼちぼちうまく行ったのですが、売上を作る仕組み(ビジネスモデル)が作れなかったため、サーバー代だけがかさむようになり、β版でクローズさせました。

webサービスやアプリを作ることは低コストではない

また、問題はもう一つあり、よくwebサービスやアプリは初期投資をかけなくてよいので、始めやすいという勘違いがありますが、それはエンジニアリングできる人間にとってという枕詞が抜けています。
非エンジニアがアプリやwebサービスありきの事業を作ろうとすると、はじめからエンジニアの人件費がメインで必要となり、数百万かかるというケースは当たり前です。

僕は本買ってきて、自分でプログラミングを覚えてサービスを作りましたが、学習コストを考えると、それが正しかったのかは疑問です。

それだけの投資をすると、まさにプロダクトを作ることがゴールになりがちであり、もし、非エンジニアがプロダクトを作ってしまったあとに、仮説検証しながらビジネスモデルを作っていくような計画を立てていると、割と大変。ちょっと軌道修正でもお金と工数がかかっていきます。

いまはnocodeサービスも増えてきており、モックくらいであれば、学習コスト少なく、作れるでしょうが、本格的に非エンジニアがアプリやwebサービスありきの事業をしようとすると初期から大きな投資が必要になります。

事業にとって作るべきは売上、アプリやwebサービスはそのための手段でしかない。
もし、非エンジニアであるのならば、いまある手段で、まずはできることから、ビジネスモデルをテストするのが良いかなと思います。

プロダクトがなくても既存のサービスを強引に組み合わせて、非効率だけど人力を交えながらテストしてみる。

そこでうまく行ったら、少しづつテクノロジーに投資していき、ビジネスを効率化していくがいいんじゃないでしょうか。
いまはGoogle関連のサービスやSaaSなど無料でも使える便利なサービスが溢れています。
海外のサービスなども組み合わせれば、意外とやりたいことが低コストでできてしまう場合も多い。

また、最近はアプリやwebサービス単体で売上を上げられるケースが極端に減ってきているので、革新的なプロダクトを青い鳥のように追い求めるのではなく、今持っているものを駆使しして、ビジネスモデルが作れうるのかを実践していくのがよいのでは。


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