ミラノサローネ2019視察
先週1週間、世界最大の展示会ミラノサローネの視察に行ってきました。去年に続いて2回目です。
主に家具中心の展示会ですが、HERMESやLOUIS VUITTONといったファッションのスーパーブランドや、LEXUSやSONY,AGCといった企業まで、「デザイン」を軸に様々な分野の人たちが競って表現しています。
PRODUCT DESIGN CENTER鈴木啓太さんによるAGCのインスタレーション。ガラスの深絞りを極限まで行った巨大ガラスと、副産物として出てくる粒子を使ったタイルの展示。
「巨大」、「不完全の美」、「化学品による精度」が表現されたとても素敵なインスタレーションでした。
LOUIS VUITTONの展示。このアイコニックな照明を、これだけたくさん使うことで嫌でもそこに目が行きます。そして、その他の照明や家具は、圧倒的な「モノ」の力を感じました。
HERMESの展示は、レンガが積まれた迷路のような空間に、ブランケットやファブリック、陶器の器などが並べられています。
ファブリックは、遠くからみるとざっくりとした織で、インドやネパールの手織りの粗い印象ですが、実際に触ってみると軽くしっとりとした質感で、そのギャップが面白いものでした。
GANDIA BLASCOのラグコレクションGAN。パトリシア・ウルキオラのディレクションで、毎年面白いものづくりをしています。今年は、フェルトのラグでした。正直ラグとしての機能性では、まったく意味をなさないものですが、いろいろな色に染色された綿をフェルト化し、それを刺繍でつなぎ合わせ、自由な形に切り取られたラグは、単純にかわいかったです。毎年、デザイナーのものづくりの理解が進んでいるという印象を受けました。
イタリアのアウトドアブランド、STONE ISLANDの展示。去年もですが、潔いくらい1点突破の展示で、今年は、素材の違いを活かし、染め分けすることでできるデザインの展示、ただこれだけを表現していました。ものが溢れている時代に、人の頭に残してもらおうとすると、これくらい表現することを絞るべきなのかもしれない、と感じさせる展示でした。
まだまだたくさん見てきたのですが、そもそも「カーペットメーカー」である僕がなぜミラノ・サローネの視察をするのか?正直去年は世界最大の展示会を1回見ておこう、くらいのイメージでしかありませんでしたが、今年2回目になりだんだんとわかってきました。
僕の見方は3つ。
1. どういうメーカーが何をどう表現しようとしているのか?
2. 圧倒的な「モノ」の力は、何から感じられるのか?
3. どういうコミュニケーションを取ろうとしているのか?
正直言って、この情報を一人で収集するのは難しいので、今年もいろいろな視点をもった仲間と見てきました。プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、建築家、プロダクトプロドゥーサー、それぞれがどんな風にものをみて、どんな風に感じているのか、という視点はとても参考になり、これからの堀田カーペットのことを考えるヒントをたくさんもらいました。
展示会に行くときは、一人ではなく、様々な業種の人とまわることをおすすめします!来年も行きたいと思います。
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