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堀田カーペットの現状とこれからと。その3「お客様」

市場、流通、の話を書いてきましたが、次は「お客様」の話です。「お客様」の話は、「流通」の話でもあり、「ターゲット」の話でもあり、「開発の優先順位」の話でもあります。「長い流通」や、「決める人とお金を払う人が違ってくる」と、お客様が誰なのか?ということが、ぼんやりとしてきてしまいます。

今回は、堀田カーペットの「お客様」について、整理しながら、ゼネコン業界におけるカーペットの位置づけについても、整理し、堀田カーペットがどう売っていこうとしているのか、をまとめてみたいと思います。

(「ラグ」については、それほど整理することがないのと、堀田カーペットが根本的にやりたいことは、敷込みカーペットの気持ち良い暮らしを伝えていくことなので、敷込みカーペットについて書いていきたいと思います。)

堀田カーペットの「お客様」の話

ゼネコン業界の長い流通、決める人お金を払う人が違う、という特徴の中で、「お客様」は、とても難しい問題です。僕は、お客様が誰か?というのは、「優先順位」と「程度」の問題だと思っています。

堀田カーペットのお客様は、「使う人」、「決める人」を最優先のお客様だと定義しています。でもこれは、上述のとおり、「優先順位」と「程度」の問題です。僕たちがつくる商品(敷きこみカーペット)は半製品で、施工しなければ「完成品」にはなりません。だから、商品については「施工性」に、価格については「定価設定」、「掛率」に配慮しておく必要があります。

堀田カーペットのスタンスは、仮に施工におけるクレームリスク(施工が難しい)が多少あったとしても、「魅力的な商品づくり」を優先します。堀田カーペットの上代設定は、「使う人」がお値引きなしで買う価格、を意識しています。つまり、仮に「定価以上」になってしまうような流通は、堀田カーペットはターゲットとして優先順位を低くしていますし、堀田カーペットは売り先によって、販売掛け率も変えています。

僕は、ゼネコン流通の特徴の中で、堀田カーペットが選択すべきことは、「お客様を絞る」ことだと思っています。ここでいう「お客様を絞る」というのは、「流通を選ぶ」ということです。年齢や性別、年収やライフスタイル、といった、「使う人」のターゲティングの話ではありません。

僕は、「使う人」や「選ぶ人」のターゲティングというのは、あまり意識したことがありません。それは、カーペットの住宅における市場は、そもそも0.2%しかなく、何回も買うものではないからです。もしこの中でターゲティングしてしまうと、おそらく市場はなくなってしまいます(苦笑)。

僕は、インテリア建材の多くは、「使う人」や「選ぶ人」のターゲティングはされているように思いますが、「流通を選ぶ」という観点は不足しているように感じます。もちろん売上予算によるところが大きいのだと思いますが。

「堀田カーペット」(ウールの織物カーペット)という存在

少し、話は変わりますが、堀田カーペットの会社の存在、ウールの織物カーペットという物の存在は、ゼネコン業界の中でどのような存在なのか?を整理しておきたいと思います。自社、自社商品のポジションを正しく知ることは、ゼネコン流通の中で戦略をたてる上で、特に重要なことだと思います。

①堀田カーペットのポジション

・織物カーペットがつくれる数少ない会社の一つ

・他社にはできない(やらない、やりにくい)ものづくり

→市場は小さいが、小さな市場の中で無視はできない存在

②カーペットのポジション

・半製品での出荷になる(敷込んではじめて完成品)

・家を建てるとき、必ず必要なものではない(壁紙やキッチンは、家を建てるとほぼ100%に近いくらい使われます)

・工務店にとっては、粗利を下げる存在になる(フローリングは一般的に大工さんの仕事で、カーペットな内装工事店(工務店からすると外注)の仕事)

→「使う人」が欲しいと言わない限り、わざわざ提案される商品ではない

③ウールの織物カーペットのポジション

・カーペット全体の流通の中で、わずか1%未満のシェアしかない

→代替品はたくさんあるし、極端にいうとなくてはならない商品ではない

→でも「使う人」に正しく伝えることができれば、選択肢の一つとして十分に貢献できる商品である(ウールの織物カーペットほど、「住まい方」が変化する建材はないと思っています)

まとめ

色々書いてきましたが、つまりこういうことです。

・流通は絞る

堀田カーペットの直接販売は、以下の2つ

①「選ぶ人」「使う人」への直接販売

②商品を愛し「売ろう」「選ぼう」「決めよう」としてくれる「会社」への販売

→「問屋」や「施工店」(「決める」「選ぶ」をしない流通)へ直接販売しない(流通を絞る)

・コミュニケーションは広く

建築家を中心とした「選ぶ人」も含めた「toCコミュニケーション」を仕掛ける

①toCブランドの展開(ウールラグブランド「COURT」、DIYカーペットブランド「WOOLTILE」)

②ファーストコンタクトになるウェブサイトの充実

→「カーペット」の家に住みたい、「カーペット」の空間をつくってみたい、「堀田カーペットのカーペット」を採用したい、と思っていただけるようなコミュニケーションを流通に関わらずしかけていきます。

堀田カーペットの商品はすべて「ここで、いくらで買えます!」といえる状況をつくっていくことが目標ですが、まだまだ難しい環境です。「カーペットを身近に『選び買える環境』をつくる」ことを目標にがんばっていきたいと思います。

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