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差異と否定の間、ステーキ宮の記憶
下野新聞で連載をすることになった。第一回は七月。というわけで、栃木の話などについて。
地元の新聞なので、やはり宇都宮の話を書こうと思った。それが一番自然だから。自然な流れで、というのが最近のコンセプトで、それで真っ先に思い浮かんだのが、とあるイタリア料理店でよく食べたものだった。店の構造もありありと思い出された。それは喜びの経験なのだけれど、同時にそこには、子供心の怯え、不安が含まれている。そこだ。そこを書く。……というのはどういうことなのか。
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