花粉症の症状が出る前に。目・鼻の周りに「ワセリン」を塗る方法をご紹介
スギ花粉の季節が終わりを迎え、イネ花粉に移行する5月。花粉との付き合いが日常になっています。花粉症の方はこれまでいろいろな対処をされてきたと思います。しかし症状が出てからでは苦しいですし、生活がしづらく嫌気がさしてしまうこともありますよね。
今回は、簡単な事前準備で花粉の症状が緩和できる方法を一つご紹介します。使うのは肌に塗る「ワセリン」 です。実は「ワセリン」を目と鼻の周りに塗っておくことで、花粉が体内に入る前にある程度ブロックすることができます。すると症状を発生させにくくできるのです。
「顔に塗って大丈夫なの?」と心配されるかもしれません。ところがワセリンは医療用として肌の治療に使われるほど肌にやさしいものです。きちんと用法を守れば過度な心配は必要ないほど、安全性が実証されています。この記事ではワセリンの
簡単な概要
塗り方、使用方法
種類、肌に合った選び方
塗る際の注意点
をご紹介します。
ワセリンだけで花粉の侵入を防ぐことは難しいものの、ご紹介する方法とマスクなど併用していただくとより花粉を吸い込みづらくできます。症状が出る前になんとかしたい、これまでと違った花粉対策をしてみたい方はお試しください。
ワセリンとは
ワセリンは軟膏の基剤(土台)となる成分です。病院で皮膚の治療のために処方されるほか、市販でもドラッグストアで販売されています。
普段の使い道としては
荒れた肌や擦り傷などを保護する
スキンケアにプラスして保湿力を高める
といった用途があります。ワセリンは油分でできており、肌に油膜を作ることで水分が肌から失われることを防ぐことができます。特徴は安全性がとても高く刺激が少ないため、肌が薄い部分でも塗れることです。そのため医療用をはじめスキンケア用品としても広く用いられています。
今回ご紹介するのはワセリンの特徴を生かし目や鼻の周りといった肌の薄い部分に塗ることで、体内に侵入する花粉をブロックしやすくする方法です。
花粉をブロックするワセリンの塗り方
花粉による目のかゆみは目の周りに、くしゃみ・鼻水、のどの症状は鼻の周りにワセリンを塗ることで対策ができます。大量に塗る必要はなく、塗る量はほんの少しで充分です。
それぞれ塗り方をご紹介します。症状に合わせてご覧ください。
目のかゆみが出る方は目の周りに
私のやり方としては、二本指で塗ることです。時間がかからず塗れますのでご紹介します。
手順
①まず手を洗うなどして清潔な状態にし、鏡を用意します。
②塗りたい側の手(右目に塗るときは右手)の人差し指と中指の腹にワセリンを少量付けます。
③目をつむり、人差し指と中指を目頭付近に挟み込むように当てます。
④目をつむったまま、閉じた目の上を二本の指で目尻方向(横方向)にゆっくりと動かして塗っていきます。塗らない側の目で鏡を見ながらワセリンが目に入らないように、ゆっくりと動かしていってください。
⑤ 2 ~3度繰り返して、塗り漏らした部分を中心に塗っていきます。
⑥反対側を反対の指で同じように塗ります。
鼻やのどの症状が出る方は鼻の周りに
清潔な手または綿棒で少量のワセリンを「鼻の穴に沿ってぐるっと囲むように」塗ります。鼻の入り口ギリギリを塗っていくイメージです。のちに拭き取ることになるので、拭き取れる範囲で塗りましょう。
ちなみに、鼻水によって鼻の下が荒れて赤くなってしまった経験はないでしょうか。ワセリンを塗ることで荒れた皮膚を保護し治りを早めることが期待できます。
時間が経ったらふき取るのを忘れないようにする
目鼻ともに一度塗ることで効き目が約6時間程度持続します。時間が経ちましたらそのまま放置せずに、必ずティッシュなどでふき取った後、洗顔してください。放置すると花粉がとどまり体内に入りやすくなってしまいます。
ワセリンのみで花粉をブロックすることは難しいので、マスクやメガネなどと併用するようにしましょう。
使うワセリンの種類
ワセリンは精製度(純度)の高さによって分かれます。より純度の高いものを「白色ワセリン」、低いものを「黄色ワセリン」といいます。その名の通り、色味である程度判別することができます。
白色ワセリンの中でもさらに純度が高いものは「プロペト」、「サンホワイト」と呼ばれます。
黄色ワセリン < 白色ワセリン (< プロペト < サンホワイト)
*右にいくほど純度が高くべたつかない
今回は顔に使用するため、できれば精製度の高い「白色ワセリン」を用いるのが望ましいです。「白色ワセリン」は医薬品として処方されるものもありもともと肌にやさしいワセリンの中でも低刺激です。ですからお肌の弱い方は「白色ワセリン」を使いましょう。プロペト以上のものはさらに刺激が少なくなり、塗りごこちもなめらかとなります。
比べると「黄色ワセリン」は不純物が含まれる分手触りがベタベタとしています。大体の方は問題なく使用できますが、敏感肌の方や赤ちゃんは肌荒れする可能性があることを念頭に入れておきましょう。「黄色ワセリン」のメリットは、より安価で手に取りやすいことです。
ワセリンは医薬品とスキンケア用品に分かれ、どちらもドラッグストアで手に入ります。ところが一つ問題があります。実際に購入しようとなると色味で判別することができないため「白色か黄色かわからない商品がある」、「品質の見分けがつきづらい」ことです。
対策としては、
「白色ワセリン」を購入したいのであれば「白色ワセリン」と記載のある商品を購入する
安価で特に記載がないものは「黄色ワセリン」の可能性がある事を念頭に入れる
といったものになります。もし迷うようであれば、上の図にある商品が私が使っているものになりますので参考にしてください。
まとめ
ワセリンの目と鼻の周りへの塗り方、使うワセリンの種類を純度に分けてご紹介しました。目のかゆみが出る方は目の周りに、鼻やのどの症状が出る方は鼻の周りに塗ってみてください。
念のため、以下に注意事項をまとめましたので、お試しになりたい方は事前に一度ご確認いただければと思います。
*お試しになる前にご一読ください
ワセリンを体へ塗布する際に起こりうる不慮の事故などについては、保障できかねることをご了承ください。実践される際は自己責任でお願いいたします。使用する製品・薬品の説明書、使用上の注意をよくお読みになり、万が一何らかの症状が発生した場合、ただちに使用を中止し医療機関を受診してください。
その他注意しておきたいことを以下にまとめました。
お肌に不安がある方は、使用する前に一度二の腕の内側などに少量を塗ってみて、肌に合うか確かめてください。
ごく稀ではありますが、体内に大量にワセリンを接種し、リボイド肺炎(誤嚥性肺炎の一種)を引き起こした事例があります。鼻に塗るのは少量かつ入り口付近にとどめ、拭き取ることを忘れないようにしてください。
ワセリンが目に入らないように気をつけてください。入ってしまった場合直ちに洗い流してください。
ニキビや脂漏性皮膚炎、その他肌の異常がみられる部分に塗ると、症状が悪化してしまう可能性がありますので使用を避けてください。
ワセリンを塗りすぎると発汗を妨げ、熱がこもりかゆみを引き起こす可能性があります。
漫然と長期間の使用を避けてください。
参考URL
【医師監修】ワセリンで花粉対策ができる!? 効果的な使い方を解説:健栄製薬
https://www.kenei-pharm.com/baby-waserin-m/column/dry-skin/column19/
ワセリン塗布による皮膚保湿時間の検討 https://kmcb.or.jp/archive/training/pdf/case/kango8/2603_06.pdf
ワセリンで花粉症対策
目や鼻の周囲に塗布して吸引を減らす:ウェザーニュース
https://weathernews.jp/s/topics/202302/260075/
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