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マイクロバイオームが操る身体というコロニー(1)双子研究、エピジェネティック、マイクロバイオーム、セックスは何の為?

1960年代に「DNA=身体の設計図」と言う概念が確立した(DNAドグマ)。その後医学は「人間の正しい姿=正常な人間」を追い求め始める。設計図があるのだからその設計図に書いてあることが解明できれば「神」の意思がわかると考えた。大昔から続けられていた試みの現代医学版である。

僕はこれを「ヘレニズム的生命観」とよんでいる。

それとは全く逆の見方もある。自分の感じるものこそが真実なのだという考え方だ。「実存的生命観」と僕は呼んでいる。この両者は常に対立している。

「双子研究」が全く違う世界を描く

「一卵性双生児=DNAが同一の2人」の容貌がそっくりだということは昔から不思議がられていた。

しかし、「DNA=身体の設計図」と「化学的事実」はそっくりなことが当たり前だということを意味していた。

そして逆の疑問が出てきたのだ。一卵性双生児が設計図が同じはずなのに、大きく違うのだ。小さい頃に離れ、異なった環境で育った二人が余りに違うということを説明できないのだ。

これは「DNAは身体全体の設計図ではない」と言っている。受精したあとで、全く同じDNAを持っていてもDNA以上に「その身体」に影響を与えるものがあるということだ。

エピジェネティックと言う魔法

細胞は受精した瞬間から分裂を始める。そしてその分裂の過程においてそれぞれに異なった環境に対して適応していく。2つに別れれば、右と左は異なった環境になり、それがまた4つに変わる。 それに異なった適応をする。

ヒトの受精卵を人以外の生物に着床させることは厳しく禁止されている。受精卵が「人の胎盤に着床する」ことで「ヒト」となるのです。「合いの子」と言う現象があります。「馬✕ロバ=ラバ」「ライオン✕ヒョウ=レオポン」リンネ以来の「種」という思い込みは生命に対しての見方を縛っているのです。「生まれと育ち問題」に対しての結論でもあるのです。もし、ヒト以外の胎盤に着床した場合、ヒトになるかどうかは(技術的には可能であったも)実験されていません。厳しく規制されているのです。神話では人と植物の生命が交わるものもあるのです。科学という眼鏡は時に曇り本質を見えなくしてしまいます。

プロトコルとは周りの情報に対して(自分=細胞)の振る舞いをきめるルールだ。ウイルスのDNA・RNAが細胞内に入った所で、そのDNA・RNAを解釈してウイルスを再生産するプロトコルがなければ何も起こらないのです。

プロトコルと言うのは「ある高分子化合物」を別な姿に変化させる「代謝系」といえます。一定の環境(温度湿度)の中で「常温での化学変化」を起こすタンパク質(酵素)の一連の流れなのです。

そして細胞の内側で「代謝」は行われます。

ウイルスが「特定の細胞(特定の「プロトコル=代謝系」を持つ細胞)」の中でしか繁殖できないのは、細胞一つ一つがあまりにも違いすぎるからです。ヒトであるのに、感染症が起こる場合と起こらない場合があるのはよく知られている。免疫の働きだとか抗体があるないでは説明がつかない現象があるのです。

受精卵が分化する過程においても、マイクロバイオームは関与しています。


僕はDNAは「細胞のプロトコル」と考えた。

「DNAが生物の全体の姿」を定義しているのではなく、生物を構成している「細胞の振る舞い」を定義していると考えると、実に多くの事がスムースに定義できる。

ネットワーク(インターネット)には多くのデバイスが接続している。PCから自動販売機まで繋がっているが、全体の設計図など個々のデバイスは持っていない。それぞれのデバイスは自分がつくられたときのプロトコルを持つWin95が有ればMACもLinuxも携帯も有れば家電品もある。それらはネットワークに接続して「自分のプロトコル」の範囲で反応してネットワークを変える。自分自身のプロトコルを変えることも有れば、ファームウエアのアップデート(そもそも自分を変えるプロトコルが込められている場合もある)もある。
細胞という自動車を運転する技術と考えてもいい。世界の精密な地図がなくとも交通信号と標識を見て進めばいずれローマにも着く。確かにナビはあったほうが効率は良いが、世界にはナビのない自転車も歩行者もいる。

マイクロバイオーム研究が全く異なった生命観を描く

「マイクロバイオーム」と言う概念は1988年前後から様々な論文で見られるようになリました。CPR検査(検体内のDNAの断片を繫いで元の生命の存在を仮説するのである)で様々な検体を調べてみると、数多くの「細菌やウイルス」が見つかったのです。当然「ヒトの身体の皮膚の内側からも、表面にも、粘膜上」にも見つかりました。

「腸内細菌(フローラ)」が発見され、医療の世界やサプリメントの世界は大にぎやかです。しかし、腸内の細菌は、せいぜい乳酸菌がどうのこうのと言われる程度で、ほとんど無視されていました。腸内環境が嫌気環境であったために培養と言うパスツールの時代の技術では見つからなかったのです。

かつては『「ヒトの内側」には細菌はいない』と考えられていました。感染症が起こる時のみに「バイキン」がいると考えられてたのです。バイキンがいても「免疫」が強いと「バイキン」は殺される(から症状が出ない)と考えられていました。

今ではヒトの身体の内外には受精卵に由来するDNAを持った細胞の100倍以上のマイクロバイオームが存在すると考えられています。

多くの生物の内側に「寄生虫」が様々な生命の中にいることは観察されていました。しかし、人間の場合は「症状」がでなければいない事になっていたのです。例えば『帯状疱疹のヘルペスウイルスは神経組織の中に潜み、免疫が弱くなると発症する』ということを真面目に専門書に書かれているのだ(笑)。潜みはないでしょう、泥棒が隠れているみたいだ。

様々な所(ヒトやヒト以外の生命、机の上やスマホの画面、便器の表面)を調べ恐ろしく多くのマイクロバイオームがあらゆる所に存在することを見つけ出しました。

マイクロバイオームが私達を操っているのではないか?

私達は「脳に意識が宿り、良心や善悪の判断を行い、本能を抑制して身体を操ると考えています。

だから、結婚は神聖で不倫は糾弾されるのです。LGBTQに対する感情も自分と違う嗜好に対しての嫌悪も「DNA」が作った設計図と違うのだとみなすのです。(この続きは次回詳しく)

しかし、実存主義的生命観ではそうは考えまっせん。

生物の身体とは「マイクロバイオームが乗客」で、「受精卵由来のDNAを持った細胞」とともにこのコロニーを操縦すると考えます。

言語活動を出来ない「ヒト」を観察すれば....

僕はこの話をする時に「言語活動が出来ないヒト」を観察すればわかると言います。今日本で、どのくらいの人が言語活動ができないか分かりますか?

3歳以下の子供は言語活動を出来ません。言葉を理解できません。

イヌやペットのお尻を舐めたり、何でも口に入れます。汚いという言葉も禁止されることも理解できません。

「三つ子の魂百まで」と言うことわざをご存知でしょうか?つまり、言語活動を出来ないときから「身体というコロニー」に共生するマイクロバイオームが、私達自身の行動を操っているのです。

僕は「虫」ということわざを考えてみましょう。「虫の知らせ」「虫が好かない」「蓼食う虫も好き好き(少し違う)」みな私たちの五感(理性と呼ばれる物)以外のルールが体内で存在していると考えることが出来ます。

私たちの身体は毎日100gの皮膚片を滑落させます。粘膜も同等の事を行います。「三つ子の魂が操るヒトという生物」の上に「言語」と言う網をかぶせて、「社会・宗教・家庭」と言う層を構築したのです。

セックス、とは何のために誰が仕掛けるのか?

身体というコロニーに住む「マイクロバイオーム」がもっと他の客船に移りたいとします。そのときには「身体中の虫は」どう身体というコロニーを操るでしょうか?

セックスをしたいという欲望は絶えることはありません。それは、一つの身体というコロニーから別なコロニーに移りたいというマイクロバイオームの操作なのです。「パートナー」として長く一緒にいると両者のマイクロバイオームは似てきます。

おそらく、似ていることは滑落する皮膚などを通じて分かります。そうするとそのコロニーに対しての興味は失われるでしょう。逆に初めてきてくれたお客さんのマイクロバイオームには惹かれます。

うちのペットのイヌは僕には目もくれないけど、お客さんには後尾を求めます。それを見て「間違えるな」と言う人もいますが、そうではないのです。後尾はマイクロバイオームが別なコロニーに乗り移ろうとして行う3歳児の姿なのです(笑)。

猫派・犬派とヒトの好みを分けることがあります。これなどもマイクロバイオームが操っている証左ではないのでしょうか?

LGBTQと、ヒトの性的な「指向」に関しての区分を分けることがあります。では、ストレート(男<=>女)としての思考を持っているとして、相手は異性ならば何でもいいでしょうか?

そんな事はありません。まさにピンポイントで相手を選択します。

子供を作るためにセックスをするというのは、「言語が生み出した社会」の要請です。子供はコミュニティにとって労働力として、兵士として、老後の年金として機能するのです。

「人間様は別だ」と考えていたのです。この人様特別扱いは「科学の目」を曇らせます。


このお話の続きはまた今度!

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DNAドグマの提唱者の一人のジェームズ・ワトソンはDNAの解析が、レイシスト(人種差別主義者)の主張を化学的に証明するだろうと何度も発言をして、名誉剥奪を受けている。

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