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新タマネギのフライのサンドイッチと手羽先のカレー

朝から、手羽先を茹でて、カレーにした。

手羽先は炒めて、スパイスとじっくり煮込む。沸騰させないでコトコトと骨から外れるまで煮込む。とにかく低温でじっくりが大事。骨の内側や関節で使われている「立体構造を維持したタンパク・脂質」をスープの内に溶かし込むのだ。この50年で蔓延した「病因のない症状だけの病」は単純化されたマニュアル料理が原因だ。
ローレルとローズマリーは生えているところから採ってきて入れる。
新タマネギが美味しい季節である。値段も安くなってきている。タマネギの内側の水を大事にする。野菜の細胞の内側の様々な代謝物にこそ生命の秘密があるのだ。タマネギは土の内にある生命を運んでくる水筒なのだ。
人参とジャガイモは一緒に鋳込む。最後の20分くらいに入れると良い。ジャガイモの溶け具合はお好みである。人参は、ゆっくりと組織に旨さが入っていく。タマネギはじっくりと炒めてスープに加える。タマネギの内側の水とスープを一つにまじりこませる。とにかく、低温で適切な時間煮込むのである。出来上がりまでの時間はみな違うので、時間差で投入するのである。
ルーはさほど気にしない。何よりも、素材の味が大事である。箱裏マニュアルのとおりに作るのは好きではない。マニュアルとは、誰にでも出来る様に簡易化した手順である。ソコソコの味ではあるが、余り嬉しい人生の終わりは来ない。

家族の身体に合わせたひねりこそが重要である。僅かな違いであるが、それこそが自分らしく生きるための食事なのだ。

教育も食事も、政治もセックスも「生き物」が相手である。
マニュアル通りの政治的に正しい人生は、「原因のない苦しさ」を生む。
みなが満足しているのにどうしてお前は満足できないのだ。人並みに出来ないのは我儘なのだ。
転職を繰り返す僕にへの母の苦言を思い出す。
「はいはい、僕が悪うございました」という外無いではないか。
父は、黙って、何も言わなかった。あんな風に生きれるだろうか。

20代の終わり。たぶん今の僕と同じくらいの年だと思う。

戦争で自由に生きることも出来ず、生き残り帰ってきても地元にはトロッコを押す仕事としか無く自暴自棄になりかけた頃、母と出会ったと聞く。
経理に引っ張てもらえて東京の経営者に良いように使われるが、自分の人生を諦めていた。東京に出張が年に数回あり、僕の家に泊まったものであった。自分という人生から脱する方法はない。そこに居場所を見つけるだけなのだ。


新タマネギの一番好きな食べ方は、フライである。フライは蒸し料理である。しっかりとドロ(卵と小麦粉の液)がカプセルにして、タマネギの水分を蒸して逃さない。

トンカツと、新タマネギフライを作ることにした。
揚げ物は、手順が大事。タマネギは楊枝で刺して衣して揚げる。



6枚切りのパンを半分の厚さに割って玉ねぎを挟み込む。
マユとソースで美味しいのである。


耳をあげるから我慢してね。


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幸運な病のレシピ
厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。