「夕陽の春日部ボーイズ」の恐るべき引力
映画館というのは不思議な場所だ。スクリーンの向こうとこちらの境界が消えて、心が溶け込んでいく。ネット配信っていうのは残念な発明だと思う。便利ではあるが。
クレヨンしんちゃんには随分お世話になった。
子どもたちが小さい頃、よくDVDを借りたものだ。
子どもたちは、スッカリ忘れたであろうが、僕は何度見てもボロ泣きである。
この映画を見ると、かつて街の中に映画館があった事を思い出す。3つ映画館があって、東映系、大映系、日活系の映画がかかっていたものである。2階建ての一番大きな映画館は2階席に行きたかったが、母に落ちると悪いからと止められたのが残念だった。
ゴジラや漫画祭りで賑やかだった。地域の子供達が集まり、一緒に見たのである。映画館の跡地にはチェーンの居酒屋が建ち、随分後で行った時に、こんなに狭かったのかと驚いた記憶がある。
クレヨンしんちゃんベストを選ぶとすると、「ブタのヒヅメ」か「夕日のカスカベボーイズ」か「戦国」であろう。オトナ帝国は偉そうな評論家が持ち上げていたので嫌い。やたたしんちゃんがが頑張ったり大げさすぎる仕掛けが、物語的にも破綻している所が嫌い。まあ、楽しんだけどね。それ以外は余り記憶に残っていない。最近はどうなんだろうか。
戦国もいい。タイムトラベル物として実にいい。どんな時代でも人は同じであると感じさせる所が素晴らしい。大河ドラマなどより数億倍いい。
確か実写でドラマになって呆れ返ったような気がする。
SFとしても、全く破綻がない所が凄い。
主人公の成長と、生きることの悲しさが素晴らしい。
昨今の「びっくり箱だよ凄いでしょう映画」には飽き飽きである。
よく出来たタイムトラベル物には無条件でやられるのである。
タイムトラベル物というと、何と言ってもこの映画にはかなわない。
ああ、忙しいはずなのだが、ぐしょ泣きである。
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厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。