幸運な病のレシピ 2022年1月11日〜20日
Antipasto
歩いていける範囲のお年寄りに、手間をいとわない食事を作って分かち合う。自分の食べるものだから「安心安全」などという保証は必要はない。一番の問題は果たして僕の食事を選んでくれるかということだ(笑)。
そして「食事」を作るノウハウをいかに維持するかである。
金が有り余るほどあれば、召使いを雇い毎日料理を作らせればいい。自分が好きなものを好きなだけ食べることが出来る。しかし、ご馳走とは、食物連鎖(輪廻転生)を逸脱したものとなる。
過去の文明において支配者は貪欲の限りをつくくした。多くの病や災厄を「身体というコロニー」にもたらすのである。
食事とは、栄養素を食べることでも、贅の限りを尽くして権威をひけらかすものでもない。生命に対してのリスペクトを表す敬虔な祈りである。父母から生まれ、やがて後を追う。一瞬の泡のような「生」、得た物をいずれ失う。
いつの間に金で買う満腹とすり替えられたのだろうか。
ちょっといいことがあった。僕の本を読んでくれた方から相談を受けた
伝えたいことはまだまだたくさんある。凹んでいる場合ではない。
しかし、先が見えない、酒が進む。
#ロール白菜 #サラダ # #
【2022年1月20日】昼ぐらいにロール白菜を作った。これは得意技である。ガッツリと肉が入るので皆さんに好評である。今日は生姜を集めに刻んでスープの底に入れた。何と言っても人参が美味しい。乱切りにした人参が味わいを増す。オデンの元がスープなのだが、これが一番好きだ。トマトソースやクリームや色々と考えうるが、手間的に一番パフォーマンスが良い。宗八カレイを煮付けて揚げ物一式を作った。夜はここにサラダを作ってお裾分けである。今日のサラダは、ジャガイモ、かぼちゃ、ゴボウを蒸して合わせた。バターでソテーしてセロリと合わせたのだが。味が濃い感じがして嬉しい。Sさんの喜ぶ顔が目に浮かぶ。僕はこの料理を20年後の自分に持っていってあげることが出来るだろうか。
#厚揚げのひき肉入り #焼き魚 # #
【2022年1月19日】マユのご飯を作りながら大根と鳥の味噌の汁を作り、魚を焼いた。厚揚げの中をくり抜いてひき肉を詰めて炒めて煮込んだ。栃尾揚げでもやったのだが、煮込んでいる感じが出て嬉しい。薄揚げだとガッツリカンがなくて寂しい。素材によって大いに変わるのが嬉しい。少し塩味が薄かった。ひき肉を団子にして入れるとあくがつよいかんじがするが、こうすると良いのであろうか。単にひき肉であんを掛けたほうが良いだろうか。作りながら色々と考える。魚はデロンギで焼いている。1日300人分焼くとなると妥当な道具がないことに気がついた。今のお店の魚はだいたい真空パックしてあるものを煮て焼き魚のフリをしているのだ(笑)。魚を焼くのは面倒だ。焼き網に、受け皿にやたら汚れるのである。しかし、美味しさは天下無双である。
#タジン鍋 #焼きりんご
【2022年1月19日】タジン鍋で焼きりんごを作った。レモンをどっさりと入れて赤ワイン・バター・シナモンを加えてフライパンで煮る。十分火が通った所で、タジン鍋に移して40分くらいコトコトやるのである。ホイップをして、乗せたら立派なものである。
#海老のかき揚げ #甘海老の刺し身 #イワシグラタン #揚げ物一式
【2022年1月18日】甘海老のかき揚げと刺し身、イワシはグラタンにしてみた。なんと両方とも200円である。牡蠣があったのでカキフライも作ろう。これだけ安いと、甘海老の「刺し身」は少ししか取れないがご馳走である。決してお店ではでてこない。Sさんに出したらまっ先に食べるのである。美味しい物を身体は知っているのだ。雑魚と言われる規格外の魚を持ってきて売っているスーパーは嬉しい。グラタンはある程度の感覚で作る。レバーは週に一回は食べるようにしたい。20時過ぎのスーパーで安くなっていると買うことが多い。米油にしてから少し上げ方が変わった。カラリと揚がるので嬉しい。考えてみれば、お店に行って注文して出てくるまでの時間が自宅で作っておくといらない。毎日6人分を作っているので、「お店に行って待って帰ってくる」のに25分としたら、なんと合計で150分の時間が要らなくなるのだ。3食食べれば450分である。その上、僕の料理は美味しくてピンコロの人生の終わりがやってくるのだ。
遠くに送ったり、工場で大量生産ができないのが家庭料理である。フードキャピタリズムにとっては敵であろう。テロリストなのだ。
小アジの唐揚げ #鳥肉じゃが #里芋と手羽先の合わせ煮 #真鱈子の煮付 #焼き鮭 #タクワン #おでんの仕立て直し
【2022年1月17日】11時に打ち合わせでお客さんが来たので弁当のサンプルを作った。来年にかけて始めようと思っているお裾分けの事業の説明をしていたら泣きそうになった。僕は泣き虫である。15年前仕事が上手く動いていた。新潟に事務所を作り、人を雇った頃、そして上手く行かなくなり撤退、父母との生活と食事作り。かろうじて国体の仕事で食っていたのだが、二年連続の中止で追い詰められ父が亡くなり、Sさんと出会い毎日食事を作る事になった。この3ヶ月はまったく違った目で食事と身体の関係を見つけることが出来るようになった。常に社会は変わる。自分も変わる。「家族の食事」は、その変化を捉えてその人にピッタリのものとなるのだ。Sさんのことを考えて作る食事は自分の80歳の時の食事なのだ。
この日は小アジの唐揚げ、鳥を使った肉じゃが(僕は豚よりも好き)、里芋と手羽先の合わせ煮、真鱈子の煮付、焼き鮭、タクワン、おでんの仕立て直した汁。これで元気にならない訳がない。
#揚げ物一式 #ポテサラ #細うどん #ギスのすり身汁
【2022年1月16日】細うどんは嬉しい。揚げ物がかたくなたときに浸して樽がよろし。ギスのすり身は昔に比べてよく摺られているように思える。すり鉢でネギと味噌と合わせて摺ったのだがなかなか難しい。母の得意調理であったのだが、どうにも味しか思い出せない。母が結婚してから使っていたすり鉢とスリ棒はどこかに行ってしまった。スリ棒は大変立派なものであった記憶がある。たんす屋だった母の父が山椒の木で作ったものだった。摺るたびにスリ棒が入ってきて体にいいと言っていたなあ。どこに行ったのだろうか?きっと死ぬまで忘れないだろう。
断捨離というのは、人生が借り物になったということだ。時給で人生を売り、得た金は家賃や車のローンにサブスクした動画配信、何も残らない。僕は母の道具が大好き。
#里芋と牛肉の煮付け
【2022年1月16日】朝から里芋を煮た。30分水からゆっくりと煮て串が通るようになったら上げて暑い内に軍手して手で皮を剥く、人参と一緒に牛肉でじっくりと煮る。多めの砂糖と醤油、酒+ダシで「すき焼きの手順」で調理する。ダシは顆粒で結構、十分美味しい。このメニューはSさんにも好評である。牛肉が僕らを魅惑するのって何でだろうかなあ。
食べ物の『好き嫌いってどこで誰が決めているのか』問題は奥が深い。医学の方々は「脳と言う操縦席」で精神が操縦しているという。脳のサーモグラフィを見せて、ほら凄いでしょう。脳内物質が「どうたらこうたら」と単なる「当たり前の現象の観察」をあたかも宇宙の大発見のように花火を上げる。まあまあ、ご立派なことである。よく効く薬を服用させて社会の問題が見えなくなるのだ。阿片窟と同じである。
#後片付けを科学する #マユのご飯
【2022年1月15日】後片付けをしながらマユのご飯を作った。僕は毎日後片付け(も)をする。買い物は、妻がすることが多いが基本的に旬の安いものがメインである。どの様に調理するかは今も試行錯誤中だ。家庭料理には守るべきルールなどはない。先人の経験を学び、自分なりの解釈を通じて「おいしさ」を目指す。お店で食事が売られるようになったのは1980年代以降である。しかし、ここまでひどい「手抜き(利益を出すために原価を抑える、人件費を削る、国外での無責任な製造を許す)」はなかった。どうして売られている食事がこんなにひどくなったのか考えてみれば、「競合する家庭料理」が消えてしまったからだ。市場が独占されたら品質は落ちるばかりである。10年近く前にコンビニで250円の冷凍された弁当をみた。食べてみたらたしかに満腹にはなる。しかし、そんなものばかり食っていたら身体が壊れて当たり前なのだ。250円で容器代から製造コストを出してその上お店の利益が乗るのだ。
売られている食事の劣化は、生活習慣病の蔓延と軌を一にしている。医療キャピタリズムへの収益の集中、多くの人の苦痛の上に成り立っている一握りの方々の富。こういう社会はテロで滅びる他ないのだ。
僕は自分の食事を素材から作る。フードキャピタリストから見たら、自分たちの利益を減らす存在である。テロリストなのである。
#イワシ #麻婆豆腐 #ポテサラ
【2022年1月14日】知り合いから電話が来た。普通に生活できているのに検査値が悪いと透析を始めろと言われているという。おかしんじゃないかと思う。たしかに世の中は不況であるが、これでは医師は信頼を失う。個人的な友人の臨床医がいい人が多いのであるが、商売となるとやはり駄目だろうなあ。生活がかかっているのだからね。その意味ではガン検診も同じである。早期発見と行って症状がないのに病人にされる。友人が食道がんで食道を切とって胃と繋げるという。簡単に聞こえるが、確実に胃瘻になるだろうしその後の苦しみは大変なものであるが、その部分は聞いていないだろう。癌についいては考えることが多い。義父がガンでなくなってそれから色々と調べたが、がん治療は一大産業である。ここまで金を生むとなると止めるわけには行かないのだろう。「ガンでは死なないがん患者」と言う本を読んでまだこういう言う石が入るということを知って嬉しかった。ある意味彼の思想は僕のメソッドと一致する部分が多い。残念ながら「政治的な正しさ」が求められるのだが。
オデンを作った。保温鍋は最高。鰯の煮付けは新鮮なイワシを作る。昨日買ってきたものを生姜で煮付けた。ものすごく美味しい。梅干しの煮付けも作ったが、こちらのほうが僕は好きだ。麻婆にポテサラ、揚げ物一式である。
#手羽先唐揚げ #サバの味噌煮 #蕪菜汁
【2022年1月13日】蕪菜汁は冬が美味しい。真っ青な葉が嬉しいものだ。蕪自身も旨味を吸うのでしゃぶしゃぶ肉と合わせると最高である。ガッツリと青い葉が入るのは嬉しい。薄揚げと豚肉を加えると合うなあ。味噌も良いかもしれない。旬なのおだと言えよう。サバの味噌煮(もめん豆腐添え)、手羽先の唐揚げ、である。昼前レタスの葉のかき揚げと手羽先はやっつけたのである。には細うどんを作って食べたのだが、結構美味いのである。サバは、地元スーパーで激安である。今日はネギの頭を入れてじっくりと煮た。木綿豆腐を入れた。Sさんに食べてもらう時に、スープが大事だと気がついた。もめん豆腐に味を吸わせ食べると美味しい。サバの切り方を薄くして、一匹から取る量を多くして、もめん豆腐を付けると良いのだ。昨日のギスの煮付けには車麩をつけたのだが、に切りすぎて良くなかった。蕪菜汁は蕪を先に入れたほうが良いような気がしたので次回やってみよう。手羽先は冷凍しておいたものを解凍してあげた。こめ油って良いのかもしれない。
酒飲んじまった。暴走したのである。ウイスキー飲むと足がつらない。
#カツ丼 #仕立直し
【2022年1月12日】「仕立直し」と僕は呼んでいるが余ったおかずを美味しく食べる技術である。基本的にお店の食事は余ったらペックごと捨てる。家で食事を作ると食べきるということは少ない。皿や鍋に残るのである。そしてよくひも食べるし、夜中に腹が減ったら夕食のおかずをちまと食べっる。ラーメンを煮ることもあるが、基本的には夕食の「肉魚野菜」を一緒に食う。僕のメソッドでは、満腹になった時にどれだけの「肉魚野菜」を食べているかが大事である。炭水化物は満腹単価が安い。しかし、身体はフレッシュ(殺してからの時間距離の短い)な「肉魚野菜」が大量にい必要なのだ。商品化された食事が生活習慣病を主導する。
翌日の揚げ物は美味しくない。一晩の内に水分が飛んで、味が落ちる。固くなる。そこで出てくるのが「カツ丼のアタマ作戦」である。若い頃、カツ丼鍋を買った事を思い出す。お店で買ったカツを使うこともあれば、竹輪を入れて木の葉丼という手もあったなあ。ご飯をドッツリり食べるためには汁だくでバシャバシャ食べた。
#ギスの煮付け #八宝菜 #鳥のソテー #かぼちゃサラダ #南蛮えびの刺し身 #南蛮えびの天ぷら
【2022年1月12日】若い頃は自分の未来を予想することは難しい。しかし、家族の姿を見ていれば、自分がどんな人生の終わりを迎えるかは分かる。家族という単位が経済の単位であった時代(農家・商店・企業が小さく経済のコロニーを作っていた時代)があった。三世代が「家」で共に生きた『誕生を見つめ臨終で別れを申した』ものなのだ。1980年代からこちら、社会の変化(サラリーマンという時間を売って生きる奴隷)は三世代で暮らすということを不可能とした。『自由になった、開放されたと大喜びをした世代が、孤独死を迎えている。自分が何もできなくなった時に助けてくれる仕組みを失ったことに気づき、行政に委託した結果が介護施設での残酷な人生の終わりである。毎年健康診断をさせられて、20年後に体が壊れると脅かされて薬漬けにされ、年金ATMとして活かせられる。フードキャピタリズムのの作る冷凍弁当に頼るほかなくなるのだ。
今日のお裾分けは「ギスの煮付け、八宝菜、鳥のソテーかぼちゃサラダ、南蛮えびの刺し身、天ぷら」最初はどうかと想いながら三ヶ月芽である。Sさんのあんまりにも元気な姿にお驚いた。ウカウカしていたら追い越してしまうことになりそうである。二日ほどデイサービスで施設に泊まってきたのだが、一番元気だという。のんびり出来るからあなたも行ったら良いと娘さんに言ったと聞き大笑いした。Sさんの旦那さんは教師だった。家を立てた後、単身赴任を続けろくなものを食えなくて、引退近くからスッカリ体を壊して、インスリン、膝の人工関節、動けなくなって近隣の施設で「政治的に正しいゼリー」を食わせられて、半年で亡くなった。いくら家族が口から食べるものをと頼んでも誤飲するから駄目だと言われたという。食事は生命を受け止めるための大事なプロセスである。食材が死んでからの時間と距離が短いほうが良いのだ。遠い工場でベルトコンベアで切られクレームの無いように蒸し柔らかくされた煮しめには生命のかけらもない。母と旅館で食事をしたことがある。煮しめに旨くないといった母に、お店の人がいる手前、怒って食べたら本当に不味かった。毎日Sさんい料理を作っているが、美味しい美味しいと言ってくれる。多分、正解だ。時間はかかる、汚れ物は出る後片付けは大変だ、買い物も欠かせない。お店に行けばワンコインで満腹が還る。しかし、人生の終わりはそれなりのものになる。
僕はまっぴらである。食事こそが、人生の終わりを素晴らしいものとしてくれる。問題は、作ってくれる人がいない事だ。『百年のお裾分け』というのは、コミュニティモデルであり、経済の革命であり、おいしい食事なのだ。なんとか僕の80歳には間に合うと良いのだが。
#揚げ物一式 #ヤキソバ #料理用ワイン
【2022年1月11日】妻がパートで遅くなるので夕食の弁当を昼くらいに作った。今日はハンバーグと揚げ物セットである。アジフライなどは冷凍を使うが、小アジの唐揚げは先日の89匹さばいた時に粉を振って冷凍した物をあげた。ハンバーグは徐々にいい感じに出来るようになってきた。何ごとも練習である。ヤキソバは年末からあったのだが食べる機会を失っていたものである。多分明日に半分残るのでオム焼きそばにして明日の昼に食べる。夜は一杯始めてしまった。酒を飲まないつもりだったのだが、日本酒が余っていて、料理用の赤ワインがあったのでキコしめてしまった。500円しないものであるが、美味しい。少し元気が出てきた。パスタを茹でて、瓶詰めのソースにセロリの葉とニンニクで食っちまった。これでは痩せるわけがない。Sさんのお裾分けはお休み、明日は何を作ろうか。2日施設でお泊まりだったので煮魚と果物を用意いしようかねえ。果物は、安売りのフレッシュなものを買って、父にいつも出していた。昨日久しぶりに20時過ぎのスーパーで見つけた。魚は妻が午前いかってきてあったので内臓だけ捌いておこうか。仕事に疲れたら、厨房の後片付けするからなあ。
#タクワン
【2022年1月11日】タクワンの水が上がってきた。3-4日おきに開けては水が上がっているか見る。重しの半分くらいまで上がってきたらもう良いので半分重しを減らす。あまり重いままだと水がタクワンから抜けすぎてカチカチのタクワンになるのだ。それはあまり面白くない。今くらいは辛味が残っている。タクワンがまだ半分は大根なのだ。中心は大根おろしの辛さがある。この辛さもなかなか美味しいのであるが、徐々に旨味に変わっていく。大根を狙う「蟲」を撃退するための自衛の辛さである。植物は動けないので自分を守るために様々な代謝物を作る。ウルシにカブれたりカビの生んだペニシリンは薬として使われる。
今年は甘く出来た。塩が少なめなのと柿の皮の力であろう。例年は(母が嫌っていたので)柿の皮を使わないで砂糖を入れるのだが、今年は柿の皮を使ったのだ。溶けて汚くなるので入れないと母には習ったのだがそんなにひどくはない。まあ、これからしばらく食べ続けるのでその間に来るのかもしれない(笑)。
葉付きのネギが300円ということで嬉しいものである。すぐに青いところと白いところを切り離して外に置く、青いところは2-3日で皆食べるようにする。味噌汁に入れるがよろし。値段が安いというのは旬だから生命が溢れている。形は揃っていが値段は安い、地元スーパーは嬉しい。