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人々のアイデンティティが”統合”され、どこでも、ありのままの姿で価値を発揮できる環境とは│前編【目指せ!自然体組織】


自分の”演じ分け”、疲れませんか?

人は、複数の異なるコミュニティにおいて、すべて同じ自分でいるのはなかなか難しいものです。例えば、私の場合はスカイベイビーズの安井と、兼業先のジャンプ株式会社やアソブロック株式会社の安井とでは、それぞれ性格や振る舞いが少しずつ違っているという自覚があります。「親の前では何歳になっても子どもとして振る舞わねば…」とか、誰でも無意識のうちにその時々に合わせた自分を演じるようなことって、あるのではないでしょうか。

でも、そうやって演じ分けるのって、とても疲れませんか?
どんな場面でも同じ自分でいられたら理想的なのに…と、私は思います。特にスカイベイビーズを経営するようになって心を許せる仲間が増え、何かを隠したり、自分を偽ったりすることへの違和感をより感じるようになりました。

すべての自分を”統合”し、どこでもありのままに存在できれば、才能やスキル、個性などを、すべてのびのびと解放することができるはずです。そうすれば、自分の持ち味を最大限に発揮しやすくなります。

自分を演じ分けていると、所属する各コミュニティで関わる人たちの属性も全く異なる場合があったりして、人間関係も限定的になりがちです。でも、すべての場所でありのままの自分をさらけ出すことができていれば、それぞれの場で関わる人たちがさらに繋がり合ったりもでき、世界が広がっていくでしょう。組織を運営する立場としても、関係人口が広がり、仕事の可能性が広がるのは、喜ばしいことだと思います。

知らず知らずのうちに、アイデンティティが分散されるようになった

そもそも自分を統合することが難しいのは、異なる場所で異なる振る舞いを求める社会システムの影響だと思います。
たとえば、仕事とプライベートの線引き。昔は農耕文化で仕事と暮らしの区別がなく、働くことが生きることでした。しかし、資本主義や勤労の義務意識も影響し、仕事とお金、暮らしと仕事が区分されるようになっていきました。

それぞれの場所で異なる振る舞いを求められ続けた結果、AやBの場で発揮できない部分を、CやDで補おうとするようになる。そうやって、アイデンティティが分散していき、自分を演じ分けることが当たり前になっていく。複数のSNSアカウントを持つことが当たり前になってきているのも、ありのままの自分をさらけ出せない息苦しさと、思うように価値を発揮できないもどかしさからたどり着いた手段なのだと考えます。そうやって多くの人は、知らず知らずのうちに自己防衛のためにアイデンティティを分散してしまっているのです。

兼業も、油断するとアイデンティティを拡散する行為になり得ます。スカイベイビーズではメンバーの兼業を歓迎していますが、その真意は「別の自分を作る」ことではなく、価値を発揮できる場所を増やすことにあるのです。さまざまな場所で自分の価値を発揮できれば、自分に自信を持ち、人と認め合うことができる場面が増え、ウェルビーイングに繋がっていくと考えます。

人が、自分自身を”統合”して、どんな場所でもありのままの姿で生きていくには、”寛容さ”がとにかく重要です。一人ひとりの個性や価値観を尊重し、受け入れ、互いに歩み寄りながら生きていくことができる社会や、組織が必要と言えるでしょう。……と、簡単には言えても、そう簡単に実現できることではないのもわかっています。

後編では、人が自分自身を”統合”し、ありのままに価値を発揮できるような組織を実現するために、スカイベイビーズで私が意識していることや、実際に取り組んでいることを書きたいと思います。


私自身も最近になってようやく、少しずつ自分を統合できるようになってきました。その結果、ありのままの自分の思いを綴ってみたnoteがこちら。

今回の話題とも一部リンクする、「ボーダーレスなコミュニティづくり」の話もよければご覧ください。


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