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"成長"に疑問を抱く人が増えた昨今。成長について今一度考えてみる

この頃、「成長」という言葉に抵抗感を抱く人が増えていると感じます。

これまで成長は圧倒的に"良いもの"とされてきました。しかし、なぜ成長しなければならないのか、納得できる理由が語られることも少ないため、その必要性に疑問を感じる人が増えているのでしょう。また、成長が正義であるような風潮によって、社会や企業から強要されるように感じるのも、息苦しさを感じる人が増えた要因だと考えます。

とはいえ、反抗心だけで「成長なんて必要ない」と言い切ってしまうのはもったいないなぁ、とも思うのです。

そこで今回は、成長について、少し立ち止まって考えてみたいと思います。

そもそも、なぜ成長が必要なのか?

まず、社会全体で、世界経済は成長し続ける前提で話が進められています。世界の経済成長率はこれまで年平均で3%ほどの成長が続いています。そして現在も各企業は利益を拡大しようと努力しているため、世界全体での経済成長は止まってはいません。

このようなマクロ経済の視点から見ると、個人も成長し続けなければならない状況にあります。

なぜなら、経済全体が成長している中で、個人だけが成長しなければ、その個人は遅れを取る可能性があるからです。資本主義経済はそうした仕組みで動いており、成長しなければ取り残されるリスクがあります。そのため、企業も社員に対して成長を求めるのです。

「経済が成長しているから、あなたも成長しなければならない」というロジックは、一理あるのではないでしょうか。少なくとも現代の資本主義社会を生きていくためには、ある程度成長する必要があるということです。

なぜ成長の必要性に疑問を持つのか?

成長に疑問を持っている人は、
①成長について大げさに考えすぎている
②成長することの良さを知らない
③疲れてしまっている
のどれかに当てはまるパターンがほとんどな気がしています。

①成長について大げさに考えすぎている

大きなことを成し遂げることだけが成長ではありません。かならずしも、大きなプロジェクトを成功させたり、多くの人に影響を与えるような存在に近づく必要はないのです。

例えば、普段取り組んでいる書類整理の仕事を効率化して、1分でも早くできるようになれば、それも成長です。もっと言えば、大小問わず何か新しい経験をしたり、知識を得ることだって成長です。

成長は多様なものであり、人それぞれスピードも、形も違っていい。大きな壁を乗り越えたり、大活躍したりすることで成長を遂げるのももちろん素晴らしいです。でも、もっと身近な、ささやかな一歩に目を向けてコツコツと頑張れば、数年後に振り返ったときに大成長を感じられることだってあるのです。

②成長することの良さを知らない

成長することによって得られるメリットは大小さまざまあるわけで、これを知ろうとせもずに成長を否定するのは早計だと考えます。

マズローの欲求階層説によれば、自己実現のために成長を積み重ねることで、幸福に近づくことができます。

現代の人は生存欲求だけでなく、自己実現の欲求を満たさなければ、真の幸福を得ることが難しいのではないでしょうか。かつては生存欲求を満たすことが最も重要で、それさえ満たせれば十分だった時代がありましたが、今では戦争直下であるような地域を除き、多くの国や地域では生存が脅かされることは少なくなっています。その結果、人間の欲求レベルが次第に高まり、より複雑な自己実現を求めるようになってきたと考えられます。そして、その自己実現のためには、やはり成長が必要になってくると言えるでしょう。

また、仕事に関して言えば、会社が求める成長と自分が求める成長が一致すれば、「win-win」の関係になることができます。会社に所属しているからこそできる経験によって成長を重ね、自己実現していける。なおかつ会社としても、社員の成長によって事業の成功や、会社の発展につながっていくわけです。

③疲れてしまっている

「疲れてしまっている人」は、自分が何を目指しているのか、どこに向かっているのかを深く考えずに、環境に振り回されてしまったり、自分に合わない場所を選んでしまっていることが多いです。それゆえに「やらされている」といった意識にとらわれてしまったり、モチベーションが上がらなかったりします。

その場合、まずは自分が置かれている環境を見直してみることから始める必要があります。やりがいを感じることや夢中になれること、ここで頑張りたいと思えるような場所や人に出会えれば、自ずと努力したり、成長を望むようになるパターンも多いです。

成長を毛嫌いせず、広く捉えて自分なりの形を見つけてほしい

50代の私からすると、若い世代、特に今の20代の思っている成長は、タイパ意識が強いと感じます。

短い期間で目に見える成果があがらなければ、諦めてすぐに次へと移ってしまう人がここ数年で特に多い。

働き方改革なんかもあり、短い時間でタイパよくやる必要があるのはもちろんその通りな部分もあると思います。でも、タイパを求めるあまり広く浅くつまみ食いをするような状態が続くと、結局スキルが身につかないまま年齢を重ね、10年後に苦労する……なんてことがあるのではないでしょうか。

先ほども書きましたが、成長は多様なもの。人それぞれ、スピードも形も違っていいのです。大げさに捉えすぎず、焦らず、自分なりの成長を遂げられる人が増えれば、そして社会や組織もそれを認める空気が広がっていけば、息苦しさを感じず、幸せに生きられる人が増えていくのではないでしょうか。

ちょっと視点は変わりますが、個の力に固執することへの危険性について書いた記事はこちら。

スカイベイビーズは、今年10期目を迎えました。

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