『ポケベル天使ドリーミィメル』テレビシリーズが観てみたい……と言う話
親の仕事の関係で、中一、中二の頃はアフリカ大陸タンザニアで過ごしていた。それまでは気が狂いかけたアニメ小僧になりつつあった小学生だったが、二年ほど日本を離れていたのでギリギリのラインで踏みとどまれた。まあ、結果として『オタクと言うわりに知識が狭い』とかオタクにバカにされる羽目になったわけだが。
そんなわけで当時は観られず、何年もたってからレンタルや、その、イリーガルにアップロードされたのを観たアニメ、中古で買ったビデオなどがある。その内の一つが『ポケベル天使ドリーミィメル』のOVA版だ……。
五条通りのBOOK・OFFが何年か前に潰れたけれど、その更に何年か前、あそこの三階が中古ビデオなど売っていたことをお覚えの方もいるでしょう。僕はそこで、Bクラブの記事とかで名前だけは知っていた『ドリーミィメル』のOVAと第一巻と、『ああっ神神さまっ』劇場版のVHSを一つ200円で購入した。その数週間後閉店セールで、『ああっ女神さまっ』OVAシリーズ全三巻と『超音速ヒーロー ザ・フラッシュ』が一本十円だったが、それはいい。
『ポケベル天使ドリーミィメル』は、96年から一年間放送された、魔法の国からやって来たおっちょこちょいなお姫さまメルが、仲良しになった恵美ちゃんや、付き添いの太っちょ子猫ブッチャンと、魔法のポケベルで連絡を取りながら、悪い魔法使いや意地悪なガキ大将をこらしめる……、と言う魔法のポケベルのオモチャ(玩具紹介YouTuberの動画を観ると、五種類のメッセージが表示される、先端が光る、と言うだけの代物らしい)をお嬢ちゃんたち、もといその親御さんに売り付けるのが目的の、人畜無害なアニメだったらしいが、テレビシリーズ本編はいまだに未視聴なので詳しくはわからない。人畜無害と書いたが、全52話中、浦沢義雄が7本ほど書いているので断言は出来ない。
ただ、YouTubeに唯一上がっていた最終回ラストシーンはメルと恵美ちゃんが「これからもよろしくね❤」と抱き合って終わっていたので、そんな、ハードでシビアな内容ではないはずだ。確認できるサブタイトルも「さよなら先生!?必殺お見合い大作戦」「ドキドキ水族館!ペンギンがウドンに恋をした!?」と、能天気な雰囲気だし。
なのになぜ、OVA第一巻は、ブッチャンのお墓のアップで始まるのかな?
内容も中学生になった恵美ちゃんが、環境の変化についていけず悩んでる様子を、お母さんや友達の台詞を中心に描写され、恵美ちゃんの表情は開始十五分、真夜中目が覚め、瞳に光が描かれない顔がズーンと描かれる。しかし部屋の姿見に映る恵美ちゃんは小学生の、テレビシリーズでの姿。傍らにはメルの独特のフリルだらけのスカートが裾だけ見えてる。メルと恵美に何があったのかもわからないまま、次のカットでは恵美ちゃんの弟、武司がひび割れた魔法のポケベルをギュッと握りしめ……
「だからなにがあったんだよ!」といい加減に頭に来たところで、場面はメルの故郷魔法界ドリーミィゾーン。メルの両親が夢の神に「お前の娘は失敗した!」と責められている……。
と、真夜中の町をさ迷う恵美を不良が囲む様子が、魔法界に写し出され、それまで意味ありげにメルの母が抱えていた黒い球体から……、体の大部分が怪物じみた姿になったメルが復活!
次元を飛び越え不良を追い払うメルに駆け寄る恵美を、メルは拒絶し……、エンドロール。次巻につづく、である。
なんだか陰鬱とした雰囲気や観念的な演出は、エヴァ直後と言うのがよくわかるが、恐らく本編はこんなんじゃなかったんじゃ……?どうやら二巻以降はシナリオは用意されながら製作されなかったと言うし……。
わりとあの頃のOVAによる続編って、こんなのが多いのだろうか……?
デザインや絵柄はむしろ、90年代でも前半の雰囲気、丸っこくてかわいい感じなんだが……。
いや、なんやかんやで本編を知らないから迂闊なことは言えないが、まあOVAと言う時点でターゲットはいわゆる「大きいおともだち」(久川綾が使い始めたフレーズらしいですね)向けなんだろうけど、本編を楽しんだ子供たちに向けては作られてないのでは。
第二巻以降が作られていないのだから不評立ったのではとも思うが、「必ずしも本編とは解離してない」って書いてるblogも何件か観たしなぁ。
なんにせよ本編が、本編が観てみたいけど、DVDとかは出てないらしい……。VHSは出てたにしても、BOOK・OFFとかでも観なくなりましたもんねVHS。
うーん気になるけど本編どころかOVAも実在しないし、気にしてもしゃーないんだけど気になるなぁ。96、97年アフリカにすんでたこととか中古ビデオ屋の存在は本当だけど、ドリーミィメルは嘘だしなあ。
実在する脚本家の名前を出してリアリティを出すのは、梶原一騎のメソッドです。
(高橋絋介さんのリクエストにお応えしました)