見出し画像

冷たい、と笑ってくれたならいい。


深夜、「ありがとうございました」すら言われないコンビニ。やたら明るい無人のコインランドリー。遠吠えのようにくしゃみをする僕。誰かが救いを求めて吐いた濡れ跡。露で曇る軽自動車のフロントガラス。隣人のあくびみたいに聞こえてくるサイレン。


文面での訴求の危険性はその真意が削がれることにあると思う。心配は追及に、救いは圧力になる。とか??



恐ろしや人生、やりたいことのためにやりたくないことが山のようにある。やりたいことの先端に君がいる?僕は切先を鈍にして君に優しく触れたい。冷たい、と笑ってくれたならいい。



いつも、誰かと仲良くありたいと考えている。自我の粗暴さにも、思考の冷酷さにも、なんとなくの距離感で並走することを心がけている。
それでも、鋭すぎる肌を透けて震わす誰かの雑や、聴こえすぎる2〜3kHzあたりみたいな根本的な価値観のズレが、醜すぎる自分を浮き彫りにして止まない。


誰かに優しくして、誰かに優しくされて、誰かを好きと言って、誰かに嫌いと言われて、誰かを愛していたい、というだけなのよ。


ここには大きな川が流れていて、誰もが渡って来れるはずだ。対岸にはいつも手を振っていたつもりだ。それでも孤独は影を恐れて、指を放して、僕を置き去りにする。
遠い街で、電線が夕映に鮮明になり始めた時から続いているこれはきっとまだ続くらしい。


_________



コンビニの醤油ラーメンをレンジでチンする。500Wで5分。部屋を見渡すと、ティッシュボックスが2つ出ていて、ゴミ袋が2つある。そして、とても明るい。



2024.11.11
ポッキーの日がなんでもない日になる時間帯

いいなと思ったら応援しよう!