家事と生活と所感
洗濯物がたまる。洗濯槽にかさ張る布、洗剤をトレーに入れながら思う。
ああ、僕は新曲のひとつも作れていないのに、洗濯物だけはこんなにも溜まってしまうのか。と。
ご飯を作る。手を抜いたり、手を抜かなかったりする。手を抜かないで、マグロの柵を塩で水抜きしたり、お肉に隠し包丁を入れたりしている時思う。
ああ、面倒なことってどうしてこうも馬鹿馬鹿しくて楽しくて素敵なんだろう。と。
風呂に入って体を拭く。
タオルは角質や汚れが付くと臭くなるから、洗面台に水を張りジャブジャブと洗う。
そういえば昔、祖父とお風呂に入った時に同じように洗っていた。どうしてそんな面倒な洗い方をしているのだろう?と思っていた記憶が思い返される。
時間が経って消え入りそうな蝋燭に、読みづらくなってきたな、と思いながら、本を読んでいる。
ここ最近はやることがあって活字から離れていた。32歳の画家と26歳の画家の、人間の関係性の話。すごく楽しい。
低気圧の雨に部屋は除湿をかけて、乾燥した肩をポリポリとかく。コーヒーはほんの少し濃い。
窓の外を眺める。しおらしい曇り空の灰色。部屋には、佇んだカーテンの緑、物音に共鳴するギターの橙、汚れたマットシーツの青、いつも見守るぬいぐるみの嘴の赤。
そろそろ仕事に戻らないとなあ。と思う。
2024.09.01 台風10号が訪れて