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2023年のTOKYOからエモを鳴らせ

さあ、BIGMAMA新体制、新しいアルバムを作る。
最初に出来上がった曲を聴いた時に自分はこう思いました。

これは「エモい」と。

今作はエモで行こう、徹頭徹尾エモで揃えるべし、そんな号令をかけました。
僕らの中で「エモ」は音楽的な共通言語であるからです。
そして楽曲の選定から、レコーディングのテイクの取捨選択まで、
合言葉として重宝され続けました。

時は遡って、2000年前後。
音楽がインターネットで自由に聴けるようになり始めた頃。
ただそれらはあくまでアンテナを強めに張っている玄人のなせる技であって、
一般を生きる僕ら高校生にとっては、
時折都会のCDショップに行って目当てのものを手に入れるついでに、
ジャケットや、POPと呼ばれる紹介文など、目に留まったものを試聴機で聴き、芋蔓式に好きになる、みたいなところまでが日常の風景でした。

すると、ある時からその試聴機に貼られているPOPに、
“エモーショナル、EMO”という言葉をよく見かけるようになりました。

Jimmy Eat World 
The Get Up Kids
Yellow card
MEW
Dashboard Confessional
The Ataris
Last Days of April
Used
My Chemical Romance
Mae
COPELAND
Story Of The Year  etc…

上の2曲はデビュー前後まで、BIGMAMAがバンドのSE(入場曲)として愛用し続けていた思い出の曲。

そこから好きになったアーティストは数知れず。
おそらくそれまでのROCKPUNKの持っていた、衝動的、力強い、荒々しいイメージに相反して、
どこか哀愁というか憂いを帯びていると言うか、
どこか危うく儚さを纏っていると言うか、
どこか繊細に美しく心を揺さぶる部分があると言うか、
そんな要素を持ったバンドや、楽曲を総じて、誰が呼んだかEMOTIONAL(エモーショナル)
上記のバンドたちの素晴らしい作品のリリースが続き、シーンとして盛り上がりを見せると、とうとうひとつの音楽のジャンルとして認知されるようになりました。

ただ、どうやら日本人にとって、いやそもそも人間にとって、「エモーショナル」は長かったみたいです。
「ロック」とか「ジャズ」とか「テクノ」とか「メロコア」とか、
ジャンルとして7文字は長過ぎたんです。みんな面倒くさがりなんだからもう
気づいたら潔すぎるくらいに2文字で「エモ(EMO)」です。
そして日本語って便利ですね(海外の方からしたら地獄ですよね)、
エモ要素を持つもの、エモっぽいもの、このエモを、なんとクリエイティブ、形容詞的に活用したわけです。
そうして新単語「エモい」が爆誕したわけです。
※諸説あります

巡り巡って時は経ち、2020年前後、
「エモい」は全く違った形で輝きを放ちます。
ある一定数の人間たちがこの「エモい」という言葉を使い続けた結果、
言葉は一人歩きをしているうちにすくすくと育ち、巡り巡って新大陸へ上陸を果たす。なんと、若者言葉だなんて呼ばれる時代が訪れるのです。

エモいね。なんか上手く言葉にならないけれど心にグッとくるものがあるね
自分なりの解釈ですが、無理矢理日本語に訳すとこんな感じです。
おそらくですが、青春期に特に多く見られる、なんとも解決しない感情に対する共感を表現するのに、ちょうど良い日本語が存在しなかった、というところが大きいのではないかと推測しています。

また、心にグッとくるの解釈は如何様にも。
その汎用性、その守備範囲は広く、時に、
エモいね!最高だね
エモいね〜災難だね
など、発信する人間の表情次第でどちらの意味でも共感を表現できます(万能)。

音楽のジャンルうんぬんとはもはや全く関係ないところで、
なんとも絶妙に他の言葉に代替し難い、一周回って日本語に訳せない、
魔法の合言葉としての地位を確立してしまったのです。

そこからまた少し時が経ち、今現在。
世間一般で今、「エモい」という言葉どういう扱いなのだろうか。
流行り言葉としてのピークアウトはあれど、
検索すると未だ一定数の人たちが日常でも使用している形跡あり、そこまで死んでいないというか、たまに耳にすると言うか、ある程度市民権を得ているかのように感じます(肌感)。



そう、本来の音楽的な意味を忘れて。

自分に限らず、本来、音楽としてのエモを愛してやまないバンドなのです、BIGMAMAは。
そして、それを知らぬうちに言葉としての「エモい」を使いこなしている現世に、
少しだけ違和感を抱えていたのです。
ならば今、このタイミングこそ、EMOに全振りオールインした作品を!

そう思って制作されたのが、BIGMAMAの新譜。
「TOKYO EMOTIONAL GAKUEN」です。

厳密に言うと、あの頃のエモ、2000年代のエモではありません。
2023年なりの、日本の、東京の、空気吸って吐いて出てきたエモです。
ただ、あの頃のエモ好きの人には、たまらない(多分)わかる人にはわかる仕掛けが沢山散りばめられているはずです。

言葉としての「エモい」と、音楽としてのエモを、
2023年に今一度結びつけることにロマンを感じている。
そんな謎の使命感を持ったロックバンドがひとつくらい存在していても、
良いんじゃないか、と思う次第であります。

BIGMAMA👩‍🎓SCHOOL WARS TOUR👨‍🎓

10/28(土) KT Zepp Yokohama
11/10(金) Zepp Osaka Bayside
11/11(土) Zepp Fukuoka
11/19(日) Zepp Sapporo
11/22(水) Zepp Nagoya
11/23(祝木) Zepp DiverCity(TOKYO)
 
◆ぴあ
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◆ローソン
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◆楽天チケット
https://ticket.rakuten.co.jp/artist/art462794/



<裏話にも程がある、制作秘話などはこちらでこっそりと↓>


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MasatoKanai
褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。