鏡張りの世界で何を
先日中国杭州のフェスに参加しステージに立った時、沢山のスマホのカメラが自分たちに向いていることに、違和感を覚えるというよりも先に、漠然とこの先の流れや未来について、どうなったらもっと面白くなるんだろうみたいなことを考えていました。
(どうせならすぐに名前がわかるような自己紹介が画面表示されたり?)
(いっそ何かこうバケツが光るみたいなエフェクトがかかる演出があったり?)
勿論その目や耳で、その瞬間を楽しんでもらえたらというのが常に本筋ですが、自分へ、そして誰かへお土産として持ち帰りたい気持ち自体歓迎したくもあります。
今から10年以上前にColdplayがXylobands(ザイロバンド)という光を制御するリストバンドをライブの演出に取り入れた時、いち観客として、ひとつ音楽とテクノロジーの感動的なマリアージュを目撃したような気分でした。
以降代替的なものも含めて応用がなされ、様々なアーティストが客席でスマホをライトアップして〜、みたいなことが一般的になってちょっと見慣れてくると、とても興味本位ですが、はて、この次に起きるとすればどんなことだろう、みたいに考えることがあります。
逆を言えば技術的なところでも、たわいもない発言でも、どんなふうに切り取られてもいいような覚悟を持って、ステージに立つべきとより身に沁みて思うところがあります。
というのは置いておいて、
スマホ1つでもすぐに誰かと繋がれるという意味でも、いつどこで誰に見られているかわからないという意味でも、この世界がまるっと鏡張りのように思える瞬間があります。
Mirror World
何かどうしても主義主張をしたいということが先んずるタイプではないですし、基本メロディーや音像から呼ばれてイタコのように歌詞を書くことがほとんど。ただ偶然自分のつけたタイトルに、何か不思議と今この時代、このタイミング、ここで書くべき、生まれるべくして生まれた必然性みたいなものを感じています。
もしも自分たちが今生活している世界と並行して、もうひとつ鏡の中の世界が存在していたら。パラレルワールド、鏡像世界。映画や漫画、小説などでも今まで数多くの作品で、作家たちがファンタジーとして表現してきたことです。それらも、あながち身近に感じるところまで迫ってきた印象があります。
わかりやすいところだとポケモンGOの世界とかですかね。現実世界と並行して実際はそこに居ないはずのポケモンが、その世界だとそこに行くと確かに存在している、みたいな。
そう遠くない未来に、技術が進んでもう1つの世界の方がもっと居心地が良くなれば、時間の使い方や生活に大きな変化が起きるかもしれません。
話を少し戻して、
現実と並行するMirror Worldがあったとして、そこに沢山の人が集うような状況で、例えば姿形だって、性別だって、年齢だって、アバターのように、なりたい自分を選択できたとします。そんな時に仮に自分は何を選択してそこで何が出来るのだろう。音楽は、自分たちロックバンドは、果たしてそこで何が出来るんだろう。
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上記は曲を書いて、歌詞を書いて考え事をしているうちに、話がとても飛躍している、という典型的自分あるあるなパターンですね。
技術が進んで例えどんな世界が訪れたとして、ますます中身で勝負でしなければならないですし、自分自身の技術、センス、価値そのもの、そして作品をピカピカに磨き上げておかなければというところに着地します。
Mirror Worldは自分の書いた曲の中で過去最高に光タイプというか、輝度の高い曲のように感じています。BIGMAMAの次なる作品やツアーへの、招待状、インビテーションのように受け取っていただけると。
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