診断士の競争戦略
こんにちは。中小企業診断士の高杉と申します。
先日、平成30年度の中小企業診断士試験の合格者の皆様とお話する機会がありました。様々なバックグラウンドの方がいらっしゃって、皆様熱意があり、診断士業界は益々盛り上がっていくだろうと楽しみになりました。
さて、今回は、「(コンサルティングファーム等の競合に対する)診断士の競争戦略」について書きたいと思います。
そもそも、コンサルティングファームと診断士ではターゲット市場が違うと思われる方もいるかもしれませんが、中堅・中小企業を得意とするファーム(例:船井総合研究所)とは、競合している診断士もいる認識です。
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■要約 以下があると競合に対して優位となる
①他の士業との連携力
②フィー(報酬)の柔軟さ
③個人のブランド力
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■①他の士業との連携力
コンサルティングファームは、弁護士、税理士、会計士、社労士等の各種士業と連携はとっていますが、”プロジェクト開始後の”連携力は若干弱い認識です。
理由は簡単で、後から他の士業が入ってくると、フィー(報酬)の面で自社の取り分が少なくなるためです。
プロジェクト開始前に判明している課題に対しては、他の士業とのチームを組んだうえで利益がでるようなフィーで契約を受注していますが、プロジェクト開始後に判明した課題に対して、他の士業を即座に入れていくのは、収益性の面でやりにくい面があると思います。
このため、診断士としては、各種課題に対して士業と柔軟に連携できる体制があると強みとなるかと思います。
■②フィー(報酬)の柔軟さ
フィーについては、コンサルティングファームによって大きく変わりますが、診断士と比べると間違いなく高いです。
理由は、バックオフィス等の間接部門を多く抱えているからです。
この間接部門の費用を考慮して、コンサルタントのチャージ金額が決まっているので、過度な値引きはほぼできないと言っていいと思います。
その点診断士については、個人事業主も多く、価格競争力を発揮しやすいのは事実だと思います。
あまり単価を下げるのは好ましくないかと思いますが、上記①の対応や、コンペになった場合に大幅に値下げができる等、フィーの柔軟性があるのは強みとなるかと思います。
また、成功報酬型のコンサルを行うという手もあると思います。(リスクの観点から、コンサルティングファームで成功報酬を行っている所は少ない認識です。)
■③個人のブランド力
コンサルティングファームは、会社のブランド力が非常に強固です。
(もちろん、名物コンサルタントのような方で、会社×個人のブランド力を発揮されている方もいらっしゃいますが。)
「コンサルティング」という無形の商品だからこそ安心感が重要となりますが、コンサルティングファームの名もないコンサルタントより、個人のブランド力がある診断士のほうが安心感があると思う経営者様もいると思います。
このため、診断士としては、職歴、コンサルの実績、執筆実績、他の士業との連携性等の個人のブランド力があると強みとなるかと思います。
■おわりに
今回は、診断士の競争戦略にフォーカスを当てて書きました。
特に③については、コンサルティングファームで働きつつ、個人のブランド力をいかに高めていくか、私自身も日々模索しているところです。