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これからの時代に求められる人材像は「スぺゼラリスト」だ!
2019年3月に野村アグリプランニング&アドバイザリー㈱から野村證券への人事異動を機に退職して㈱食農夢創を設立して起業した。それは野村證券の中でゼネラリストとしての道をあきらめ、食と農林漁業分野におけるスペシャリストになるという道を選んだ。今回は、ゼネラリストとスペシャリストについて自分の経験を踏まえて自由気ままに論じる。
ゼネラリストを育ててきた日本企業
日本企業は長い間、いわゆる年功序列に基づく職能別組織の中でゼネラリストを育てるのが当たり前になっていた。
ゼネラリスト=「知識や能力を、浅く広くもつ人」
特に転勤を伴うサラリーマンを経験したことがある人はわかると思うが、今でも多くの企業では3~5年ごとに転勤がある。特に行政機関では2年間という短い期間で異動ということもザラである。
一般財団法人 労務行政研究所が上場企業を対象に調べたデータによると、年功序列制度において課長に昇進するのが39.4歳。管理職として部下をまとめるために自分のいる組織内を経験させるという意味では仮に22歳に就職したとして、5年ごとの異動では4部署目で課長になる。そう考えると経験する「部署」が少ないと言えなくもない。
一方で、現場側からしたらどうだろうか?私も前職時代から今も含めて様々な組織の方々とお付き合いしている。しかし、2~3年ご無沙汰してしまうと誰も知っている人がいないということもよくある。また、本人にとっても、1年目で仕事を覚えて、2年目で自分でプロジェクトの担当になって、3年目で独自の改善を・・・と思っていたところでの異動なので不完全燃焼になりがちなのではないか。
「職種型」と「分野型」のスペシャリスト
ゼネラリストの反対語として使われるのがスペシャリストである。
スペシャリスト=特定の分野に特化した人材
でも私はスペシャリストには2通りのスペシャリストの道があると考えている。一つは「職種型」、もう一つは「分野型」である。
「職種型」のスペシャリストでは研究職などが代表例に挙げられることが多い。しかし、営業部門でもスペシャリストが増えている。前職でも営業部門FA(ファイナンシャルアドバイザー)という転勤がなく、地域密着型の営業専門集団で収入も実績連動報酬となっており、まさに営業分野のスペシャリストである。
確かに「自分はこの分野で生きていきたい!」という人には向いている。特に人と話すのが苦手なので研究職を希望している人が人事異動で営業部門に配属になったら本人もやる気がなくなるだろうし、それがきっかけで会社を辞めてしまったら会社にとっても本人にとっても不幸である。
「分野型」は、いわるゆ特定の分野に特化したスペシャリストのことである。私が目指す「食と農林漁業分野」に特化したスペシャリストはまさに「分野型」の典型例だろう。特に農林漁業分野が注目され始めて日が浅く、農林漁業分野に関わった人達は異動により数年ごとに入れ替わってしまうので、ずっといることができた私は恵まれていた。
今の時代に求められているのはどっち!?
さてここからが本題である。今の時代に求められているのはゼネラリストだろうか?スペシャリストだろうか?この議論についてはテレビ朝日の「朝まで生テレビ!」で議論しても応えは出ないだろう(笑)
私の意見としてはズバリ、
特定分野の知識を幅広く持つ「スぺゼネリスト」である。
「はぁ?自分で食と農林漁業分野のスペシャリストって言ってんじゃん!」という声が聞こえてきそうである。下手したら大炎上かもしれないのでここはきちんと説明をしておきたい。
私は食と農林漁業分野に飛び込んで9年目になる。しかし、私は経営コンサルであり、自身を持って専門と言えるのは「6次産業化」「地産地消」分野である。その他にも「輸出」「植物工場」「HACCP」「ハラール」「GAP」「漁業における資源管理」「林業における資源管理」など様々な分野を勉強してきた。しかし、後者については、私よりももっと詳しい専門家は山ほどいる。
つまり、「本当のスペシャリストとして特定分野で生き抜いていける人は本当にごく一部の人間である」というのが私が感じていることである。そのスペシャリストと差別化できるのが、特定分野の中で幅広く知識やネットワークをもつ「スぺゼラリスト」なのである。
農林漁業分野は「スぺゼラリスト」向け!?
最後に農林漁業分野はが「スぺゼラリスト」を育てる業界としてはうってつけであるということを説明して終わりにしたい。
農林漁業、特に6次産業化(「生産(1次)」のみならず「加工(2次)」・「販売(3次)」まで統合的に取り組むこと)に取り組んでいる方々は、生産の知識はもちろん、加工方法から方法まで勉強しなければならない。特に時代の移り変わりが早い現在においては、流行に合わせた商品開発やマーケティングも求められる。
つまり、これからの時代の農林漁業は生産から販売までを一体的に考えられる「スぺゼラリスト」が求められる。そして、その組織の中ではスペシャリストとして「生産」「加工」「販売」を追求することも可能であるし、従来の「ゼネラリスト」のように広く浅く関わる人も出てくる。
こう考えると組織には「ゼネラリスト」も「スペシャリスト」も必要であり、それを上手くまとめる(繋ぎ合わせる)のが「スぺゼラリスト」なのかもしれない。結局自分が「どの分野で、どのように生きたいか」を早く見出せるかどうかなのかもしれない。
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