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地域の窓 Yamagata Guesthouse

 旅から見える地域の顔。
 顔が語りかけてくれる暮らしと営み。

 農と食をテーマに地域へ赴き、その土地の人の交流と暮らしから見えてくる、地域の姿をお送りします。

 今回の地域の紹介シリーズでは、山形県村山市をクローズアップ。Vol.3は「オススメの宿」で、農旅をしていた時に出会ったYamagata Guesthouseをご紹介します。

 このゲストハウスは、古民家風の内装で落ち着いた空間が特徴的。山形県内陸の観光や旅、または寛ぎを目的にした人にオススメの宿です。

 また、わたしがこの宿をオススメするのには別の側面もあります。それは、農から地域の繋がりを感じられるゲストハウスで、運営されている農家さんの顔や想いを読者の皆さんに贈るためです。

昔ながらの馴染みやすい内装と空間。



地域観光の宿に人気

施設を探検するワクワク

 地域おこし協力隊が運営しているにぎわい創造活性化施設Link_MURAYAMAの中に、このゲストハウスはあります。

 2022年にオープンしたこの施設は、旧楯岡高校をリノベーションし、地域の人や観光客が訪れる、人と人との交流の場。

 全20団体が集まるこの場所は、地域農産物のプロモーション会社やベーグル屋、自然派食品店などの団体で賑わっています。様々な旬のイベントや地域マルシェを行う時も。

 ちなみにゲストハウスはこの施設の3階にあります。

スタッフがやさしくて過ごしやすい

入り口で山ポーズするオーナーのナオさん
ゲストと一緒に山ポーズ

 周辺の飲食店やコンビニ、ドラッグストアが近く、ちょっと歩くとスーパーもあります。

 施設でレンタサイクルもあり、ちょっとお出かけしたいときにも過ごしやすい宿。お店や観光地に困ったときは、スタッフからのオススメも紹介してくれます。

 また、アメニティも充実。大きめのロッカーや冷蔵庫はもちろん、Wifiも完備してあります。施設内に温泉はなくシャワーのみですが、周辺に自転車10分圏内に銭湯があるので、旅の宿には十分な設備が整っています。

 ちなみに、「オススメ飲食店」を別記事で紹介していますので、よろしければこちらもご覧ください。


宿泊費が献身的、アクセスも良い

おにぎりセット : 夏と秋は取り止めみたい

 素泊まりが1人当たり3600円で、朝食セットがプラス600円ほどでお手頃。朝食セットには、おにぎりセットとベーグルセットがありますが、夏から秋にかけては早朝の農作業のためおにぎりセットは出せません。

 ベーグルセットは、ご友人が経営されている山ベーグルさんが作られていて、朝食セットで山ベーグルさんのことを知ってもらえるのが嬉しいとのこと。いつも地域一体となって暮らしている空気が感じられます。

 アクセスは、最寄りのJR村山駅から徒歩7分。施設内には駐車場もあり車でのアクセスも可能です。秋口までは、山形空港まで800円タクシーが出ているので、飛行機からのアクセスも良好。空港までのタクシーの乗車時間は約15分で移動もしやすいところです。


直前でも予約をとれる可能性が高い

 GWや8月、年末は海外からの観光客が多く、満室になっていることが多いですが、他の時期では比較的予約が取りやすい状況です。1日で全19人まで泊まることができるので、団体予約も可能。

 予約情報の詳細は、こちらをご覧ください。アメニティや客観的な評価もたくさんいただいているので、参考になると思います。

 ちなみに、利用上で1つ不便な点があります。それは、トイレと水回りが1階にあること。エレベーターが併設されていないので、自分の足で上り下りする必要があります。

 しかし、宿屋としても、地域の拠点としても、ちょっとした不便を通り越して楽しめてしまうのが、このゲストハウスのウリだと感じています。


コワーキングスペースが併設

誰でも使用できるフリースペース

 施設1階にコワーキングスペースがあり、何か作業をしたい方にも適しています。また、スペース内にある山ベーグルには、季節を織り交ぜたベーグルに加えて、挽きたてコーヒーやジェラートもあるので、カフェとしても楽しめます。

 スペースから外へ目を向けると、季節ごとの地域の表情に魅せられます。夏は緑、秋は紅葉、冬は雪景色がお出迎えしてくれます。

 わたしが訪れたときは、夏から冬までの村山市の表情に触れることができ、季節の移り変わりをまるごと堪能していました。外に出て散策もできるので、息抜きしながら伸び伸びと過ごすこともできます。

さわやかな秋空
冬の雪景色


「つや姫」をたくさん食べられる

つや姫を使って自作カレーを食べました
農家さんがくれた紅あずまの炊き込みご飯

 施設の1階にはシェアキッチンがあり、宿泊者は空いていればいつでも無料で使えます。安全の関係で包丁は施設に借りる必要がありますが、鍋や炊飯器などの基本的な調理器具はすべてそろっています。

 そして、農家さんがつくったお米「つや姫」を自炊であれば自由に食べられます。

 東京で食べたつや姫と比べて、味わいにはよりさわやかな風味が、食感にはしっとり感が、香りには透明感を感じました。地域の空気ならではの味わいなのかもしれません。

 ちなみにわたしがスタッフをしていた時は、つや姫が客引きをしてよくおにぎりセットを提供していました。ゲストの皆さんがおにぎりを食べていた顔を思い出すと思わずニヤけてしまします。

 旅先でのおにぎりセットに何か特別な憧れを抱いてしまうのは、わたしだけでしょうか?

周辺の観光地

冬の銀山温泉
秋冬の山寺
居合神社 : 山形県村山市が居合道の発祥地

 銀山温泉
 蔵王温泉
 山寺
 そば街道
 将棋の町 天童
 フルーツ狩り
 さくらんぼ東根 佐藤錦発祥の町
 農産物直売所 ポポラ
 碁点温泉
 東沢バラ公園
 居合神社

 村山市内にも市外にも、近場には観光地が盛りだくさん。銀山温泉へのアクセスは電車とバスを使って片道1.5時間ほど。海外から来たゲストを何度ガイドしたことか。

 地域観光をする際、観光地周辺の宿の予約状況から判断して、こちらのゲストハウスを旅の停留所として利用されるゲストが本当に多かったです。




 山形県の内陸観光の拠点に適しているという話。これは、ゲストハウスを訪れたゲストからおもしろいくらいに挙がっていた生の声なんです。

 試しに上に挙げた場所へ足を運んでみたのですが、電車やバスのダイア・運行状況、タクシー利用。2〜3泊くらいの旅の経由地として使ってみると、不思議と程よい位置にあるのです。


農家の紹介 こめやかた

 農業を本業に、ゲストハウスと食堂もちやかたの3つの表情を魅せてくれる情熱的でやさしい農家さん。真摯な姿勢に秘める想いは、いったい何なのか。

"食を通してみんなで協力する楽しさを共有する"
"昨日よりもちょっとだけ嬉しい食卓を"

 農と食で食卓からヒトを豊かにする姿に、わたしは何度も胸が熱くなりました。

 秋に収穫を終えると、こめやたかの伝統、杵と臼を使った人力で200回搗く餅つきがスタート。スタッフ皆が懸命に餅を搗く姿に胸を打たれながら、できたてのお餅を食堂で提供しました。

 本当にキツイんですよ、200回搗くのは…

 しかも、1日11セットも行うサイクル。わたしが失神して倒れそうなところをこめやかたさんに支えてもらいながら、何とかやり切りました。

 搗いたお餅は、地域マルシェや、東京で開催する青山ファーマーズマーケットにも足を運んで直販。手仕事をしているから人の顔を見て届けたいと。ちなみに、東京近辺ではこめやかたさんのファンが増え、芸能人が直接買いに来るほどの人気を誇るように。

 懸命に食卓を豊かにしたい想いで作られた農作物とお餅。ゲストハウスで地域のPR活動も行うこめやかたさん。

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