○○やるか→どうやるか→何をやるか
いかに、一流のアーティストは人の心を動かすのか。
「良い曲」でしょうか
「上手な唄(演奏)」でしょうか
今回はそんな事を考えてみようと思います。
タイトルの画像はR.E.M.のヴォーカル、マイケル・スタイプです。
R.E.M. - Losing My Religion(1991 US:4 UK:19)
決して「唄がうまい」タイプのヴォーカリストではありませんでしたが
アメリカのインディー・ロック出身ながらその後全米1位のヒットを放ち、
最終的に国民的人気を誇りました。
そのマイケル・スタイプにはこんな逸話があります。
「僕は、電話帳を読むだけで人を泣かすことができる」
これ、ホントに言ったかどうかは今回問いません(^^;;;
でも、この中に非常に重要な要素があると思う上に
今回のテーマにあっている話だったので引用しました。
その要素を紹介するにあたり、一つの理論を紹介します。
世界の様々な広めるべきアイデアを紹介するTEDで有名な理論なので
知っている人も多いかもしれません。
サイモン・シネックの「ゴールデン・サークル理論」
サイモン・シネック - 優れたリーダーはいかに行動を奮い起こさせるか
(音楽とか関係なく良い内容なのでオススメです。 字幕は設定から可能)
人を動かすには「何をやるか」「どうやるか」よりも
「なぜやるか」が一番大事で順番が最初という理論。
3:20過ぎからのアップルの例がわかりやすいと思います。
つまり、タイトルの○○は
なぜやるか→どうやるか→何をやるか です。
これを音楽に例えると、
売れない例は
「良い曲を作る」(What):何をやるか
「上手な演奏で」(How):どうやるか
の順番で、その比重が大きく
「どういう信念を持って(Why):なぜやるか」
が薄いのではないか、という事がいえます。
よくあるのが「デビュー作はバカ売れしたのに、2nd(3rd)が売れない」のは
この「なぜやるか」の部分が薄れているパターンが多いように思います。
その現われが「楽曲の幅が広がった」という落とし穴。
つまり「What」「How」へ比重が傾いたことではないでしょうか。
これ、ミュージシャンの事を書きましたが、自分達「営業」も痛感します。
営業トークでも皆、売れる人のマネをします。
「どんな説得力のある言葉を言うか」(What)
「どんな言い方をするか」(How)
でも、全員が同じトークを使っても売れないんです(^^;
売れる営業は「なぜこの商品を売るか」「なぜ自分は営業をやるか」という(Why)が非常に強烈なのでそこの土台を同じにしないと「何を」「どう」やっても売れません。
逆に、「なぜ」がしっかりある人は「何を」「どうやって」も売れます。
(天才肌(特に女性)の営業はこれを無意識にやるので恐ろしい!)
それが音楽で表現したのが冒頭のマイケル・スタイプ。
「僕は、電話帳を読むだけで人を泣かすことができる」
「なぜ唄うのか」が核にあるマイケル・スタイプのような偉大なシンガーは
・電話帳(What:何を)
・読む(How:どうやって)
だけで人の心を動かし、「泣かせる」事ができるという良い例えです。
以前書いたこの記事とも似ています。
「姿勢80%:テクニック20%」
「どうやるか」はテクニック。
「どうあるか」は姿勢。
日本語だと1文字違うだけだが、それが大きな差になる。
今回でいうとこんな感じでしょう。
「なぜ=姿勢、どうあるか」
「何を、どうやって=テクニック、どうやるか」
そして面白いのはこのように分けられること。
「なぜ=どうあるか」:目に見えない
「何を、どうやって=どうやるか」:目に見える
つまり、一流から学びたければ普段の行動や発言などから感じられる
「目に見えない部分」に注目すると大きなヒントになるかもしれません。
なぜ、そのスポーツ選手は結果が出るのか、
なぜ、その企業は成功しているのか、
なぜ、そのお笑い芸人はウケるのか、
その要素を感じ取ることができれば自身の成長になると思います。
一流は短い言葉でもそれを上手く表現していますね。
そんなマイケル・スタイプさんに唄っていただきましょう!
曲は1992年の「Everybody Hurts」(1992 US:29 UK:7)です。
それではどうぞ!(昭和演歌の紹介風)
参考図書 ↓