とんとん、と肩を叩かれた ショートショート
肩をとんとんと叩かれた。「大丈夫ですか、起きてください」という声がする。煩いなあと思い、「何だよ、この-」と言いながら目を覚ました。
警官が二人いた。「駄目ですよ、人の家の前で寝てたら、住民の方が心配して電話をくれたんですよ」と警官の一人が言った。
人の家の前に、そう、玄関から道路に出るところの家と道路の境に寝ていたのだ。道のまんなかでなくて良かった。いや、そんなことじゃない。飲み屋から家に帰る途中に、人の家の前で酔っぱらって寝込んでしまったのだ。
警官が言う「歩けますか?