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パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話
私はパチンコ依存症・パチスロ依存症でした。
今から約20年前、4号機全盛のころです一度3年弱パチンコ・パチスロを打たない時期はありましたが、壮大なスリップをして依存症が再発し、その後パチンコ依存症・パチスロ依存症を克服しています。
これから書く物語は3年弱打たなくなる前までの物語です。この時代はまだパチンコ依存症やギャンブル依存症が今のようににメジャーな単語ではなく、もちろん私自身も知る由もありませんでした。
その時私はたくさんのものを失いパチンコ・パチスロを打たなくなりましたが、約3年後スリップしてしまいます。当時は気付きませんでしたが私は間違いなくパチンコ依存症・パチスロ依存症でした。
私は自分から打たないと決めた(当時はそのつもりでしたが)わけではなく、様々な理由で「打てなかった」だけです。
この時のエピソードを物語風に残したいと思いました。
正直、思い出したくない過去ですが、これを読んで少しでもパチンコ依存症・パチスロ依存症克服のきっかけになってくれれば幸いです。
※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい
プロローグ 地獄の悪魔も最初は天使に見えた
最初は10万円なら大丈夫と借りた消費者金融も気が付くと限度額はいっぱいになっていました。最初は1社だったのが 2社、3社と増えていきます。
最初のうちは限度額も20万、30万と増やしてくれるのですが、それも限界があります。月々返している元金もすぐに借りてしまい常にパンパンの状態です。
何社も借りているため当然限度額を増やしてもらえず、もう借りられない状態に・・・。
給料が出てもすぐにパチンコ・パチスロで負けて手元には何百円しかなく、しかも給料日までは3週間以上あります。気がつけばパチンコ行けない、食べるものもないで 八方塞がりでした。
ダメ元でさらに限度額を増やしてもらおうと電話をすると
「あいにくお客様の状態ではこれ以上お貸しすることはできません」
と限度額は増やしてもらえませんでした。
そんな状態で食べるものもない、パチンコ・パチスロに一週間行けていない。
生きる気力もなくなってるような状態でふらふら歩いているとふと、電柱に貼ってあった一枚のチラシが目に入ります。
”どんな人でもお金貸します。10万円まで。090-××××-××××”
「まじか、やばそうだけど背に腹はかえらんねぇな」
当時、闇金融に対して何も知識はなかったですが何か得体の知れない恐怖を感じたのは確かです。
ただ当時の私はパチンコ・パチスロ依存症です。そんな得体の知れない恐怖より、目先の金が必要でした。なにせ何も食べていなくとりあえず腹が減っています。
自分の主戦場にしていたホールは翌日イベントです。得体の知れない恐怖での身の危険より腹を満たすことが重要でしたし、パチスロを打つ事が頭を支配していました。
とりあえず電話番号を携帯に登録し家に戻り早速電話です。
「はい地獄金融です。」
「あのぅ電柱に貼ってあったチラシ見たんですけど」
「で、いくら?」
「じゅ、10万です」
「10万?おたく他いくらつまんでるの?」
「他、ですか?○○○30万△△△50万○△×50万です」
「いや、そうじゃなくてウチみたいなとこ他にもつまんでんだろ?」
「いやよくわかんないんですけど、借金はそれだけです」
「まあいいや、とりあえず事務所来てください」
「あのう・・・貸してくれるんでしょうか・・?」
「来なきゃわかんない。ウチは対面で決めるから」
短い会話から、普通じゃないことは感じ取ることができました。電話の声もヤ○ザそのものです。
一瞬「これは手を出しちゃいけない」と感じましたか、 目の前の食べる為のそしてパチンコ・パチスロの為にそんなものはすぐに吹き飛びました。借りられるかもしれない目の前のお金の事しか考えていません。
住所や名前や電話番号、会社を言い、電話を切り闇金の事務所に向かいます。向かう道中はこれから先に待っている地獄や、もう戻れなくなるところまでいってしまうことなんて考えもしませんでした。
とにかく空腹を満たせるかもしれません。
パチンコ・パチスロが打てるかもしれません。
一瞬感じた恐怖よりなぜか希望に満ち溢れていました。
電話では悪魔のようなヤ○ザの声も包み込むような天使の声に聞こえていました。
「きっと貸してくれる。ヤバイところだって関係ねえ。あいつらだって貸さなきゃ商売何なんねぇんだ。勝ちゃぁいい、勝てる」
今思えば完全にパチンコ・パチスロ依存症の脳です。典型的なパチンカス脳と言うんでしょうか。消費者金融の借金なんて可愛いもんです。
ここからが本当の地獄の始まりです。
天使の皮をかぶった悪魔
そこはオフィス街から少しだけ離れた雑居ビルの2階にありました。
ただ階段を上っている時に一瞬だけ「やっぱりやめて帰ろうか」と感じる自分がいます。得体のしれない違和感が全身を駆け巡りました。
ただそんな考えはすぐなくなり気が付くと事務所のドアを開け中に入っています。
「すいません、先程お電話しました、あべです」
そうすると奥から、いかにもという風貌の男が出てきました。
普段はビビりの自分ですが、この時はもう既に恐怖は感じていません。
「で、何に使うの10万」
「今月友人の結婚式があって、あと友人の車をこすってしまいその修理代です。」
とっさに嘘が出てきます。普段の自分でしたらあたふたしてしまい、何も言えなかったところですが、これも依存症のなせる技でしょう、この時はスラスラと嘘をついていました。
「あ、そう。色々あべさんの事、調べたけど10万は無理だ。」
「えっ!・・・そ、そうなんですか・・・」
この時は目の前が真っ暗になりました。
この先、給料日までお金はありません。
食べるものもないですし、何よりもパチンコ・パチスロが打てないです。
「5万なら貸すよ」
「は、はい本当ですか!」
この時自分は「10万は無理だ」と言われた時に1円も貸してもらえないと考えていました。そこで5万円貸してくれると言ってくれたので、悪魔のようなただものではない風貌も天使に見えてしまったのです。この時すでに頭の中は冷静さを失っていました。
「ただ、うちは10日で5割だから」
「!?」
「5万円の5割だから10日後に利息が25000円と元金5万円、75000円持ってきて。逃げたり返せなかったら親のところも連絡するし会社も連絡するしどこまでも追いかけて回収するけどそれでもいいか?」
ここで私はこう考えていました。
「軍資金5万。10日間で25000円以上勝てばいい、大丈夫勝てる」
10日で5割の利息、しかも10日後では給料日にもなっていません。負ければそこで終了です。
普通で考えれば借りないでしょう。法外な利息、しかも払えなければ何をされるかわかりません。下手をすると殺されるかもしれません。
と、考え踏みとどまれば良かったのですが、 パチンコ依存症の私はそうは考えません。
空腹を満たすために、そして何よりもパチンコ・パチスロを打つために、リスクを考えることを一切やめてしまうのです。
「はいわかりましたお願いします。」
そう答え借用書にサインをし拇印を押しました。
「じゃあちょっと待って」
そう言って男は奥へ消えていき、また戻ってきて私の前に5万円起きました。
「ありがとうございます」
私は事務所を後にしました。
1話終了です
こうして、パチンコ・パチスロ依存症の私は地獄への第一歩を踏み出すのですが、ここからが本当地獄の始まりです。最近はこんな悪質な闇金融もあまり聞かなくなりましたが当時は社会問題化するほどたくさんの闇金融がありました。
「闇金融ウ○ジマくん」の世界とほぼ同じです。漫画の中で出てくる債務者と同じ経験を私もしています。そのエピソードを含めて今後も随時書いていきますので良かったら読んでください。
パチンコ・パチスロを打つために借金をすること自体アウトなのですが、パチンコ・パチスロ依存症はこんな簡単な身の危険も回避できなくなるほど普通の行動を取れなくなります。