小原雅志(映画&海外ドラマライター)

映画&海外ドラマライターです。映画や海外ドラマだけでなく、さまざまなジャンルのことを語っております。キネマ旬報映画検定1級。ブロードウェイミュージカル『シカゴ』公式プログラムの映画版解説コラムも執筆。業界関係者で興味がある方がおられましたらお声がけ下さい。ご依頼お待ちしてます。

小原雅志(映画&海外ドラマライター)

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最近の記事

ブライアン・G・ハットン監督、リチャード・バートン&クリント・イーストウッド共演『荒鷲の要塞』

 テレビシリーズ『ローハイド』で人気を博し、その後、イタリアでセルジオ・レオーネ監督と組んだ『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』で世界的な人気を獲得したクリント・イーストウッド。そんな彼がハリウッド凱旋第1作にして、『ローハイド』で組んだテッド・ポスト監督の『奴らを高く吊るせ!』の次に出演したのが、『ナバロンの要塞』や『北極の基地 潜航大作戦』、『八点鐘が鳴るとき』ほか、数多くの映画化作品を生み出した原作者アリステア・マクリーンが映画用に脚本を

    • ブライアン・G・ハットン監督、クリント・イーストウッド主演『戦略大作戦』

       2023年5月31日で御年93歳となり、最新監督作(もしかして最後になるかも……)に取り組んでいると言われているクリント・イーストウッド。今や巨匠監督となった彼は数々のB級映画に出演した後、テレビシリーズ『ローハイド』のロディ・イエーツ役で人気となる。その後、イタリアでセルジオ・レオーネ監督の“ドル三部作”に出演して世界的な人気を得、アメリカに凱旋する。そして、イーストウッドはブライアン・G・ハットン監督と組んだ2本の映画に出演する。1本目は『ナバロンの要塞』などで知られる

      • 金子正次主演、川島透監督『竜二』

         1983年10月29日、現在は新宿バルト9となっている場所にあった新宿東映パラス2で1本の映画が公開された。そのタイトルは『竜二』。川島透の監督第1作で、鈴木明夫名義で脚本を担当した金子正次の主演第1作にして遺作となった作品だ。金子は映画の公開期間中の11月6日に33歳という若さで急逝するが、映画は大ヒットを記録する。川島監督は1984年に金子の遺した脚本を基に『チ・ン・ピ・ラ』を映画化し、1987年にはその続編ともいえる『ハワイアンドリーム』も手掛ける。そして、1987年

        • 柴田恭兵&ジョニー大倉共演、川島透監督『チ・ン・ピ・ラ』

           1983年に公開された川島透監督の『竜二』。鈴木明夫名義で脚本を担当し、主演した金子正次が注目を浴びたが、劇場公開中に病気で亡くなってしまう。享年33歳。金子は『竜二』の前に劇団東京ザットマンでアングラ演劇の舞台に立ち、1981年のテレビドラマ『プロハンター』第16話「悪い女」、1982年に村川透監督、石原良純主演の『凶弾』にも出演していることは後に知ることになる。もし、金子が急逝せず、『竜二』以降、映画界で活躍していたら、映画の歴史は少しでも変わっていた気がする。何ともも

          根岸吉太郎監督、永島敏行主演『遠雷』

           1978年に日活ロマンポルノ『オリオンの殺意より 情事の方程式』で映画監督デビューし、1979年『女生徒』『濡れた週末』、1980年『暴行儀式』『朝はダメよ!』、1981年『女教師 汚れた放課後』『狂った果実』、1982年『キャバレー日記』といったロマンポルノ作品を経て、1983年『俺っちのウエディング』『探偵物語』、1985年『ひとひらの雪』、1986年『ウホッホ探検隊』、1987年『永遠の1/2』、1992年『課長 島耕作』、1993年『乳房』、1998年『絆-きずなー

          根岸吉太郎監督、永島敏行主演『遠雷』

          トム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル デッドレコ二ング PART ONE』

           今やトム・クルーズの代名詞のひとつとなった『ミッション:インポッシブル』シリーズ。1966年~1973年に初代スティーヴン・ヒルを主役にした第1シーズン、二代目ピーター・グレイヴスを主役にした第2シーズン~第7シーズンまで作られた『スパイ大作戦』、1988年~1990年にグレイヴス以外のメンバーを一新して(前シリーズのキャストであるグレッグ・モリスがゲストで出る回もあり)2シーズン作られた『新スパイ大作戦』というテレビシリーズが原点だ。1996年にクルーズ自らプロデューサー

          トム・クルーズ主演『ミッション:インポッシブル デッドレコ二ング PART ONE』

          ロン・ハワード監督『バックドラフト』

           シカゴを舞台に消防士の活躍を描く作品といって思い出されるのは、『LAW&ORDER』シリーズや『FBI』シリーズなど、数多くの大ヒットドラマを手掛けた御大ディック・ウルフの手による『シカゴ』シリーズの1本『シカゴ・ファイア』だ。アメリカではシーズン11が終了し、9月からはシーズン12の放送も始まる大人気作品。同じようにシカゴを舞台に消防士たちを描いた映画があったことを覚えているだろうか? それが1991年制作の『バックドラフト』で、日本では7月に公開され、配給収入12億円を

          ロン・ハワード監督『バックドラフト』

          宮崎駿監督『紅の豚』

           1979年、『ルパン三世 カリオストロの城』で劇場用映画デビューを飾った宮崎駿監督。1984年『風の谷のナウシカ』、1986年『天空の城ラピュタ』、1988年『となりのトトロ』、1989年『魔女の宅急便』、1997年『もののけ姫』、2001年『千と千尋の神隠し』(ベルリン国際映画祭金熊賞、オスカー長編アニメーション賞受賞)、2004年『ハウルの動く城』、2008年『崖の上のポニョ』、2013年『風立ちぬ』などを発表し、『千と千尋~』は2020年に『劇場版「鬼滅の刃」 無限列

          アガサ・クリスティ原作、シドニー・ルメット監督『オリエント急行殺人事件』

           ”ミステリーの女王”として、現在でも世界的人気を誇るアガサ・クリスティが生み出した名探偵と言えばエルキュール・ポワロだ。1978年『ナイル殺人事件』、1982年『地中海殺人事件』、1988年『死海殺人事件』の映画3本、1985年~1986年に制作されたワーナー&CBS制作のテレビムービー『エッジウェア卿殺人事件』『死者のあやまち』『三幕の殺人』の3本ではイギリスの名優ピーター・ユスティノフ、1989年~2013年までのテレビドラマ版『名探偵ポワロ』ではデヴィッド・スーシェ、

          アガサ・クリスティ原作、シドニー・ルメット監督『オリエント急行殺人事件』

          リチャード・カーティス脚本&監督『ラブ・アクチュアリー』

           映画を観るときに、この脚本家だったら個人的に期待していいだろうと思う人がいる。そのひとりがビリー・ワイルダー。脚本家としてスタートし、映画監督として1944年『深夜の告白』、1945年『失われた週末』、1950年『サンセット大通り』、1953年『第十七捕虜収容所』、1954年『麗しのサブリナ』、1955年『七年目の浮気』、1957年『翼よ、あれが巴里の灯だ』『昼下りの情事』『情婦』、1959年『お熱いのがお好き』、1960年『アパートの鍵貸します』、1963年『あなただけ今

          リチャード・カーティス脚本&監督『ラブ・アクチュアリー』

          三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ脚本、中原俊監督『12人の優しい日本人』

           『王様のレストラン』や『古畑任三郎』シリーズ、NHK大河ドラマ『新選組!』『真田丸』『鎌倉殿の13人』といったテレビドラマ、自ら監督した『ラヂオの時間』『みんなのいえ』『THE 有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』『清洲会議』『記憶にございません』などの映画、現在は充電期間中の劇団・東京サンシャインボーイズ時代を始めとする舞台作品と、今や日本を代表する脚本家で劇作家の三谷幸喜。彼が東京サンシャインボーイズ時代に手掛けた舞台を、1989年に6人の映画プロデューサーが中心となっ

          三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ脚本、中原俊監督『12人の優しい日本人』

          チェン・カイコー監督『北京ヴァイオリン』

           1984年に監督デビュー作『黄色い大地』を発表。その後は1985年『大閲兵』、1987年『子供たちの王様』、1991年『人生は琴の弦のように』、1993年『さらば、わが愛/覇王別姫』、1996年『花の影』、1998年『始皇帝暗殺』、2001年にはハリウッドに渡って『キリング・ミー・ソフトリー』、2005年『PROMISE』、2008年『花の生涯~梅蘭芳~』、2010年『運命の子』、2018年『空海-KU KAI- 美しき王妃の謎』、2021年『1950 鋼の第7中隊』などを

          チェン・カイコー監督『北京ヴァイオリン』

          ハル・アシュビー監督、ジャック・ニコルソン主演『さらば冬のかもめ』

           編集マンとして1965年『シンシナティ・キッド』、1966年『アメリカ上陸作戦』、1967年『夜の大捜査線』(オスカー編集賞を受賞)、1968年『華麗なる賭け』といったノーマン・ジュイソン監督作を担当したハル・アシュビー。1970年『真夜中の青春』で映画監督としてデビューし、1971年『ハロルドとモード/少年は虹を渡る』、1975年『シャンプー』、1976年『ウディ・ガスリー わが心のふるさと』、1978年『帰郷』、1979年『チャンス』、1982年『大狂乱』(劇場未公開)

          ハル・アシュビー監督、ジャック・ニコルソン主演『さらば冬のかもめ』

          ピーター・ハイアムズ脚本&監督『カプリコン・1』

           1973年の『破壊!』で脚本も手掛けて監督デビュー。1979年『ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど』、1981年『アウトランド』、1983年『密殺集団』、1984年の『2010年』からは撮影も兼任するようになる。その後は1987年『シカゴ・コネクション/夢みて走れ』、1988年『プレシディオの男たち』、1989年『カナディアン・エクスプレス』、1992年『カウチポテト・アドベンチャー』、1994年『タイムコップ』、1995年『サドン・デス』、1997年『レリック』、199

          ピーター・ハイアムズ脚本&監督『カプリコン・1』

          ジョン・フランケンハイマー監督、ジーン・ハックマン主演『フレンチ・コネクション2』

           昨今、差別的表現のカット問題で揺れるウィリアム・フリードキン監督の『フレンチ・コネクション』。第44回のオスカーで作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、編集賞の5部門を受賞したこの作品は、そういう表現も含めてオスカーを獲得しているわけで、現代と合わないからといってカットするなんて、何と愚かなことか。映画はさまざまな要素が集まった総合芸術だと言われる。その部分をなかったことにするなんてあり得ない! 映画の歴史、映画の存在意義も問われる、映画界最大の問題になりかねない。ほんと、ど

          ジョン・フランケンハイマー監督、ジーン・ハックマン主演『フレンチ・コネクション2』

          ウィリアム・フリードキン監督、ジーン・ハックマン主演『フレンチ・コネクション』

           1971年にロビン・ムーアのノンフィクション小説を基に映画化したクライム刑事アクション『フレンチ・コネクション』。監督は1973年に『エクソシスト』、1977年にリメーク版『恐怖の報酬』、1978年に『ブリンクス』、1980年に『クルージング』、1985年に『L.A.大捜査線 狼たちの街』ほか、数多くの作品を手掛ける鬼才ウィリアム・フリードキン。主演は名優ジーン・ハックマン。共演はロイ・シャイダー、フェルナンド・レイ、トニー・ロビアンコほか。第44回のオスカーでは作品賞、監

          ウィリアム・フリードキン監督、ジーン・ハックマン主演『フレンチ・コネクション』