原付バイク生産終了に絡む心配事

現在、一般原動機付自転車は排気量50cc以下のバイクを指している。いわゆる原付バイクだ。これが「新基準原付」というものに置き換わるそうな。
新基準とはようするに、50ccという排気量ではなく、発生させる出力で原付バイクかどうか区別するという事である。
具体的には4kw以下の出力のバイクが新基準原付となる。これはちょうど現在の原付バイクとほぼ同等の出力である。ではなぜわざわざこのような変更をするのかというと、最大の理由は排ガス規制だと言われている。
排気ガスを浄化する「キャタライザー」という部品は現在、4輪車やバイクに当たり前に取り付けられているのだが、この部品の触媒はエンジンが発する熱で高温になることで反応を始める。
新しい排ガス基準では、50ccの小さい熱量では、触媒が働き始める前に基準値越えの排ガスが排出されてしまうため、性能が基準に満たないと判定されて新車として50ccバイクを発売できないのである。
そこで125ccエンジンをあえて出力ダウンさせ、高熱を出せるけどパワーが低いバイクを新基準原付として発売できるようにする、というわけだ。
いろいろ思うところはある。電動バイクならそもそも問題はない、とも言われている。しかしながら、はっきり言って現在の電動バイクでは原付バイクの代わりにはならないだろう。「短距離移動しかしない原付バイクは電動スクーターで代替可能」とはよく言われる言説だが、「短距離しか走れないから短距離だけ走る」と「長距離も走れるけど、いつもは短距離を走っている」ではまるで意味が違う。それは別の乗り物である。だいいち現在の電動スクーターは値段が高すぎる。
まあ、それらの諸問題も心配事ではあるが、それらはメーカーと政治、行政の問題なので今ここでやきもきしても始まるまい。それよりも、私はもっとしょうもないことを心配している。正義感だけは強い系の人が、「原付販売終了」を「原付使用禁止」と勘違いして「原付警察」と化し、普通に走っている原付バイクを襲撃しないかという事である。
そんな奴いる?と思うかもしれないが、世界の広さをなめてはいけない。「世界は爬虫類型宇宙人に支配されている!」と真剣に信じている人が何万人もいるのが現実なのである。「フリーメイソン」でも「イルミナティ」でもいいが、そんなもんを人生を賭けて信じている人が世界中にいることを考えれば、「原付警察」など簡単に発生するに違いない。
(※一応言っておくが、都市伝説の陰謀組織ではないが、フリーメイソンという団体自体は普通に実在するのでそこは間違えないように。別に影の組織でもなんでもなく、自施設にフリーメイソンの看板を出している。東京港区にはメソニックビルというビルが普通に建っていた。)
私が愛車のカブに乗って走っているだけで理屈の通じない方々が、正義に燃えながら意味の分からない因縁をつけてくる、これが私の心配事なのである。

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