ありがとう、龍猛。そして再び輝け!
すっかりご無沙汰のnote投稿で、既に自由契約が伝えられた小野龍猛選手の信州への移籍が本日公式にリリースされたので私が向き合った中での幾つかのエピソードをここに記したい。
エピソード1:ベンチで叱咤する龍猛
2018年12月2日の平塚、Bリーグ3季目となり3連覇のかかった天皇杯での最初の対戦が横浜相手に行われた。平塚という場所ながら会場は地元のビーコルブースターに負けないほどのジェッツブースターがこの会場に集結しいつものような熱い声援を送っていた。
試合の前半で、原選手がコート上で体を強打して、身悶えていたところで、その時ベンチにいた小野選手は「痛くない!痛くない!」厳しい声で彼を叱咤し周りから笑いが漏れたけど、やがて原選手は若干痛そうだったけど再びプレイに復帰した。
今や原選手は彼の存在を脅かすまでの活躍を遂げてはいるが、こういう叱咤役がチームから去ることが私にとっては一抹の不安でもある。
エピソード2:虚な表情のプレイオフ決定
これは、まだ私がジェッツと向き合い始めた1年目の2015年3月25日の千葉ポートアリーナでのvs東芝戦。試合はボロ負けながらもP O進出の対象であった広島が敗れたため、所謂棚からぼた餅でP Oの進出が決まった。
ただ、試合後その進出記念のTシャツを着る選手は数少なかった。むしろ私が今でも印象に残っているのが、小野選手が見せた虚な表情だった。それだけ目の前の一勝に対するこだわりと強豪相手にそれを叶えられなかった悔しさがありありと感じ取ることができた。
エピソード3:天皇杯連覇を手繰り寄せた怒涛の3Qの3本の3Pシュート!
一発屋では終われない、しかも直近のリーグ戦で負傷した富樫選手が出られないという状況の中で迎えた2018年1月7日、第93回の天皇杯決勝戦。強豪三河相手に前半はお互い拮抗した戦いを進めたが、この試合の流れを大きく手繰り寄せたのが3Qの小野選手の3本の3点シュートだった。試合終盤、三河が巻き返しを図ったが、前回の優勝がフロックではなく、そして誰がいなくても誰かが補うというチームの強さを示し、栄えある天皇杯2連覇を飾ることができた。この偉業に彼の大車輪の活躍を欠かすことはできない。
エピソード4:悲しみに暮れたブースターへの労い
Bリーグ初年度のジェッツは東地区上位3チームとの熾烈な争いの末、ジェッツはCS進出を決めたものの、相手は後に初代Bリーグ王者となる栃木(現:宇都宮)とのアウェイでの戦いであった。ただ、直近のレギュラーシーズンでアウェイで栃木と戦い見事にスイープ勝ちを成し遂げた。
この勢いで・・・、と目論んでいた私であったが、ここに短期決戦という今までに味わったことのない雰囲気で挑むアウェイの洗礼を受けることとなった。満員に埋まったブレックスアリーナ、それはもう分厚い黄色い壁に囲まれてでの戦いを余儀なくされ、やがては我を失いジェッツのBリーグ王者という夢は淡く儚くも宇都宮の地に消え去った。
涙にくれるブースター、私はじめ涙も枯れてただただ自室茫然と佇む人もいた終戦に、後刻ジェッツ公式の、JETSチャンネルで各選手がその戦いぶりの感想と謝意を述べていただいか中で、主将として最後まで立ち向かった小野選手のジェッツブースターへの感謝と労いの言葉を今でも聴くと泣けてくる。
そして翌年、翌々年と夢にまで見たファイナルにたどり着くことが出来た。
でも、龍猛とともにてっぺんを獲ることは、叶わなかった。
そして、怪我や様々な事情でコートに上がる機会が少なくなった今季。
前半の不調からV字回復を図ろうとした中で思いもよらぬ形でのシーズン終了。
そして、いつものように今季の戦いへの労いや苦しい時期からずっとジェッツを支えてくれた感謝の思いも、伝えることが出来ないまま、信州の地へ去ることとなってしまった。
改めて、ジェッツが苦しい時期からずっと今までチームを支え続けてもらえて、本当にありがとう。
ジェッツという同じ釜の飯を喰った、ジェッツファミリーとして新天地での成功を心から祈ります。
でも、ジェッツとの対戦ではガツンとぶつかり合いますよ!
そして、今まで龍猛を陰日向で支えていただいた方々にも感謝いたします。
彼のご尊父様はじめ、またどこかでお目にかかるかもしれませんが。