配属先はコウセイ課…?
どうもこんにちは、えむしです。
以前自己紹介がてらに自分の経歴を少しお話しした記事をアップしましたが、今回は以前お世話になっていた印刷会社での話をできたらと思います。
配属先はコウセイ課…?
無事中途採用として新しい会社に採用された初日、
いろいろな手続きで1日が終わりそうな中、
部署のリーダーがやってきて、私の配属先を教えてくれました。
君はコウセイ課でしばらく業務をしてもらうね。
この頃の私は本当にデザインのデの字も分かっておらず、
このコウセイを頭の中で【構成】と変換したんですね。
へ〜レイアウト的な何かを専門でやる部署なんだ!
と勝手に思い込んでいた私。
次の日意気揚々と出社し早速研修に入ると渡されたのは
黄色マーカーと赤ペン。
そして、
ここに原稿がありますので、この原稿とこのゲラを照らし合わせて、ゲラをマーカーで塗りつぶしていってください。その時、原稿と食い違う部分があれば、それを赤ペンで修正してください。
とのこと。
パニックです。
思ってたのと全然違う。
待って、ゲラって何?笑
この日は人生で1番知識を吸収したんじゃないかなってくらい印刷業界で必須となる基本的なことをいろいろと学びました。
1番の驚きは【構成課】じゃなくて【校正課】だったこと。
この日初めて私は校正という仕事が世の中に存在することを知りました。
そして、その後校閲ガールを見てえらく感動しました。笑
さて、校正課に配属され右も左も分からず渡されたのは黄色の蛍光マーカーと赤ペン。そしてゲラ。
ちなみにゲラとは、印刷予定の紙面のことで、ゲラってネーミングだけはインパクトありますが、別に全然ゲラ感ないです。要するに”チェックするための試し刷り”といったニュアンスで使われています。
ちなみに校正と似た仕事で、先ほどの校閲ガールのように校閲という仕事もあるようです。私なりにその仕事を噛み砕いたのですが、原稿通りになっているかまでを確認するのが【校正】、校正+その原稿が事実と合っているのか、矛盾が起きないかまでを確認するのが【校閲】、という感じだと思います。
【1192年 鎌倉幕府の成立】
が原稿と合っていたら校正としてはOKですが、校閲だと今1192年じゃなくて1185年に改訂されたらしいよ!という指摘を入れなくてはならない。という感じです。
うちの会社では小売相手に広告を扱う性質上、量が多く、また事実確認よりも原稿一致の方が優先されるため、校正課として存在していました。
もちろん校閲までいかずとも常識チェックやネットでの事実確認等はするので、準校閲課みたいなところまでは業務範囲でした。
地味にすごかった校正の仕事
校正課がどんなところか、ざっくりとご説明しましたが、さあ、いざ原稿片手に読み進めていきましょ!!といただいたお試し用ゲラで早速校正にとりかかることになりました。
おいおい、何だよ、結構合ってるじゃねえかよ。
(そりゃ間違ってちゃ困るんですが)
私「先輩!できました!確認お願いします!」
先輩「なるほど、いくつか見落としがありますね。まず1ヵ所目です。ここはね…」
これはもしかしたら時代が進むと廃れてしまうのかも・・・
初めて知りましたね。
図鑑とか全部左らしいです。
ほうほう、なるほど、これは校正っぽい。
勉強になったぞ。と感じていると・・・
先輩「あとここ、えむし君は合ってて欲しかったな」
当時はファッションなんてよく分からなかったんで、これをきっかけに私はMOREやOggiなど幅広い女性誌をチェックするようになりました。
かれこれ5年以上ファッション誌を読み漁って感じたのは、ファッションって専門用語が多い上に、普通に生活してたら男性は触れてこないだろうなって言葉が多いってことですね。
先輩「最後、これね・・・」
いやあ、これに関しては正直パッケージ見てもちょっと小さい「ュ」じゃない!?と思いましたね。
こんな風に、え〜簡単じゃんと舐めてかかった初校正チャレンジは、見事に見逃しだらけで黒星スタートとなりました。。
校正としての視点
話は変わって、サイゼリアのキッズメニューの間違い探し、私大好きなんですけど、あれって10個違うところがありますよって分かってるから集中して見比べられると思うんですよね。
校正の仕事は、間違い探しと違って、何個ミスがあるか分からなければ、そもそもミスがないように作られた制作物のミスを見つける最後の砦みたいな感じでした。
校正をしてみて私が1番大変だなと感じたのが「集中力」です。
何個間違いがあるか=ゴールがあるんですが、
ミスがどこにあるか何個あるか分からない校正で、
集中力を保つのって本当に難しいんです。
自分ではよく見ていたつもりでも見逃していたり、
複数人で見ていたはずなのに見逃していたり、
「ミスを見逃さない姿勢」をずっとキープすることが本当に大変でした。
私は校正課としてほんの4ヶ月しか働けなかったのですが、校正という仕事を経験できたことで、デザイナーとして制作物をチェックするポイントはもちろん、自分の制作物を支えてくれている存在がたくさんいることを学べました。
世の中の印刷物ってこうやって世の中に出てるんだなって思うと、本当にすごいし、たまに参考書とかで<訂正>の紙が入っていると、しょうがないよ〜!お疲れさま!って気持ちになります。笑
私は今デザイナーがメインの仕事なので、ガッツリと校正をする機会は滅多にないのですが、原稿との照らし合わせはもちろんですが、ちょっとした違和感ってざっくり見るだけでも感じるものなんですよね。
そこで最後に校正課としてやってみて自分なりのポイントをまとめてみました。
❶数字・固有名詞は真っ先にチェック
何でですかね。1番気をつけているのに、営業時間や住所、人の名前、数値等々、必ず定期的に間違ったものが回ってきてました。
何なら気づかずにそのまま校了・印刷され、手遅れなタイミングで発覚する…1番致命的で1番多いミスでした。
なので私はまず真っ先にここを確認するようにしてます。
1番集中力があるタイミングで。。。笑
❷伝わる側(消費者)の視点で素読みする
素読みっていうのは、原稿とか関係なく眺め読みでゲラを確認することです。常識チェックみたいな感じです。
私がお客さまだったら…と見た瞬間に気づくことって結構多くて、これのいいところは、デザイナーとしてデザインで伝わりづらい部分にも目が行くので、デザインチェックも一石二鳥でできるところです。
誤字脱字とかはこれで読んだ方が見つかることが多いと思います!
❸作るとチェックは同時にやらない!必ず一呼吸おく!
これも本当に大事で、校正課の時は必ず他人が作ったものだったので、新鮮な気持ちでできるんですが、自分が作ったものを自分でチェックとなると、作ってできた感動が大きくて、チェックの時に先入観や思い込み(こここういう修正だったよな。とか)が先行しちゃうんですよね。
そうするとできてる前提でチェックをしてしまって気づけるものも気づけないので、必ず一晩置くか、どうしてもその日が締め切りだったとしても、何か違う作業を挟んでからやるようにしています。
今回は私の校正課エピソードをお話ししてきましたが、校正という仕事に少しでも興味を持ってくださった方がいたら、ぜひ下のリンクから問題があるのでチャレンジしてみてください!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!
更新頻度が目に見えて落ちていますが、これからも少しずつ更新していこうと思います。
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