缶詰
土日はゆっくりしておりまして、久しぶりにゲーム三昧でした。
こんにちは、俺です。
缶詰の話。
缶詰とはいってもシーチキンとかじゃありません。
コンピューターに携わったことがあるロートル(40代以上)なら分かると思うんですが、仕事が終わるまで(プログラムが組み終わるまで)事務所やどこかに軟禁されることですw
これを通称:缶詰と言います。
最近は労基やら働き方改革やら下請法やらでこんなのやったらハラスメントで訴えられますが、昔は普通(恒例)の納品前の行事でした・・・。
マルチメディア(CD-ROMタイトル)を作っていた時にはマスターアップ(実行ファイルをHDDに入れてそれをCD-ROMのプレス工場に納品します)前には2週間とか帰れなかったんですよねー。
深夜までバグ出ししてパッチ当てたり、動画再生がフルタイムちゃんと流れるか?(コマ落ちしないか?)とかを延々とチェックして、少しでもおかしかったらプログラム全部組みなおしとかやってました。
(当時のマシンは今と違ってロースペックなので、動画コマ落ちとか普通にあるんですよ)
Adobe Flash(今は無いけど)の前身にMacromedia Directorってのがあったんですが、これがツール自体にバグがあってそのまま組んでみてもきちんと再生がされなかったんですよね。
1990年代前半にしては日本でもできる奴が居なかった320×240 30コマの動画を60分流すっていう荒業をやったんですが、そのままフルサイズのムービー貼り付けると途中でディスクヒープ(Windows特有の機能)のお陰で再生がコマ落ちするんですわ(28分くらいでw)
で、動画を何度もエンコードし直して尺調整しながらコマ落ちないような仕組みをツール上で再現するってのが大変だったんです(当時、ツールのメモリーの使い方みたいなのを動画動かしながら特性把握して、そこをプログラム的に処理するっていうメーカーもやらない裏技みたいなのをやってました)
動画エンコードも今と違って320×240画格の1時間動画をMPEG1にエンコードするのに12時間とか掛かった時代ですよ。
もうね。途中で何度諦めようかと思ったことか・・・。
社長も見るに見かねて、最後には「ちょっとカクったけど気にならないからOKじゃね?」とか言ってくれたんですが、それが許せなかったんですよね。
俺:え?今カクついたでしょ。やり直し。(落ちたコマは5コマくらいだと思う)
ここまでくると意地ですよ。
絶対、奇麗に動画見せてやるっていうね。
エンコードに0.5日、調整に3時間、確認に60分 これを永遠と繰り返す作業です。
5徹目くらいになると、もうね。日付と曜日の感覚が無くなるのと、食事何時摂ったっけ?って色んなこと忘れるんですよ。
着替えは1週間分事務所に置いてあって、寝て起きたら着替えるので、これで日付カウントしてました。着替え無くなったから一旦家に帰りますってww
で、朝方家に帰ると出勤する父親とすれ違いまして、「お兄ちゃん、あまり根詰めるなよ」って苦笑いです。俺も声も出ないくらい力が抜けているので苦笑いしかできません。
家に帰ると出勤前の母親から「あんたは風来坊みたいだな。いつ帰ってくるかも分からないし」って言われる始末でした。
実の息子を風来坊呼ばわりとは・・・母上やりますな。
洗濯物を籠に入れて、1週間分の衣類をカバンに詰めたら、そのまま会社に戻るって感じでした。もうここまでくるとワーカーホリックなんていう生易しい表現じゃないですよ。ただの病気ですww
でもね。そんなのを1か月くらい続けたら、動画がちゃんと再生されたんですよ。もうね。嬉しいというより【やっと終わった・・・】って感じで力抜けるんですよね。そうすると次の日には高熱出して倒れるっていうww
30歳くらいまではこんなのが何度かありました。
フリーの外注にプログラム頼んでおいたら納品前でも何も送られて来なくて、おかしいと思って調べたら中身何も入ってなかったとか・・・(マジかw)
そんなのやられたら、うちの担当者に一言
「じゃぁ明日から俺缶詰めになってくっから、あと宜しく」って笑ってましたよw
でも経験詰んでいて修羅場も何度もくぐってたので、無いなら作ればいいじゃんって感じに開き直るんですよね。
なので、空のソースに適当なプログラムをコピペしておいて、納品して動かすと当然動かないんですけど
「あれ?動かないっすね。うちの奴らにやらせてたんですみません。俺直していいですか?」って平然と言いのけて、その場でソースを全部削除、一から凄いスピードで組むんですよww
担当営業さんが分厚い仕様書横で見て仕様を音読してもらって、それを聞きながらその場で組むんですww
(すると、数時間で1本単体テスト完了くらいまで行けるんですよw)
感覚的には、営業さんが読んだ仕様がその場で頭の中でプログラムに替わっていくんですよ。同時通訳みたいな感じです。なので、読んでもらって瞬間にカタカタカタカタってプログラムが出来て行くので、営業さんも横で見ていて「俺さんすげー。これで人月85万だったら激安ですよー」って興奮してくれてましたw
この時がエンジニアとしてのピークだったなーって今更ながら思いました。
結合は後でまたバグが出るんで、単体をモジュール単位で全部組み直しました。営業さんとも仲良くなって、一緒に徹夜してくれるんですよ。ほんと申し訳なかった。
一旦、全部組み終わったのが1週間で完了し、そこから結合して簡単にバグ取ってお客さん先に持っていき、本番で動かしてみます。
たまに間に合わない時には、俺と担当営業さんで握ってあって、二人ですっとぼけて3日くらい猶予もらって組み直したものを持って行って検収受ける感じで乗り切ってましたw
結局全部納品するのに(仕様追加や他のメンバーがリタイヤした分も俺が全部肩代わりして作ってた)、半年掛かりました。
でも喜んでくれてね。電話オペレーターのテーブルアサインと勤務表、時給換算と給与明細まで一元で出るシステムだったんですが、システム導入前までは1日のテーブルアサイン作るだけで5時間くらい掛かっていたみたいなんですよ。
(職種、勤務時間(5シフト制)、休憩時間対応、席替えを各バイトの出勤シフト毎に毎日作るんで、これ大変だと思う)
それがこのシステムで自動アサイン起動したら、7秒で終わりましたww
総務と人事の人達からほんとに感謝されまして、元受けの事業部長さんまでご挨拶いただいき「俺さん、よければうちの事務所に来なよ」って誘ってもらえました。
缶詰と言っても中身の濃く詰まった缶詰だったので、あの時はほんと達成感みたいなものがありました。
それと担当営業、課長、部長さんなんかとよく(ほぼ毎日)飲みに行きました。作っていたのが結局俺一人だったってのもあって、ほんと気を使ってくれたんですよね。
当時はタクシーチケットもふんだんにありまして、チケットもらってタクシーで帰るとかが普通だったので、飲んでも自宅までタク送でした。
そんなのやってれば、身体も悪くなってくるのですが当時は何ともなかったんですよ(まぁ若かったっていう一言なんですけどw)。
無敵って思ってましたww
あとこの時(生涯でも3回しか経験ないんですが)、過労で目が見えなくなるっていう症状になりました。
画面見ながらガンガンプログラム書いていると、いきなりブラックアウトするんですよ。
表現としては、ブラウン管のテレビが消えた時のシュンって音と共に目の前が真っ黒になるんです。
何とか見ようとすると、白い壁を見るだけで目が痛くて、涙が止まらなくなって目が開けられなくなるんですわ。
もうこうなったら2~3日何もできないです。家に帰って照明つけずに寝室で寝るだけ(照明の明るさで目が激痛になるため)。
目を閉じているだけで楽になるんですよね。
一種の職業病だと思っていました。集中していると画面凝視しているからかな~・・・。
会社にも「目が見えなくて、光を見るだけで目も痛くて開けられないから休むわ」って
それでも復旧できたら、その日からまたバリバリプログラム組む訳ですよ。
2~3日休んだ分、取り返さなきゃならんのでw
今は歳もとってきて、目も悪くなってきましたけど、今だ裸眼で済んでいます。25歳くらいまでは両目の視力が2.0だったんですよね。
テレビゲームを3徹とかしてても次の日には回復って感じだったので、目の良さは親に感謝しています(コンピューターは天職だって思ったくらいです)
今は、もうね。夕方くらいになるとショボショボしてねー。
本人はドライアイと言っておるのですが、完全に霞み目ってやつですわ。
目薬も1000円くらいのやつでないと効かないので、目薬離せませんw
齢50前にして、眼鏡買おうかどうかで悩んでいるんですよ。
初眼鏡が50前ってww コンタクトなんか怖くて入れられないです。指先が迫ってくるのが怖いんですよww
眼鏡も遠視(老眼)を買うか、近視を買うべきか悩んでおりますw
遠くは見えるんですよね。最近は近くのものがボヤけて見えるので、やっぱり近視かな~って。この前試しに100均で眼鏡買ってみたらすげー見えるんですよ。+1.0って書いてあったので、視力1.0上げる眼鏡なの?? これで100円なの!?ってビックリしました。
でも見たら、拡大鏡でした・・・orz
これじゃおじいちゃんだよ・・・orz
・・・缶詰の話どこ行ったよ。
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