トランプ大統領のノーベル平和賞ノミネートについてザックリわかる
最近はもっぱらアメリカ大統領選挙の話題で持ちきりなので、
トランプ大統領の話を何回か解説させて項きます。
イスラエルとUAEの国交正常化の仲介役としてトランプ氏の存在があり、それを理由に来年のノーベル平和賞の候補となりました。
そもそも中東のゴタゴタの根源はパレスチナ問題にあります。
イスラエルはユダヤ系の民族で、パレスチナはアラブ系の民族になり、
宗教もユダヤ教とイスラム教で、あまり仲がいいとは言えない人たちになります。
まずはパレスチナ問題をさらっとおさらい
パレスチナの中心都市をエルサレムといい、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地となっておりますが、第1次世界大戦前までは、中東の大部分をオスマン帝国が支配していました。
それに対しイギリスがオスマン帝国に攻め入る際に、アラブ人には戦争に勝ったら建国を認める約束をして兵を集め、
ユダヤ人には戦争に勝ったら建国を認める約東をしてお金を集めました。
これをイギリスの2枚舌交渉といます。
結果的に戦争には勝利しますが、エルサレムの地は一つしかないので最初はイギリスが支配をします。
第2次世界大戦後、イギリスは戦勝国でしたがナチスドイツにコテンパンにやられており、エルサレムの統治をする余裕がなくなり国連が受け継ぎました。
そして分割方法を話し合いで決めようとしたのですが、意見がまとまらずにイスラエルとアラブ諸国の間で4回にわたって中東戦争が起こります。
結果的にはその都度イスラエルが勝利、一つの土地をニつに分けることはできないので、2国家体制にしようと提案しますが、
パレスチナ側が拒否したため、1948年にイスラエルのみ建国となります。
ー方のパレスチナは現在も、ガザ地区とヨルダン川西岸地区のみがパレスチナ自治区となっており建国できておりません。
イスラエル側から見れば、中東戦争に勝利しながら2国家体制という譲歩をしているのに全然要協しないパレスチナはとんでもないとみえており、
パレスチナ側から見れは、エルサレムは元々アラブの土地であり、一時オスマン帝国に支配されていたとはいえ後からやってきたユダヤ人に土地を分けるという事がどうしても許せない。
という事だと思います。
そんなアラブ諸国の一員であるUAEと親米でユダヤ民族であるイスラエルが長年にわたるわだかまりを超えてどうやって国交正常化したのか?
テレビでは共通の敵であるイランを封じ込めるためといわれておりますが、本当にそれだけの理由で正常化できるのかイマイチ納得がいきません。
実はイスラエル内の紅海から地中海までつなぐパイプラインがあり、それを公に使うための正常化と言われております。
詳しく説明すると、ペルシャ湾に接している石油産出国は欧州に石油を運ぶ際にタンカーでアフリカ大陸を迂回するかスエズ運河を通るしか方法がありません。
当然迁回するには超遠回りになり燃料代はもちろん時間もかかり、海賊やハリケーン、座礁のリスクが発生します。
スエズ運河を利用するにも古くて狭いため使い勝手が悪く高額な交通量もネックになります。
世界地図を見て項ければわかりますが、紅海で荷下ろししパイプラインで地中海まで運べばスムーズに欧州各国に石油を運ことができます。
このパイプラインはイスラエルとイランが半々で出資した合弁会社で作りましたが、1979年のイラン革命でイスラエルの単独所有となりました。
※これについては、2016年にスイスの裁判所が逸失利益とし、イスラエル側がイラン側に11億ドルを支払うように命じた様です。
そんな使い勝手のいいパイプラインですが、当然イスラエル所有なので、イスラエルボイコットしているアラブ諸国ではこのパイプラインを使う企業には石油を売れません。
しかし国交合意すれば公式に使えるようになるのでアラブ諸国にとっては大きなメリットになります。
いわゆる石油(お金)で仲直りしたようなものであり、他の国も早く国交正常化しないとおいしいところをUAEに持って行かれる可能性があるため、
短期間の間に他のアラブ諸国も続くと期待されており、実際にバーレーンもイスラエルとの国交正常化を発表しています。
また、徐々にパレスチナに対して批判的な意見がアラブ諸国内外から出てきていることも要因の一つになります。
中東戦争による難民問題などでパレスチナに対しては世界中から支援の輪が広がっていましたが、
実際のところ、パレスチナ側は資産を貯めこんでおり支援金を横領して軍備を整備してテロ活動を行っていると言われております。
いわゆるパレスチナが自分からイスラエルや親米国家からいじめられている構造を作り、それにより支援を得て、それをもとにテロ活動をしてるとみられております。
それ以前に同じアラブ民族としてパレスチナを見捨てられないアラブ諸国が反米対応をせざるを得なく、ビジネスチャンスをみすみす逃している状況も拍車をかけました。
パレスチナ人からみればイスラエルとの国交正常化したUAEはとんでもない裏切り行為だという事になますが、
UAE皇太子の写真を燃やしたりするデモを行ってしまい、それによって本来味方のはずのアラブ諸国からも見放されつつあり、パレスチナがどんどん孤立してきているようです。
※上記の内容は複数の記事から得られたものではないので間違っている情報の可能性もあります。
今後、イスラエルと国交正常化しパレスチナと距離を置くアラブ諸国が増えていけばパレスチナが孤立し和解せさるを得なくなる時が来るかもしれません。
そうなったらパレスチナ問題が解決することになり、そのきっかけを作ったトランプ大統領の功績というのはノーベル平和賞に値するものだという事です。
私の主観や希望的観測も入っているので全てが正しい表現ではありませんが、大筋はあっていると思います。
ただ、今回はイスラエル寄りの解説になってしまったためお読みいただいた方には合わせてパレスチナ寄りの解説も別に読んでから判断して項きたいと思います。
過去にノーベル平和賞を受賞した米大統領の中で、カーター氏は大統領をやめた後に、イラク戦争について反対をしただけでノーベル平和賞を受賞、
オバマ大統領に至っては「核なき世界」と演説しただけで実際には核が増え続けておりさらに演説した2か月後には核実験を実施しているにもかかわらずノーベル平和賞を受賞しました。
トランプ氏と敵対する民主党や民主党支持メディアは、なるだけ報道したくない出来事だったと思います。
唯一の救いが来年のノーベル平和賞ノミネートだったという事でしょうか。