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秋口の鉾田が意外と穴場だったというお話
Xリーグという、日本のアメリカンフットボールのトップリーグの名前を聞いて、その存在がピンと来る人、そしてそれが「X1」「X2」「X3」と3部構成になっていることを知っている人。いらっしゃるでしょうか。荒はアメフト(特にラッセル・ウィルソン&マーショーン・リンチ時代のシアトル・シーホークス)を一時期テレビで見まくっていたので、ほんのり理解していました。
という前段階を書いた上で始めます。
9月の中頃にバスケの取材で茨城に行った際に、「荒さん、アメフトに興味あります?」とプッシュしてきた方がいらっしゃいました。
聞けば、茨城を本拠地としてX2に参戦中の「茨城セイバーズ」というチームがあるということ。
今季、なかなかチームの調子も良いらしい、ということ。
取材等が被らなければ、一度来てみませんか…?というお誘いでした。
試合日程として示されたのは10月29日。ちょうどB1のリーグ戦はなく、定期的に取材を行っている茨城ロボッツも、この日に試合は無さそう…(ちょうど、この日はバスケの天皇杯だったのですが、ロボッツの試合は無し)。ということで、当日、埼玉・草加を飛び出し、茨城県は鉾田市へ。
X2のリーグ戦・茨城セイバーズ vs 下町ゴリラズの試合観戦に行って参りました。今回は久々の観戦記です。
手作りは手作り、けど規模は大きめ
会場となっていたのは、鉾田総合公園。Googleマップで当初行こうとしたら友部JCTから東関東自動車道を行くルートを提示され、慌てて千代田石岡ICで降りるルートを選択。そこから下道を走って到着です。ゆったり走って行けるので、ドライブ的には割と良いコース。埼玉・三郷ICからでざっくり2時間。
陸上競技場の内側フィールドが人工芝になっており、サッカー用のラインがいくつか引いてあります。クラブのスタッフさんに伺ったところ、茨城県内でアメフトの使用に耐える人工芝グラウンドはあまりなく、その上でさらにプロ興行の仕掛けをしようと思うと…という話らしい。天然芝フィールドである、ということを割と疑いなく良いことだと思っていた身としては、意外な感じも受けたし、なるほど富士通スタジアム川崎(古くからのプロ野球ファンには「川崎球場」と言った方が通りが良いか)がかなり便利に使われ続けるわけだ、と納得させられた。
そして鉾田を使う理由はもう一つ。それは、音響なのだという。スピーカーやPAを設置して、客席に向けて音を出している。チアさんや音楽ユニットのパフォーマンスにも使うわけですが、それ意外にも音の仕掛けがあって、どのような感じか…というのは後述するのでお待ちいただきたい。
そして、スタンド。陸上用のスタンドは見晴らしがかなり取れるだけでなく、フィールドとの高低差や程よい傾斜もあって、選手の動きも見やすい。
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フィールドの対岸だった、納得。
セイバーズの試合において、スタンドに入るには「協賛席」という形になる。この日で言えばシリコンバンドとフラッグ、選手たちのメッセージ入りハリセンが付いてくるし、子ども向けチケットであればシリコンバンドはステッカーに変わる。1300円と、価格的なハードルもそうは感じないところだろう。
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が、ワンコインで買えるアイテム(ランダム缶バッジ)もあるので、
せっかくならお一つ買ってはいかがだろうか?
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念のため巻いておいた方が吉。
ちなみにハリセンのメッセージの主は選ぶことができる。
近藤秀則・選手兼チーム代表のハリセンが人気らしく
「選んでくれた方、試合後に写真を撮りましょう!」と仰っているからだとか。
スタンド内は自由席(一部来賓席を除く)。ただ、鉾田の会場は屋根がないので、雨だけでなく、暑さ寒さもダイレクトに影響される。そこだけは天気予報と要相談…だと思われ。
「初心者~ほんのり勢」に優しいかも
音響についての種明かしもしてしまおう。1つは、演出上の音響として使われるもの。プレーの合間合間に、チアさんたちがオフェンスやディフェンスでのコール(クラップ)リードを行う。サッカーやバスケなどに慣れている身としては、プレーオン中は特にコールやチャントのBGM的なものがない…というのは、見た者としてのカルチャーショックでもあった。
(想定外の寒さもあってか、試合開始とともに超バッテリー不足となったのでチアさんの写真はない!申し訳ない!)
ちなみに、コールリードを行うのはチアさんだけなのか…と思ったら、もう1組。ダンスボーカルユニット「Try Cour」のメンバーが会場内を駆け巡っていた。むしろスタンドに近いのは彼女たちの方だったり。
で、もう1つが「なるほど」と思った話。X2の試合は、引用動画のように、LIVE配信が行われている。
この実況、どこで行われているか…というと、この試合ではスタンド最上段。
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「月曜からアメフト」の「ぱーにぃ」さんが実況。
どうしても観客との距離はあるものの、アメフトでは背番号が目立つ。1プレー1プレーごとに関わった選手たちのプロフィールやコメントを紹介していく。パスを受け取った選手、タックルを決めた選手、壁となって立ちはだかった選手など、バリエーションは様々だ。なかなか選手たちも、コメント上で煽ったりウケを狙ったり…という感じなので、観客席も時折ウケる。
ちなみに実況を担当されていたのは、アメフト情報満載のYouTubeチャンネル「月曜からアメフト」の「ぱーにぃ」さん。
そして、実況ではこれから行われるプレーに、どういう狙いがあるのか…というのを、アメフトにおける専門用語を交えて、見ている人たちに伝えてくれるのだ。
例えば、フォーメーションや、それを基に予測されるプレー選択…。ちょっとでもNFL中継を見たことがある人なら多分すんなりなじめるし、「あの用語、そういうことだったんだ」という確認にもなったりする(筆者は後者)。ということで、割と「アメフトの勉強」としても良い場所かも、と思いました。
来季以降もチャンスあり
この試合を前にして、セイバーズは主力選手が負傷離脱。穴埋めをしようにも、ゴリラズのディフェンスを割っていくことができず、試合は3-24でゴリラズの快勝となってしまった。ちなみにゴリラズ、ディフェンスがはまったら異常な強さを発揮していて、セイバーズ戦の前に行われた試合では3-0という、アメフトではまれに見るロースコアで勝っている(アメフトは1プレーで最大7点を取れる競技。時に点の取り合いになるので、ここまでのスコアはまず見ない)。
6戦で行われるX2のリーグ戦。開幕3連勝を果たして、昇格戦線にも顔を出したセイバーズだが、痛い2敗目。最終戦に勝利しても、自力ではリーグ戦勝ち抜けを決められない状況である。これは厳しいところだが、徐々に茨城での浸透度も上がってきている。
今年に入って、茨城県庁の一角で、セイバーズのユニフォームが展示されることとなった。Jリーグの鹿島アントラーズ、水戸ホーリーホック、Bリーグの茨城ロボッツ、BCリーグ(野球)の茨城アストロプラネッツと並んでの掲示である。
茨城セイバーズのユニフォームが茨城県庁に展示されることになりました
— 近藤 秀則(茨城セイバーズグループ 代表・選手) (@svs009knd) June 13, 2022
茨城県を代表するスポーツチームとご認知されるように活動して参ります!#鹿島アントラーズ#茨城ロボッツ#水戸ホーリーホック#アストロプラネッツ#茨城セイバーズ#信念は揺るがない#3年でX1 pic.twitter.com/HirorTosQV
一方では、今季の成績もあって、X1への昇格が現実味を帯びてきたからか、メディア露出も増えてきた。
より機運が高まった状況で昇格を果たせれば、大企業を母体に持ったり出資を受けたりしたチームがXリーグに多い中で、ある意味出色のチームとして注目をさらに集めることだろう。
来季も鉾田で試合が行われる予定、とのこと。のんびり訪れた公園の一角でプロスポーツを見て、そしてワッと盛り上がって帰る…。普段スポーツを応援している、という方でも、ちょっと違うスポーツ観戦をしてみたい…と言う方、茨城セイバーズを常々チェックしてみても良いのでは…?と思いました。
おまけ
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今回、鉾田まで行くならと、近くのお店を探し、「洋食亭ときわ」というお店を見つけた。かなり手頃なお値段でハンバーグや何やら食べられる…!ということで喜び勇んだ荒だったが、なんとこの日はテイクアウト専業。
温かいもの、腹持ちのいいもの…と考えた結果、オムライスを買っていきました。チキンライスがしつこすぎず、玉子のふんわり感とケチャップの量もアリ。もう一度があったら普通に食べに行きたいお店でした。
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![荒 大(Dai)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/106914323/profile_c376869633c11f6fc5fd5e78e2e316d3.png?width=600&crop=1:1,smart)