蚕の生涯と人間の生涯
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唐突ですが、蚕はご存じかと思いますが、蚕のイメージってどう思われますか?我が家で1500匹の蚕の赤ちゃんを1週間ほど預かり地元の小学校に届けたのですが、蚕について少し調べてみました。
カイコと言いますが実はカイコガの幼虫の呼び方です。カイコガはチョウ・ガと同類の仲間となります。カイコは約1ヶ月半のとても短い一生の間に、卵→幼虫→サナギ→成虫とすがたを変え、これを完全変態といいます。そしてチョウとの最大の違いは、繭(まゆ)をつくりその中でサナギになることです。(大日本蚕糸会HP参照)
完全変態、友人にもいますがそれは置いといて、自宅で預かった蚕の幼虫は0.5㎜程度でしたが、1週間後には1㎜を超えるまでに大きくなりました。1500匹もいると幼虫同士がくっついてしまいますがそれを毎日離さなければいけません。なぜか?自分の出した糸が絡まって死んでしまうのです。ピンセットを用いてくっ付いた幼虫を離す作業をほぼ毎日行いました。この後は小学校でどんな運命になるのか?
蚕は言ってみれば、人間の手によって家畜化された唯一の昆虫です。人間無しでは生きていけません。脚は退化し、自力で樹木に付着出来ず白色で目立つので直ぐに捕食されてしまいます。幸いにも補色をまのがれて地面に落ちたとしても足の退化により移動ができないので餌も食べられず死を待つのみ。
蚕の特徴である繭(絹糸線)は、元になるたんぱく質が詰まっているそうですが、これを出さないとアミノ酸が過剰となり死んでしまうので無理やりにでも繭を吐き出すそうです。
格子状の中に入れられ、繭を吐き出して綺麗な卵状になり、その中でいよいよさなぎになります。これも格子状の枠が無いと綺麗に卵状にはならないそうです。さなぎからいよいよ成虫になり世界に羽ばたく、蝶々同様に羽ばたける期間は1週間から10日前後。しかし、お湯の中にドボン!短い生涯を終わる蚕が殆どですね。お湯につける事で絹糸が綺麗にとれるそうです。
1カ月半という蚕の短い生涯、人間の唯一の家畜動物となった蚕、人間の家畜として生まれて、家畜として死んでいく。
我々人間はどうですか?
誰のために生まれて、誰のために死んでいくのですか?
蚕は戦争をしません、人間は戦争をします。人間はもしかしたら蚕より悪い生涯を送っているのかも知れません。でも、人間には知恵があります、その知恵をもっともっとみんなのために使う努力が足りないようにも感じます。今回の蚕の幼虫を預かり、見て・感じ、勉強をさせて頂きました。
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