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確率思考で見方、考え方を変えよう。

前回の続きです。前回はこちら

前回は、結果は意思決定と運の総和で決まるということでした。

今回は、確率思考が本の中で語っている意思決定の質を高めるためのポイントは、大きくまとめると3つになると自分は読みました。
・結果に対する意識の持ち方
・意思決定のための準備
・結果の振り返り方法

順番に説明していきます

・結果に対する意識の持ち方

初めに、結果はわからないと認めることです。
どんなに、最高のプラン、最高の準備をしたとしてもどういう結果になるかはわからないと認めるところから始めると、成功、失敗という2択で考えなくなるということです。
ここまではいけるというゾーンが生まれたりします。
それによって、リソースの配分、時間の使い方、アクセルの踏み方などをより具体的にイメージすることができます。

次に、成功、失敗は自分のおかげ(せい)という考えを辞めることだそうです。人は、自己奉仕バイアスによって、いいことは自分のおかげ、悪いことは人のせいにします。また、このようなバイアスは賢い人ほど高いそうです。言い訳や屁理屈をたくさん思いつくってことじゃないからでしょう。このようなことを避け、できるだけ客観的に結果と向き合いましょう

野球の松井秀樹さんも『不動心』のなかだったと思いますが、「最大限の準備をしたら、あとは結果を受け入れ、次の準備をはじめる」と言っていたと思います。ホームランでも三振でも結果は結果、結果に感情をもたないようにして次の準備を進めるということでした。

ちなみに、ダニエル・カーネマンたちが提唱しているプロスペクト理論によると、人は「一般的に敗北による苦痛の大きさは勝利による快感の約2倍である。」ということなので、期待値が2倍以上にならない限りは勝負をすると、つらい結果になることになります。

・意思決定のための準備

とはいえ、できるだけ良い結果を得られる確率を高めるためには、できる限りの準備をする必要があります。
その方法は一般的に言われているシナリオプランニングが紹介されていました。
バッグキャスティング。ゴールを設定し(達成したいこと、いつまでに、どうすればそれができたといえるのか)、必要なステップを洗い出して行く手法です。
  なんかおもしろいシナリオプランニングのサイトがあれば

その中で面白い案が、
事前検視 というものです。
死んだ原因を事前に想定してみるということで、あらゆる場面で失敗を想定する方法です。Goal 達成できなかった。なんでだろうというのを事前に洗い出すことでそうなることを避ける手段を考えましょうという話です。

ここからは、私の意見ですが、一旦自分のアイディアを客観視する必要があります。そうしないと、ネガティブ意見で自分のアイディアをつぶそうとしていると感じてしまうからです。
回り人も、より強固なアイディアにしたいと思っているはずが、攻撃されているとか感じてしまわないように準備をする必要があります。

また

ガブリエル・エッティンゲンが 20 年以上にわたって行った研究では、目標への道のりで起こりうる困難を想定する人のほうが常に成功可能性が高い 

そうです。
あえて、『失敗をイメージすることで、失敗をしない準備をする』をやってみましょう。

・結果の振り返り方法

結果には、運が含まれるということを認めたとしても、それまでの意思決定や行動に対しての振り返りは必要です。
気を付けるべき点は、後付けをしないということ。

そのためには、事前にできるだけシナリオを描いておくことが重要とのことです。加えて、著者のアニーデュークさんはチームでの振り返りを奨励しています。
その際に、次の3つのルール

(1)主観よりも正確性を重視する。そのために、真実を追求する姿勢、客観性、オープンな思考をグループ内で称える。
(2)メンバーには説明責任が課されることを事前に知らせる。
(3)多様な意見をオープンに受け入れる。

 こうしたルールを軸に合意が行われることでメンバー間に絆と共同体意識が芽生え、グループから優れた推論が生まれる。
と言っています。

ほかにも、未来の自分と会話してみようとかいくつか話はありましたが、人によってスキキライがありそうな感じなので、その辺は自分で読んでみていただければと。

最後に、アニーデュークさんは

賭け型思考が奇跡の治療法というわけではない。そのような思考を取り入れても、自己奉仕バイアスや意図的な理由づけが消え去ることはない。だが、これらを改善することはできる。そして、その少しの改善によって人生は大きく変わる。結果の原因を正確に突き止められることが少しだけ増え、学習機会がわずかに増えれば、学習できるもの、タイミング、量に大きな違いが生まれる。

とまとめています。

確率(賭け型)思考を少し取り入れ、自分の見方を変えていきましょう。


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