ほとけさまのおしえ「ナリキリ」
今春卒業をされた方、ご卒業おめでとうございます。
そして四月からは晴れて「社会人」としての一歩を踏み出すことになります。
厳しい面もあると思いますが、やはり社会人はいいものです。
社会的責任はあるものの、経済的にも精神的にも自立して、「自由」にできることが格段に増えると思います。
そんな皆さんに「一つ」お伝えすることがあるとするならば、それはぜひ「布施」を心がけてくださいということです。
でもそれはただ「他人に優しくしなさい」とか「ものやお金や時間を人にあげなさい」と言っているのではありません。
私が布施をしてほしいのは「心」です。
「心をあげるなんてできるのか?」と思われるかもしれませんが、仏教にはちゃんと「心施」が説かれております。
よく「人の気持ちを考えましょう」と言われたりしますが、考えても人の気持ちと同じになることはありません。
違う環境、違う考え方、違う身体である以上、考えるだけではわからないことが多いと思います。
そして人の気持ちを考えるとき、大抵はその人を「助けてあげたい」「支えてあげたい」という「慢心」が起きているのではないかとも思うのです。
そしてそういう気持ちで人の気持ちを考えてもきっと「辛かったり、つまらなかったり」するのではとも思うのです。
でも小さな子どもさんは、意外と「簡単に」それを味わうことができます。
それは「なりきり」できるからではないでしょうか?
「ヒーロー」になって変身したり、「お父さんやお母さん」になってままごと遊びをしたり。
そうやってその人の気持ちを味わっているのですよね~。
そんな姿を見ていると、心施とはもっと「知的好奇心と尊敬」を伴いながら味わっていくものだと感じております。
☆今日の一句☆
それいいね
あなたに近づき
なりきりたい