ほとけさまのおしえ「桜吹雪」
午前中、お墓にて法要をさせていただきました。
未明には大粒の雨模様でお墓のお参りは「延期」になるかと思っていたら、朝には止んで吹きすさむ強風の中でお勤めをさせていただきました。
そして近くの満開の桜から風に乗って桜吹雪が舞う中、読経を勤めます。
きれいに掃除をされていた墓石の肩に、薄っすらと「桜の花びら」が積もる様子を眺めながらお勤めを終えました。
終わってから「肩に桜の花びらを乗せてくれるなんて、まるで遠山の金さんみたいですね〜」と談笑しておりました。
確かに桜の花びらが「舞い散る」様はとても幻想的です。
きれいな花びらのまま散りゆく様子は「美しく」もあります。
でも仏教的には美しい、汚いと感じることも、実は己の心から出てきているものであると考えます。
そしてただ風に吹かれて花びらが散っている様子を「そのまま」観ずるのが本当の姿であると言えます。
つまり、「あっ、桜が咲いているんだな~」「あっ、桜の花びらが散っているんだな~」とありのままを観て、余分な感情を持たないように心がけるわけです。
かつての大戦中、若者は「同期の桜」を歌い、潔く国のために命を捧げることが「素晴らしく美しいことなのだ」と思い込まされてきました。
でも「人の死」と「桜の花びらが散ること」は実は全然異なることでもあります。
そして花は散っても桜の木はますます成長していくように、いただいたこの命も来たるべき夏の陽射しを存分に浴びて、「伸びやかに」生き続けていけたらと思っております。
☆今日の一句☆
花吹雪
命のあるを
お祝いし