仏教に学ぶ生き方、考え方「ギブアンドテイク」
「ギブアンドテイク」
「〇〇をしたら〇〇が得られる」関係のことをギブアンドテイクの関係と言ったりします。最近流行りのカードの「ポイント」も買い物したらそれに応じてポイントがもらえ、それでまた欲しい物がかえるわけです。そういう私もポイントをコツコツと貯めるのは好きなので、「ポイント○倍デー」を狙って買い物に行ったりします。
このシステムは買い物をしたらポイントがもらえますが、買い物をしないとポイントはもらえません。当たり前と言われればその通りですが、自分がポイントをテイクするには買い物というギブをする必要があります。反対にポイントをもらえなかったら買い物もしたくなくなるでしょう。世の中ギブアンドギブができる人は少ないですよね。
ギブアンドテイクに関する仏教の話にこのようなものがあります。
今から二千五百年ほど前、お釈迦様はまだ若い皇子だった頃に、民衆の前でパレードに参加したことがありました。そのときに、民衆が皆ひざまずき手を合わせて拝んでいただく様子をご覧になり、こう思ったそうです。「私たち王族はこの国の皆が汗水たらして働いたものやお金を納めていただき、それを糧として何不自由ない生活をしている。私は、頂いてばかりで何も与えていないのに、このように崇められるのは理にかなっていない」と。お釈迦様は皇子としての贅沢な生活をいただきながら、何も返していない自分に心を痛めていたのです。もしかしたら仏教の教えの根源にはこの想いがあるのかもしれません。
人に与えることができる人をダナーといい、今の旦那の語源と言われています。反対に人からもらうことばかり考えている人を餓鬼といいます。
欲しい欲しいと求め苦しむ餓鬼の心から離れ、幸せや安心を与え続ける旦那のような人になれればと思いますが、なかなか凡夫のわたしには難しいのです。でももらってばかりではなく、せめて何かをお返ししたいと心がけることは大切なことですよね?ギブすることにあっぷあっぷで、ギブアップとならないように、できる範囲でコツコツと、ギブを続けていきたいものです。
★今日の一句★
ギブすると
思う心を
テイクしよう