ほとけさまのおしえ「私ができること」
仏教では「諦観」が大切にされております。
諦観とは「諦めて観ずる」こと、つまりは「そのまま、ありのままを観ていきましょう」という教えです。
例えば目の前にハンバーガーがあるとすると、「あっハンバーガーがあるな〜」とそのままを見る心持ちでしょう。
ところが私たちは「美味しそうだな〜」「値段はいくらかな?」「どれがお得かな?」「もし美味しくなかったらどうしよう?」などと様々な煩悩が出てくるものです。
その煩悩でハンバーガーを見ると、「何か一回り小さくなったな〜」「ケチャップが少ないな〜」「冷めてて美味しくないな〜」などと様々な邪心が湧き出てきます。
そしてそれが「貪りや怒りや妬みや憎しみ」の元になります。
でも仮にその感情が湧き出てきたとしても、それによって「ハンバーガー自体」が変わることはありません。
私たちができることは「次回からお店を変える」か、「我慢して食べる」ことくらいでしょう。
つまり「環境を変える」か、「自身の心持ちを変える」ことしかできないのです。
それと同じことが世の中の様々なことについても言えます。
仕事にしろ、学校にしろ、家庭環境にしろ、そのままを受け入れている人は「ごくごく」少ないと思います。
そして周りの環境を変えようと試みても、それが至極難しいことを知り、「ストレス」を抱え苦しむのです。
同じように、いくら仏教を勧めても人の心を変えるということはとても難しく、逆にますます「嫌がられる」ことにもなるでしょう。
つまりはその限界を知り、自分にできることを「コツコツ」と実践していく。
それこそが「ありのまま」を受け入れ、「そのまま」を観ていくことに繋がるのではと思っております。
☆今日の一句☆
己知り
己のできる
ことを知る