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ほとけさまのおしえ「風」
自坊のある地域にどうやら来週初めに「台風」がやってきそうな予報が出ております。
最近の台風は勢力が「最大になる頃に上陸する」ので、どれほどの勢力になるのか心配しております。
そして少しずつ「生暖かい風」が吹き始めております。
自坊には世話方様に飾っていただいた「風鈴」が二百個ほど本堂を囲むように設置されておりますので、今日は昼からそれを本堂に運び入れておりました。
そして風で飛びやすいものを、中にしまったりテープで止めたり雨戸を閉めたりしておりました。
一口に風といっても、穏やかで爽やかな風もあれば、強風で被害が出るものまであります。
そして「風の中」に亡くなった方の魂が巡っていると感じるときもあります。
もしそうであるなら、台風の風はどういう意味があるのでしょう?
暑さを吹き飛ばしてくれるのか、それとも汚れた空気を吐き散らしてくれるのか、、、。
いずれにしても被害がなるべく少なく通り過ぎていくことを願うばかりです。
かつてこの地域に「伊勢湾台風」が通り過ぎ、大変な被害が出たそうです。
母親はその時、名古屋の近くの木曽岬村の小学校で教鞭をとっておりました。
そして伊勢湾上空を通った台風で高潮が発生し、担当学級の半分近くの子どもが亡くなったことを、晩年の闘病中のベッドで私に話してくれました。
学校も一週間ほど浸水しなかなか行けなかったそうです。
そんな中で教え子を探し回り、亡くなったことを知る辛さは想像を絶するものがあったと思います。
そして子どもたちには何があろうと、とにかく元気で生きていてほしいと何度も願うように言っておりました。
生きていれば様々なことがおこり、色々な風にも吹かれることでしょう。
その風の中で「ほとけさまのおしえ」にしっかりと根ざした雑草のように生きていきたいと願っている自分がおります。
☆今日の一句☆
風吹かば
思いは巡る
かざぐるま