ほとけさまのおしえ「五人のお坊さん」
十月も中旬に差し掛かりました。
この時期から真宗のお寺では「報恩講」が勤まります。
報恩講法要は「親鸞聖人」の遺徳を偲び感謝を申し上げる法要で、真宗では「最も重要な法事」とされております。
本山では親鸞聖人のご命日に合わせて年始に執り行われるので、それまでに末寺で順番に催されます。
これから十二月にかけて、我が地区の真宗寺院のお坊さんが集う「貴重な機会」でもあります。
といっても空き寺があったり、様々な理由があったりで集まるのは「五人」ほどです。
法要の後で茶菓子をいただきながら、「この一年のこと」や「これからのこと」など様々な話題に花を咲かせます。
そこでよく出てくる話題が、どうやって「仏教の楽しさ、ありがたさ」を皆さんにお伝えしていこうか?ということです。
仏教イコール「長時間じっと座って、意味のわからないお経を聞かされ、眠くなったり辛くなってたり、、、」というイメージが蔓延っております。
でも仏教には「人生を楽に楽しく生きていく智慧」がぎっしり詰まった「福袋」のようなイメージを持たれている方は極々少数だと思います。
そのイメージを膨らませていくために、いろいろな「アイデア」が出されるのです。
そして五人のお坊さんがそれぞれ発言をして、「ああだこうだ」と盛り上がる。
実はこれこそが「自灯明の教え」なのではと感じております。
真宗には江戸時代には、「談合」というひとときがございました。
今でこそ談合といえば、「汚職や収賄」という悪いイメージがございます。
しかし元々は真宗の御同行様が、法話や御書を聴いた後でそれぞれに解釈や意見を出し合い、「味わいを深めていく」ひとときであったのです。
そういう文化は、まさに「真宗ならでは」ではないかと思っております。
つまり教えを聞くだけではなく、「自分なりの解釈」を加えて生活に取り入れていくことが「許されている」と言えるでしょう。
そして五人のお坊さんの「談合」に、私も心を熱くしております。
☆今日の一句☆
談合で
教え深める
五人衆