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ほとけさまのおしえ「火宅の人」

 暑い日が続いておりますが、一昨日の「業火」に引き続き熱い話題をさせていただきます。

 皆さんは「火宅の人」という言葉を知っていますか?

 ずいぶん前に映画にもなった「小説の題名」でもありますが、もともとは「仏教の説話」から来ております。

 「法華経」の中にあるお話で火宅とはズバリ「この世の中のこと」を言っております。

 皆さんは家に火がついていたら大変だと思い、急いで消防に連絡したり避難したり初期消火を試みたりしますよね?

 でもこの火宅の人は、自分の家に火がついていながら、全然それに「気がついていない」のです。

 当然危険が身に迫っているわけですから教えてあげなきゃと思いますが、気が付かないばかりか、目の前の楽しいことに興じて「見て見ぬふり」をしているかのように振る舞っております。

 それはとりも直さず、この世の中で私たちの煩悩が燃え盛り、それに焼かれてしまうような状況にあっても、楽しみばかりに目を向けている私たち「凡夫そのもの」なのです。

 では煩悩の火に焼かれないようにどうすればいいのでしょうか?

 それは「至極簡単」です。

 焼かれないようにするためには、まずは火がついているということに「気が付く」ことが大切です。

 仏教では物事を正しく見ましょうと教えられておりますが、正しく見るとはとりもなおさずまずは「気づく」ということになるでしょうか?

 自分の心の動きがなぜ「炎が燃え盛る」ようにとどまらないのか?

 それを知って、実はこの世の中には苦しみのもとになる火種が至るところにあると気づいたなら、そのから遠ざかる一歩が「踏み出せる」と思っております。


☆今日の一句☆

 燃えている
     あなたの足元
          離れてね

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