ほとけさまのおしえ「張りぼて人生」
昔流行った映画で「高速道路でのカーアクションシーン」がありました。
派手なカーアクションの撮影のため、実際の高速道路で撮影ができずに、映画用に「高速道路のセット」を作ったそうです。
そのメイキング映像で高速道路の遮音板がコンパネの「張りぼて」だったのを見て驚いたことがあります。
張りぼては竹や木などで組んだ枠、または粘土で作った型に紙などを張りつけ、成形する「造形技法」のひとつです。
なので本物のように見せる大道具として「撮影」などで使われます。
そして撮影されないところはむき出しだったり強度がなかったりしますが、見た目は「それなり」に見えるのです。
実は「張りぼて」のようなことを人生でも使っている人が少なからずいるのではないかと思っています。
それは「人から見て」いいようにみえる人生、羨ましがられる人生を歩みたいと感じるからかもしれません。
心は空虚なのに、友だちに「囲まれて」いるように見られたい。
ローンに追われながらも、「儲けて」いい暮らしをしているように見せたい。
家庭内不和があるのに「おしどり夫婦」のように見せたい。
こんなふうに見えるところだけ張りぼてで繕っても、虚しさや「徒労感」に苛まれるだけではないかと。
それよりは少欲知足で清貧な生活をし、少額でも人に布施を施しながら、「ありのまま」を幸せに生きていきたいと思うのは私だけではないはずです。
☆今日の一句☆
生活を
見えるとこだけ
飾りたて
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