ほとけさまのおしえ「火種」
十一月になり、朝夕は冷えてくるようになりました。
寒くなるこの時期に増えるのが「火事の件数」です。
そして実はお寺が一番恐れているもの、それは何を隠そう「火災」なのです。
というのも本堂のお荘厳には、「輪灯や燭台、香炉」など火を扱う道具が使われております。
最近は電灯を使うこともありますが、自坊では今も火を使って明かりを灯し、お線香をつけてお焼香をしていただいております。
そしてこの火種がひょんなことでこぼれたり燃え移ったりして、火事が起こることも多いのです。
ですので法要の後は、必ず何回も「消灯確認」をしております。
火は火種のうちは制御できます。
それを忘れたり知らないフリをしたりしているとだんだんと大きくなり、しまいには「燃え盛る炎」となって全てを燃やし尽くしてしまいます。
なので火種のうちにしっかりと「見つけ気をつけて」、大きくならないように留意します。
同様に皆さんの心の中にも火種がくすぶっております。
それは「欲という煩悩」です。
その欲がいつの間にか大きくなり制御できなくなると、怒りや憎しみや妬みになって燃え盛る。
そうなるともう自分ではどうしようもありません。
寒さが厳しくなるこの時期、「火の用心を心がけるとともに、心の中にある火種にも注意を向けて見守っていく心がけが大切だと感じております。
☆今日の一句☆
みちてらす
火種を明かりに
変えゆこう
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