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ほとけさまのおしえ「想いを致す聖夜」
今日は「クリスマス」です。
仏教徒の私もクリスマスはやはり心がざわつくものです。
子どもの頃はサンタクロースが、よい子のもとへ「おもちゃを届けてくれる」と信じていましたし、車庫や離れにおもちゃが置いてあると、大きな声で夜空に向かって「サンタさんありがとう!」と叫んでいたものです。
今思うと、仏教でいうところの「善因善果」を初めて肌で感じるひとときだったのではないかと思っています。
そう思うと、今でも親の恩には感謝をしてもし尽くせません。
そんな私ももういい年になり、プレゼントをもらうことも、また誰かに渡すこともなくなってしまいました。
そういう状況になると、寂しい想いを抱かれる方も見えると思います。
でもそんな自分を卑下したり、寂しさに押しつぶされそうにならなくてもいいのでは?と思うようになりました。
それは「ほとけさまの心持ち」で世の中を観られるきっかけになるのでは?と思うようになってきたからです。
ほとけさま、殊に「阿弥陀如来様」は、この世のすべての衆生を「もれなく救い摂る」という願いを持たれております。
そんな阿弥陀様は、きっと今日の夜も、皆をずっと見続けていてくれると思うのです。
なのであなたが一人でも、誰ともクリスマスを過ごせなくても、きっと「そういう人にこそ」心をいたしてくれていると思うのです。
同じように、あなたの心のなかにも「仏性」があります。
今日のような夜に、その仏性を少しだけ発揮して、世の中の様々な人々のことに想いをいたしてほしいのです。
あなたが外食でクリスマスを祝っていたとしたら、そのお店で働いておられる従業員のことや、そのお子さんのことにも想いを向けてほしいのです。
想いを向けても何も変わらないかもしれません。
でも想いを致すことで、あなたの心に何か生まれるものがあるはずです。
その想いはいつかどこかで華を開かせるかもしれません。
実はこれは「意業(いごう)」といって仏教では大切にされている行いです。
すべての行動は、「想いを致す」ことから始まるからです。
そしてその想いを少しずつ世界中に広げていけたらと思うのです。
☆今日の一句☆
サンタさん
想い届ける
聖き夜