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ほとけさまのおしえ「文月(七月)」
早いもので今日から七月が始まりました。
令和六年ももう半分が過ぎ、ちょうど折り返し地点に来たのかと思うと、時の流れはとどまることを知らないのだな〜と改めて感じ入っております。
梅雨の最中のこの時期、やはり気になるのは「大雨や洪水」によって被害が出ないかどうかということです。
今でこそダムができ堤防が整備されてきておりますが、一昔前は橋が流されることも浸水することも多かったように思います。
できる限り、防災と早めの避難を心がけていきたいものです。
さて実は皆さんの「心の中」にも川が流れているのをご存知ですか?
そう皆さんの心には「二つの大きな川」が流れていると仏教で教えられております。
一つは炎が燃え盛る「火の川」、そしてもう一つは荒波が荒れ狂う深い「水の川」です。
それらは何を表しているのでしょう?
もうおわかりの方もみえるかもしれません。
火の川は「貪り」「怒り」の心を表しています。
そして荒波の川は「妬み」「恨み」の心を表しています。
その二つの川が、私たちの心にはいつも流れており、ちょっとしたことで氾濫し荒れ狂ってしまいます。
でも二つの川のその間には「細くて白い道」がございます。
それは「白道(びゃくどう)」と言われており、その道を歩んでいくと阿弥陀如来様がお見えになる「極楽世界」に辿り着けると言われております。
ただその道はとても細く、平均台ほどの幅しかありません。
私たち凡夫はよろけたり、時にはバランスを崩して落ちてしまうこともあるやもしれません。
しかし阿弥陀如来様の信心をいただき、お任せすれば無事に渡っていけると言われております。
この「二河白道(にがびゃくどう)」の教えは様々な解釈がありますが、私は自分の心中を的確に捉え、その中でも仏様を信じお任せすることの大切さを説いた説話ではないかと思っております。
これから梅雨の後半を迎え、大雨情報を気に留めながらの生活が続くと思います。
そんなとき心を落ち着けて、冷静で的確な判断のもと、早めの避難を心がけていただければと思います。
それと同時に、自分の心の中の煩悩の川を氾濫させない心持ちで過ごしていただければありがたいと感じております。
☆今日の一句☆
川の間を
信じて歩む
白い道