仏教に学ぶ生き方、考え方「悪口を言うということ」
皆さん、「悪口」を言うことはありますか?
大抵は「陰でささやく」ように言うので「陰口」と呼ばれたりしますが、その人を否定するような言葉であることは変わりありません。
仏教でしてはいけない、慎むべきこととして「十悪」というものがあります。
その中には親鸞聖人が最も毒になるものと言われた「三毒の煩悩」である「貪瞋痴」(とんじんち)も含まれています。
そして口や言葉に関することとしてその中に四つもの「悪」があるのです。
それは「妄語」(もうご、嘘をついてたぶらかすこと)、「両舌」(りょうぜつ、争いを煽って仲違いをさせること)、「悪口」(あっく、他人をののしって苦悩させること)、「綺語」(きご、ありもしないことを飾り立てて言うこと)の四つです。
つまり悪口は「あっく」と呼ばれて明確に十悪の一つになっているのです。
そして「十分の四」が口に関するものというのもびっくりですよね?
まさに「口は災の元」とはよく言ったものです。
ここで法律や社会的な決まり事と違うところは、十悪を犯したからといっても、すぐに「何かがある」わけではありません。
所謂、「罰則規定」というものがないのです。
なのでついつい「十悪」を行ってしまうことは実は多いのです。
でもそれは時間をかけて積もりに積もっていき、やがては「自分に返ってくる」と言われております。
つまり仏教は「罰則があるからしない」という心持ちではなく、自分で自分の心を深く見つめ、十悪などの「煩悩」によって自分自身が苦しめられていることに気づき、それを未然に防いでいく教えなのだと思っております。
☆今日の一句☆
煩悩で
苦しむ我が身
気付かされ